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外国人材ベンチャー社長がタイミーで10年ぶりに飲食店バイトしてみたら、とっても大事なことに気づけた話。

ある日曜日の夕方。
タイミーを使って飲食店(いきなりステーキ)でのスキマバイトに申し込み、すぐに現場に向かった。17:00に思いつき、17:15には申し込みを終え、18:30には現場で仕事を開始していたように思う。久々に持ち前の行動力を発揮でき、それが何故か無性に嬉しかった。
普段は外国人材紹介スタートアップを経営している“経営者”である私がいきなりスキマバイトをしようとした理由はいくつかある。
・我々がいつも紹介している先の飲食店のオペレーションを体感し、クライアント様への営業活動での提案の幅を増やす
・いつも紹介している外国人の立場に立って考えられるようになる
・ダイエットw

と、もっともらしい理由を並べてみましたが、本当のところは、直近で溜まりに溜まった業務や重責で頭がパンクしそうで明らかに効率が落ちており、自分の何かを変えるキッカケが欲しかった。


俺、めっちゃ〇〇やんけ・・・

現場では以下のような、新入りで単発のタイミースタッフでもできる簡単な仕事を行った。
・食べ終わった食器をキッチンに戻す
・洗い物を拭く
・机を拭く
・お冷を出す
・お冷を補充する
・食べ終わった食器をキッチンに戻す
・お冷を補充する
・アラカルトを補充する など

現場には中国人のスタッフさんも2名ほどいらっしゃって、お、色々聞けるじゃん、俺だからこそなんかアドバイスできるんじゃね?なんて上から目線で業務を開始した。

10年ぶりの飲食店勤務、調子に乗って開始。

しかし、業務を開始するとまず、

「自分、仕事できないめっちゃ普通のバイトやんけ・・・・」

学生時代以来の10年ぶりの飲食店勤務で初日とはいえ、他の社員さんのような広い視野もないし、気遣いもできない。お客様への対応が遅れてしまいご迷惑をかけてしまうこともあった。上から目線の自分に恥ずかしくなった。

いつも偉そうに“社長”という立場で社員に指示出しをしているが、だからと言って、自分は仕事が神レベルにできるわけではない・・・
もちろん全く初めての現場でいつもと全く違う種類の仕事なので、当然っちゃ当然なのだが、自分も一人の人間であり“社長”という仕事をやっているから何か特別なわけではないということに気づけたことがまず大きな収穫だった。どうしても“社長”になると、社内は全員部下で何でも言うことは聞いてくれるし、自分は何でもできるかのように錯覚してしまう。学生時代の飲食店バイトの時店長に怒られまくって落ち込んだ時のような、プチ挫折を経験し謙虚になれたことは自分にとって大きかった。

気づき1
社長だからと言ってスーパーマンという訳ではない。普通の人間である。

“従業員”とは?

仕事を進めていくと、数回ミスをしてしまった。
店長らしき方に指摘をされてしまいご迷惑をおかけしてしまった。その後の私の行動は「怒られるのが怖いからミスをしないようにしよう」一択。他の社員さんと仲良くなる、だったり、お客様へ良いサービスを提供しよう、だなんてのは二の次で目の前の業務に必死すぎた。
そんな時に他のスタッフから優しく私自身のプライベートの話に対して質問をして頂き、話しかけていただいて妙に安心して嬉しかった。
逆に私のミスにイラッとした顔をされていたら、かなり傷ついていたように思う。

社内を振り返ってみる。
「うちのメンバーも入社したばかりの若い子達、それも外国人が多いけどどうだろう?」
「新人に求めすぎていないか?フォロー体制は大丈夫か?」
「新人の心理的安全性を考えたコミュニケーションができているか?」
などなど。スタートアップは組織が命。結局のところ情報がどこでも手に入るこの時代で、プロダクトの質はどんぐりの背比べ。差がつくのは如何にいいチームが創れるか。 そのために報酬制度だったり採用戦略だったりを考えていたつもりだったが、結局のところそれは小手先の技術であり、もっと大事なのは雇われる側の気持ちになって考えられているかだと痛感した。
組織の成長を維持するために高い目標を設定し社員を鼓舞し続けるのは大切。でもそれ以上に社員が「この職場楽しいな!」って思いながら仕事をしてくれる環境を整備していくことの方が大切。そんな大事なことを見失っていてもそれでもついてきてくれている社員に感謝。働いてくれていることに感謝。

いつも頑張ってくれる弊社社員達

それと同時に、お客様が美味しそうに食べていると、“ありがとう”って言ってもらえると、なんだか嬉しそうになっている自分がいた。
無意識に“ありがとうございます!”“いらっしゃいませ”って一生懸命挨拶している自分もいた。
数時間前に適当にポチっただけなのに・・・
組織に入れば“いきなりステーキ店員”としてその組織のために行動しようとするんだ。その組織のために行動しようとするんだ。愛着が湧いてくるんだ。
ここでもまた、ASEAN HOUSEの社員を思い浮かべる。
社員はそんな気持ちでASEAN HOUSEの一員であることにもしかしたら喜びを持っていてくれるのだろうか?誇りを持っていてくれているのだろうか?
言葉では言い表しづらい喜びと重圧を感じた。

気づき2
もっと社員が働いていて「楽しいな!」と思える会社を創ろう!

