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NETFLIX「元少年(女)兵の食事」感想

Netflixに「ハイパーハードボイルドグルメリポート」という
番組がある。
5年程前に視聴し、どこか頭に残る回があった。
これから内容や感想などを記述していこうと思う。

世界のあらゆる背景の人々の日常の食事風景をリポートする
ドキュメンタリー番組。

第一回目「元少年兵はなにを食べているのか」
西アフリカの小国・リベリア共和国。
日本からの年間渡航者はほぼ0と言われている。
野外市場で焼かれるおおきな牛串肉は1本10円。
巨大かたつむりやパイプフィッシュの丸焼きなどが売られている。

また、日本からの食糧支援物資(離乳食など)が多数ならび、
物資は横流しされ、市場にて転売されていたりする。


インタビューするのは、
元少年(女)兵であったラフテー。28歳。

ここで「少年兵」について簡単に述べる。
リベリア内戦にて少年兵たちは現実から逃れるため
コカイン等薬物を常用し
仮装をして戦闘していた。

極限状態に置かれた彼らは
殺した兵士の肉を食べたと言われている。

2003年に内戦が終結し
少年兵は居場所を失う。
少年兵たちは広大な墓地へ移り住み、たむろし住んでいる。

広大な墓地には900人余りの元少年兵が暮らしている
辺りには人骨なども散乱している

墓の中で眠り、薬物を使用する
通りに出ては盗み、強盗を繰り返しまた薬物を買う暮らし


先述した元少女兵ラフテー(28歳)の話に戻る。
彼女は両親を殺害され、復讐のため11歳から銃を持ち、数年
少女兵として戦闘へ加わった。
数え切れぬ数の人間を殺害したという。

現在は娼婦として通りに立つ。
夜に通りで男性に声を掛ける間に体が冷え
風邪をひくこと、
また対象の男性から暴行などを受けることもある。

客がつかまると劣化したトタン小屋の一室を利用する
(部屋の構造がバングラデシュなどの売春宿に酷似)
1度の行為につき日本円にして200円を得る。

撮影中に客がつかまり、仕事を終えた。

彼女は200円を握りしめ
暗闇のなか、まっくらな食堂へ出向く。
「稼いだ後はここへ来るの」

彼女が頼んだのは
じゃがいもの葉で作ったカレーと大盛ライス

数種のスパイスと魚介のダシを甘辛く煮たカレー。

それは1食150円する。
お腹が空いていたのか、ラフテーは勢い良く食べる。
彼女は撮影スタッフへ言う
「あなたも食べなよ」
自分の皿の食事を差し出す

スタッフは一切金銭的援助はしていないように見受けられたが
何口か食べていた。「美味しい!」とのこと。

このラフテーという女性が特にわたしの頭に残っていた
これほど、想像を絶する過酷な人生を生き抜き、現在もなお
そのような人生が続いているというのに

わたしのように精神科に通える訳でもなく
日常を生き抜いているその姿に迷いはない

たいへん情緒の安定した方で
スタッフにも親切にいろいろと教え
空腹から売春して得た金銭でありついた食事を分け与える

とても綺麗な英語を話し
表情や仕草が優雅だ

瞳のなかに焦りや不安、怒り
などが見受けられなくて
自らの運命を嘆くようなことばは一切聞かれない。

終始落ち着いているのが印象的だった。

彼女は「億万長者になりたい」という。
おそらく、この方、環境が違えば
懸命に勉強されて、そのようになるのではと思われる。
なんというか、おこがましくも悔しいような
もったいないというような感覚を抱く。

何年かに一度観なおして
考える作品。

先日、ブルキナ・ファソにて事件があったとのこと。
Xでフォローさせて頂いている方
(日本人女性だが、現地男性と結婚され、
現在シングルとしてブルキナ・ファソにて子育てをされている方)
の投稿を拝見した。

アフリカではいろいろなことが起こっているのだな。

記載した作品はNETFLIX「ハイパーハードボイルドグルメリポート」第一回

興味を持たれた方はぜひ。









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