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コラボから考えるブランドを構成するもの

現在、10時13分。
法事のため、なぜか米子行きの急行の中でコレを書く。イヤホンからはThe Economistの Cryptocalypseが FTX Japan破綻について報じている。

ブランドを構成するものはなにか———ここ数年これについて考えることが多くなった。コレは果たしてクリエイティブデザイナーによるコレクションの成果だけなのか。それともコレはもっと多くの部分まで波及しているのか———

11月18日は渋谷パルコの3周年記念だった。なんとも渋谷パルコは大変な成功を収めているように思う。この3周年記念にLOEWEが韓国の人気DJのNight Tempoとコラボイベントを開催した。私はLOEWE側でこのイベントへ参加していた。私は大学卒業まで、LOEWEでフルタイムで働いている。これまではなかなかお客さんたちと関わる機会が無く、どこまでが人々に影響を及ぼし得るかといのをいまいち掴めていなかったが、今回のイベントでブランドのコミュニケーションないしはコレへの理解にまた一歩繋がったように思う。

DJ本人が登場する19時以前から、会場は既に多くの人々で埋まっていた。フリーのイベントであったため、半分くらいはたまたま通りかかった人が滞留していたであろうか。イベントはひっそり始まり、お客さんたちに協力していただけたおかげで、終始問題無く終えることができた。

さて、イベントがコレにどう含まれていたのか。DJはLOEWEの服を着てくれていて、場所も店舗の目の前。ただしお客さんはDJに夢中で、お店に流れてはいかない。一見、売上に直接影響しないように見えたが、イベントの最終盤で———DJのテクニックによるものであろうか———気づくと会場全体が一体になり、同じ雰囲気を醸し出していた。その一体感こそ、売上に直接響く必要はなく、それもまたコレの一部なのだ。蛍光板に映るLOEWEとNightTempoの文字。その前で派生する波に乗るお客さんたち。きっとそれは彼らの記憶に残るだろう。ただし、それは単純に〈Nighttempo〉、〈LOEWE〉のように単語として記憶に残るというのではなく、NightTempoとコラボしたLOEWEとして———そのコラボレーションの意味、ないしはチョイス。イベントが作り出したDJとブランドとお客さんの雰囲気。全てはコレに繋がり、人々の記憶に残るのだろう。その記憶が直接売上に繋がるかは別として、ブランドに対するイメージやきっかけに繋がれば、それはコレの一部として機能している。

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