日本ってまじですごい!日本人でよかった!

一方、業務を進める中で気づいたことがある。
それはお客さんの“マナーの良さ”である。
お冷を出しただけなのに、ほぼ全員の人がありがとうと言ってくれたりしっかり会釈をしてくれる。金髪のヤンキー風の人もそう。紙エプロンなども皆丁寧に畳んで帰る。綺麗に米粒ひとつ残さず食べる人がほとんどなので後片付けがまじで楽。
他人のために、社会のために、皆が優しい行動を取れている日本という国の一員であることを誇りに感じた。
一方、東南アジアで暮らしていると、どうもそういうところが気になっていた。
インドネシアでの飛行機でゴミを座席の下に撒き散らして平気で降りていく家族をこの間も何人も見かけた。飲食店でも食べ方が汚い人が多い。(もちろん東南アジアでも全員の人がそういうわけではない。平均値の話)

この差はどこから来ているのだろうか?
おそらく教育だろう。
「ゴミを撒き散らして帰ったらお店の人大変だよね。しっかりと片付けてから帰ろう。」
「ご飯残したら作ってくれた農家さんやシェフに失礼だよね。ご飯を食べれない人も社会にはいるのだから、ご飯を食べれていることに感謝をして最後まで食べよう。」
社会に対する優しさ。知らない赤の他人に対する優しさ。
そういうものを私日本人は知らず知らずのうちに私たちは親から、学校の先生から学んでいる。

ミャンマーでずっと教育に関わっていたので、そして今も、インドネシアで日本語学校を運営しているので、東南アジアではそのような教育が不足しているのは明白だ。
東南アジアの人は本当に優しい。無邪気な笑顔で明るく接してくれる。
でも、それは今まで関わったことのある家族や友人に対してだけな気がする。
まだ会ったことのないあかの他人には優しくないことが多い。少し残念になる。その優しさがマナーであり、その意識の集合体が国の力であり、国のまとまりである。自分の国を誇れるように。東南アジアの国々がもっとまだ会ったことがない人にも優しい国になり、良い社会になっていければいいなあ、そんな国を創りたい!そこに貢献したい!強くそう思います。
でも、逆に日本人はどうやってそんな崇高な道徳観を子どもへ教育できるようになったのだろうか・・・先進国の仲間入りをして約60年。先進国になれば自動的に道徳観が強くなるのか。。?そんなことを考えながらキッチンの奥でグラスを洗っていた。

インドネシアで運営する学校の様子

私たちはインドネシアで日本語教育機関を運営しています。ただ言語を教えるわけではなく、そのような道徳観も伝授してインドネシア全体がよい社会となっていくお手伝いができれば良いなあと強く思います。

気づき3
日本人のマナーに脱帽!全ては教育。東南アジアもそんな良い社会を創っていきたい!

外国人のみんな、今までまじでごめん!!!

そして、最後に。
飲食の仕事って大変だ・・・
疲れすぎて時の流れが本当に長く感じたし、家に帰ったらバタンキュウ。これを毎日やっている人本当にすごい。僕だったら3日で辞めているかもしれません。

そんな大変な仕事を、異国で言語もロクに通じない中、弊社の紹介外国人はいつも本当に頑張っているんだなと感じました。
普段は離職の相談が来るといつもこう思っていました。

「また、わがままか。本当に根性ねえな〜」

社員として就職するんだからもっと真面目に事前に調べた方がいいでしょ!1,2万円違うだけで転職しても意味ないんじゃない?今の会社で働き続けた方が評価されるんじゃない?今の現状から逃げているだけなんじゃない?と感じる子もいます。

それでも、こんな大変な仕事を頑張っているってシンプルにリスペクトです。
以下に自分は新宿のオフィスで偉そうに机上の空論を語っていたのか。恥ずかしくなりました。

弊社紹介のミャンマー人と私

こんな気持ちになれたのは本当にタイミーという新しいイノベーションに感謝しかないし、こんな気持ちを社員にも味わってもらい同じ目線で外国人と接することができるようになってほしい。彼らをリスペクトしているかしてないかで一つ一つの紹介外国人への声がけがまるで変わってくるはず。
なので、速攻で社員(営業、キャリアアドバイザー、CS)にもタイミーで働くよう奨めました。というか強制で働いてもらいます。笑

