超短編小説描きました!
短編小説「鋼鉄の翼」
眩き朝と深淵なる夜の間隙を縫いつつ
彼の者のぼりつづく
眼下には北風吹き抜くる谷あれども
鉛色の翼もて羽ばたく
行くも善し 行かぬも善し
生くるも善し 死ぬるも善し
されど彼の者のぼりつづく
しからば彼の者のぼりつづく
目指すべきは霊峰の頂の遙か先
約束の地なり
宿命と対峙するために
いざ行かむ
神のまにまに
(まぶしい朝と深い闇を宿した夜との間を縫うように
その人はのぼりつづける
眼下には断崖絶壁の谷があり
絶えず極寒の北風が吹き抜けている
けれども、その人は鉛色の翼で羽ばたきつづける
「行くのもいい、戻るのもいい、生きるのもいい、死ぬのもいい…」
運命を受け入れたその人はのぼりつづける
それでも、尚、その人はのぼりつづける
だからこそ、その人はのぼりつづける
目指すは高山の頂上の遙か先
約束の地だ
宿命と対決するために
「さぁ行こう」「神に身を委ねて…」)
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