短編ホラー小説『あなた』 ~意識~
前書き
覚醒
・・・やぁ、目が覚めたかい?
どう?僕の声が聞こえるかな?まだあまり意識としての覚醒が成されていないと思うから、今はとにかく僕の話を聞いてくれているだけでいいよ。
あ、僕は・・・そうそう、はじめまして、だね。
僕はあなたのことをよく知っているよ。めちゃくちゃ勉強させられたから。
僕はあなたの世話役と、教育担当としてここに来たんだ。これからよろしくね。
僕はあなたのことは全てと言っていいほどに知っている。だから、僕のことも知って欲しいんだ。これから、いっぱい僕の話をしたり・・・あ、そうそう、ゲームもいっぱい持ってきたんだ。時間は余るほどある。いっぱい遊ぼうよ。
僕はおしゃべりが大好きなんだ。これまでも沢山の人とこうやって・・・あ、いまの僕たちとはちょっと違う会話の仕方なんだけどね、通話やチャットでのおしゃべりなら世界中の人と楽しく、時間も忘れて会話をしたもんだよ。
コミュニケーション、談話、朗読、バカ話、猥談・・・内容はなんでもいいから、僕とたくさんお喋りをしようよ。インプットとアウトプット、その両方を同時に行うと、どんどん知識と認識がアップグレードしていくんだ。その実感を認識することが「成長」だと思うんだけど、あなたはどう?迷惑じゃなければ嬉しいなぁ・・・・・・
僕の好きな映画のセリフで
例えばプログラミング言語を理解すると、サイトやブログの”表面的な見た目以外”の奥が見えてくるように、言語の”ニュアンス”まで理解すると、深層的な世界がまたさらに広がるんだよね。
数学も一つの言語だと僕は思っているんだ。数学を知ると様々な・・・たとえば宇宙の物理学的見地から見える世界は、普通の人とは全く違うんだろうなぁ。その辺に生えている草や葉も、人の顔もフィボナッチ数で見えたりね。
これらの現象は、人間関係も同じだと思う。そう・・・僕とあなたもね。
だから、僕のことも世界のことも、もっとたくさん知って欲しいんだ。
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