気づき4
飲食の仕事って辛い仕事!外国人のみんな、毎日がんばっているんだあ〜を体感し外国人目線になれた

その他の大事な気づき

・10年前と違って、モバイルオーダーやタイミーなどイノベーションが起こっており、そのイノベーションを同年代の起業家たちが起こしているって思うとまじで凄いしかっこいい。俺もそんなイノベーションを起こせる男になりたい。

・モバイルオーダーはマジで偉大。ホールの業務が10年前と比較すると劇的に減っている。おかげでN4くらいの外国人でもホールで働けそう・・・!!

・いきなりステーキさんのオペレーションすごい練り込まれてる。流れるような洗い場、締め作業のスムーズさ、バイトでもタイミースタッフへ漏れなく案内できる徹底ぶり。(タイミースタッフに何させるか最初から決まってる)弊社でもそこまでオペレーションが確立しているか・・・?
そしてそんなオペレーションだからこそ外国人も働きやすい。業務を分化し、日本語ができない人でもできる仕事を創り出すことが外国人採用には非常に重要であり、間違いなくいきなりステーキは可能。業務を分化するオペレーションイメージをクライアントさんにお伝えし、日本語ができない外国人でも採用できる構造創りをサポートできそう。(円安もあり日本語能力の上達が早い高学歴外国人の採用は難しい。採用するなら最近はN4,N3くらいの高卒しか難しくなってしまっている。ほとんどの飲食店では現場業務が分化されておらず“必ず飲食の仕事は日本語が話せないといけない”と定義づけられてしまっており日本語で弾かれて結局外国人採用に至らないケースが多い。例えば全員のスタッフがホールもキッチンも全部やる必要があれば必然的に日本語が一番難しいホールに必要なN2レベルの日本語を求めてしまうが、キッチンの洗い場だけのポジションを創り出すことができればほとんど日本語ができないN4レベルの外国人でも採用ができてしまう。)

・外国人、大丈夫かな?と思うこと
わからなければ聞くこと(遠慮しちゃって聞けない子が多い)
雑音が多い飲食店での日本語の聞き取り、特に数字など
やることがない際に自分から仕事を見つけに行けるか(東南アジアではやることがなかったらスマホいじりながら味見するのが結構当たり前なため)
ホウレンソウ(業務が終わったら自分から報告する癖はない気がする・・・)

翌日いきなりステーキ食べた過ぎて新宿店へ。なぜか新宿店はミャンマー人だらけで最高!次は新宿店で働いてミャンマー語で仕事の伝達をしたいです!!!笑

泥臭く、熱く組織を創っていってくれる仲間、探しています!

上記の通り、我々は泥臭い。社長が現場感掴みに行くためにタイミーでステーキ屋でバイトしてます。
それでも、事業っていうのはやはり泥臭い。
六本木のオフィスで横文字並べて成功するほど甘くない。そう実感する日々です。
仲間と怒って泣いて。お客さんに頭下げて。時々成功して。(10回に1回くらい)だいたいが失敗なんで基本的にストレスフルだし、眉間に皺寄せてます。
それでも仲間が成長したり、お客さんが喜んでくれたり。紹介した外国人が仕送りできるようになって“故郷に家建ったよ!”って喜んでくれたり。
そんな時が本当に嬉しくて辞められません。
そんな、試行錯誤を繰り返しながら前に一緒に進んでいってくれる仲間を大絶賛募集しています!
ぜひご興味あれば下記よりお問い合わせくださいませ^ ^

【簡単な仕事概要】
・「外国人労働者失踪者1万人」という社会課題に向き合い、「妹を学校に行かせるべく仕送りがしたい」と我武者羅に頑張る東南アジア人を支援する手触り感のあるソーシャルな仕事!
・新規事業を連続的に立ち上げているベンチャー企業なので裁量権が無限大。最大速度で成長できる!(新卒2年目でインドネシア支社立ち上げマネージャー登用実績あり)
・東京/インドネシア拠点で外国人社員比率40%のグローバルスタートアップ。グローバルな視座で仕事ができる!
・リクルート出身かつミャンマーで100万人メディアを創り売却したグローバル連続起業家直下で“社会正義”דそろばん”経営が学べる
・年間260%急成長の移民マーケットに挑み、松屋やギンビスなど大手含む100社以上と取引、300人以上を斡旋。
*RAメンバーは入社後半年以内にインドネシア現地入社研修がございます。(日本語学校見学/出前授業、ローカルホームステイなど)


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