三河 主門

記事になる原稿を書く人です。過去に書いた記事をまとめながら紹介しています。記事ライティ…

三河 主門

記事になる原稿を書く人です。過去に書いた記事をまとめながら紹介しています。記事ライティングのMikawa&Co.合同会社代表。元日本経済新聞記者&デスク。

マガジン

  • デーリー東北紙コラム『私見創見』から

    青森県の八戸市を中心とする県南部で広く読まれている地元紙「デーリー東北」。同紙の人気コラムで複数の寄稿者が執筆する『私見創見』を2020年から2カ月に1度のペースで書かせていただいています。それをアーカイブとしてまとめます。 (※著作権は筆者にあり/内容は掲載時から一部、変更・修正している場合あり)

  • 『泰国春秋』(バンコク日本語フリー誌「Web」巻頭エッセイ)

    タイ🇹🇭バンコクで2011年11月まで発行されていた日本語フリーペーパー「Web」の巻頭にあった連載エッセイをまとめています。

  • アジアなアナタへ

    タイを中心にアジアの国々で味わった様々な旅や取材の“修行”を集めたマガジンです。

  • ESG/DE&I/SDGs/Well-beingマガジン

    ESG(環境・社会・ガバナンス)やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)、SDGs(国連の持続可能な開発目標)、Well-being(ウェルビーイング)に関連するメディアに執筆した記事を紹介しています。

最近の記事

  • 固定された記事

米国の地方で見たファミリービジネス、夢と楽しさ隆々と承継

2022年8月下旬、十数年ぶりに米国を訪れた。日本の大手建設機械メーカーの取材案件だった。今回の取材旅行を通じての収穫は、アメリカの地方部の豊かさを再認識し、各地でファミリービジネスの力強さを実感したことだ。 日本から米東部ボストンへ飛び、ピッツバーグ、アトランタと大都市の空港を移動した。ただ、取材先は大型の建機を実際に売買・使用している現場だったので、各空港から車で1〜2時間はかかる小さな町ばかりを訪問した。 最初のニューハンプシャー州ミルフォードで訪れた建機ディーラー

    • 駐在員は“嫁ぎ先”で愚痴を言う タイ🇹🇭

      「好きな気持ちばかりじゃ続かないよ。長くいると好きと嫌いが交互にやってくる。それを理解しつつ、良いところを見つけていくのが、その国に長く住むコツだよ」 これはバンコクに赴任してごく初期のころ、タイに25年以上暮らしているという大先輩に賜った言葉である。2月末で赴任から1年が経過し、改めてこの言葉の意味を考えている。 タイの文化を「天・地・人」の3つから考えてみよう。 「天」を天気・天候と考えれば、タイはいつでも暑いけれど長く暮らすには気候が安定しているというのは悪くはな

      • 戦争で進むインフレ、企業収益は改善の好機も生活は?

        ロシアによるウクライナ侵攻から、(2022年)7月24日で5カ月となった。戦争状態となった両国の先行き予測は困難だが、私たちの日常生活に起こった大きな変化である物価高は今後、どうなるだろうか。 ガソリン、電気料金、ガスといったエネルギー価格は前年同月比で20%以上も高まったほか、食品や日用品などの値上げも顕著だ。 7月から約10%以上の値上げとなった食品をみると、ウクライナからの輸入も多い小麦を使ったパン、めん類のほか、輸入チーズ、魚のすり身系、お茶、香辛料、食用油、ポテ

        • コロナ後の求人回復、学び直しでチャンスを手に

          筆者が前職(新聞社)を退社して興した小さな会社は、企業が使うビジネス文章の作成・編集が主力事業だ。企業が発信したいプレスリリースの制作や営業成功事例の紹介記事、書籍の制作・編集など、幅は広い。 その中で、今年に入って急速に増えている仕事がある。転職サイト向けの文章作成だ。転職したい人を“その気にさせる”求人広告の記事制作である。求人向けの記事制作が増えてきた背景には、コロナ禍が落ち着き始めたことで企業の採用意欲が高まっていることがある。 東京都の有効求人倍率は2021年の

        • 固定された記事

        米国の地方で見たファミリービジネス、夢と楽しさ隆々と承継

        マガジン

        • デーリー東北紙コラム『私見創見』から
          14本
        • 『泰国春秋』(バンコク日本語フリー誌「Web」巻頭エッセイ)
          9本
        • アジアなアナタへ
          14本
        • ESG/DE&I/SDGs/Well-beingマガジン
          3本

        記事

          八戸の老舗百貨店「三春屋」閉店へ、中心街もクルマ優先へ転換を

          八戸市十三日町13番地にある老舗百貨店「三春屋」を、経営主体のやまき三春屋(八戸市、土屋与志晴社長)が2022年4月10日に閉店すると決めた。中心街のにぎわいを支えてきた三春屋の喪失は、本当に残念で寂しい。 昭和から平成バブル期の頃まで、地方の百貨店はファッションを中心に「都会的な華やかさ」を地元顧客に求められてきた。三春屋はそれに乏しかったが、地下の食品売り場は鮮度や品ぞろえの評価は高く、ローカル百貨店ならではの魅力があった。 筆者の弟は学生時代に、三春屋の地下の鮮魚コ

          八戸の老舗百貨店「三春屋」閉店へ、中心街もクルマ優先へ転換を

          日本のアート市場再興、若い芸術家に「持続可能」な環境を

          2021年11月3日にリニューアル開業した八戸市美術館。コンセプトは「アートを通した出会いが人を育み、人の成長が街を創る出会いと学びのアートファーム」だという。 ファームとは耕す場。地元の若者がアートに触れる機会を増やしてタネを発芽させ、育てて、「100年後の八戸を創造する美術館」(八戸市美術館ウェブサイト)を目指す長期思考だ。 ライフネット生命の創業者でもある出口治明・立命館大学アジア太平洋大学学長は、現代人の教養と創造性を高める出会いに「人、本、旅」の三つをよく挙げる

          日本のアート市場再興、若い芸術家に「持続可能」な環境を

          公営書店のコスト、「本に接する」意義高い投資

          「八戸ブックセンター」は全国初の自治体直営書店(離島以外)として2016年12月に開業した。民間のブックコーディネーターと組み、「大都市でしか入手できないような本に接する機会」を行政サービスとして八戸市民に提供する書店だ。 八戸市が2021年8月下旬に公表した事業報告書によると、4期目となる2020年度の書籍売り上げ収入は1086万円。2019年度が1384万円だから、コロナ禍が直撃した中で健闘した方だろう。 一方で運営にかかる費用(歳出)は2020年度が8996万円、2

          公営書店のコスト、「本に接する」意義高い投資

          社会を変えた食イノベーション、地方発で「世界を救う」商機も

          インスタントラーメン、レトルトカレー、カニカマ――。日本人ならどこかで食べたことがあるこの三つは、戦後日本の「食品三大発明」だといわれる。いずれも国民食として普及しただけでなく、世界各地に浸透して食文化を変えた革命的な製品だ。 最近、食品のイノベーション(技術革新)についての取材を増やしている。先週と今週(※当時)は日本経済新聞電子版に、大塚食品が1968年に発売した世界初の市販用レトルト食品「ボンカレー」の記事を書いた。 常温で長期保存が可能で、いつでも温めれば誰もが失

          社会を変えた食イノベーション、地方発で「世界を救う」商機も

          日常の普遍的価値を守ろう――日本のイメージをつくるもの

          イランを初めて訪れた約30年も前の1991年11月。中国からパキスタンを経てイラン東部の国境都市・ザヘダンに陸路で入り、そこからバスを乗り継いで古都イスファハンにようやく着いた。 16世紀末〜18世紀前半にサファヴィー朝ペルシアの首都として繁栄を極め、「世界の半分」と呼ばれたイスファハン。壮麗なモスクを観光した後、川沿いを歩いていると、少年たちが「アチョー、アチャー!」と叫んで近づき、チョップやキックを浴びせようとする。 ブルース・リーの真似事で、こちらを中国人だと思って

          日常の普遍的価値を守ろう――日本のイメージをつくるもの

          クーデター後のミャンマー、民主化へ時の針を止めるな

          ミャンマーの最大都市ヤンゴンを正午に出発した車は、ゆるゆると北を目指した。目的地は当時、外国人記者にほとんど公開されていなかった同国の新首都ネピドーだ。2007年3月下旬のことだった。ヤンゴンから北へ約450キロメートル。9時間あれば着くと聞いていたが――。 2021年2月1日、国軍が突如クーデターを起こしたミャンマー。民主化を率いてきたアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相がネピドーの自宅で拘束・軟禁されたと速報が流れた。 時計の針を逆に回した軍の横暴に憤りを感じつつ、

          クーデター後のミャンマー、民主化へ時の針を止めるな

          『鬼滅』が問うコンテンツ力――土地ゆかりの魅力、再点検を

          優良コンテンツの威力はすさまじい。社会を動かし、世の中を変え、時代をつくる。漫画家・吾峠呼世晴氏の作品『鬼滅の刃』が新型コロナウイルス感染症にあえぐ2020年の日本にもたらしたインパクトは大きかった。 超ヒット作品だけに内容の説明は省く。漫画単行本を出版する集英社によると、発行部数(電子版含む)は2020年12月4日に発売された最終23巻の初版で1億2千万部を突破。首都圏では同日朝、小さな書店でさえ開店前に新刊を求める人が列をなした。 同日付の大手5紙朝刊には全面広告が各

          『鬼滅』が問うコンテンツ力――土地ゆかりの魅力、再点検を

          「Well-being」関連メディアから

           私たちが個人的に「ちゃんと生きている」――すなわち個人が「肉体的」にも「精神的」にも「社会的」にも充足した状態で暮らしていけることを「Well-being(ウェルビーイング)」というようになりました。  特に「社会的」には、仕事を通じて「やりがい、生きがい、働きがい」を見つけられるように、多様な選択肢があることが望ましいとされます。企業やメディアも様々なアプローチ方法で、Well-beingの時流をとらえようとしています。その関連で執筆を請け負った記事などを紹介します。

          「Well-being」関連メディアから

          『日経ESG』Leaders「未来戦略インタビュー」「ケーススタディ」から

           企業が持続的な成長のために推進するESG(環境・社会・ガバナンス)に特化した経営誌『日経ESG』で、執筆を担当した記事「未来戦略インタビュー」「ケーススタディ」の記録です(※署名記事ではありません)。著作権は同誌の発行会社である日経BPに属するため、リンクと引用(リード部分)で構成しています。(◆企業名の横に記載の日付はオンラインでの記事公開日) ◆積水化学工業 (2024/3/8)◆日本出版販売 (2024/3/7)◆大日本印刷 (2024/2/6)◆積水ハウス (20

          『日経ESG』Leaders「未来戦略インタビュー」「ケーススタディ」から

          コロナで変わる米国の消費――地場の品アピールする好機に

          記事・書籍の執筆や企業の広報支援を本業にしている筆者だが、2020年から個人的にインターネットでの物販事業に乗り出した。メインは米アマゾン・ドット・コムを通じた米国EC(電子商取引)市場での販売だ。 「日本の良品をもっと世界に知らしめたい」との思いから、というのも確かにあるが、コロナで本業がヒマになり、何かできることを探して始めた感じもある。 米国のEC市場規模は2019年に69兆円(記事掲載当時)と日本の2.7倍もある。2億7000万人超が利用し、世界中の商品を「飲み込

          コロナで変わる米国の消費――地場の品アピールする好機に

          牧歌的トルファン、今は昔――米中が歩む衝突への路

          初めて海外に出たのは1991年10月2日、上海から鉄道とバスに乗って中国本土を横切り、パキスタン、イランを抜けてトルコ最大都市のイスタンブールまでユーラシア大陸の大半を横断する旅だった。 旅人はその途中で「沈没」することがある。沈没とは、ひとつの街に長く滞在することをいう。筆者の初沈没は中国新疆ウイグル自治区のトルファンであり、次が同自治区西部にあるカシュガルだった。いずれも、とても牧歌的で異文化情緒にあふれる街並みが一気に好きになったからだ。 どちらもタクラマカン砂漠の

          牧歌的トルファン、今は昔――米中が歩む衝突への路

          Empowerment Report(「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」から)

          日本経済新聞社グループが推進する「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」の参加企業が推進する、ダイバーシティなどへの取り組みや、最前線の働き方を紹介する『Empowerment Report』で、Mikawa&Co.合同会社が担当した企業のリポートを紹介します。 ◆日本マクドナルド◆KPMGコンサルティング

          Empowerment Report(「日経ウーマンエンパワーメントプロジェクト」から)