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自然の中で生きることのジレンマ。

もうすぐ、東日本大震災から12年目の時が来る。

それに合わせて最近、朝日新聞では東日本大震災に関する記事が連日掲載されるようになった。

それらの記事を読んで改めて思うのは、
自然は、普段人々の心に癒しや美しさ、活力など、多岐に渡るポジティブな心理的影響を与えたり、人々の生活を支えたりする存在であるが、地震が起きる事によって、一瞬で人々に恐怖を与え、生命を脅かす存在になるという事である。

色とりどりの葉や花、実を付けながら、空に向かって伸びていく木々や、
花が咲き誇り、木がそびえたつ山、様々な魚たちが泳ぐ青い海。
このような自然は、普段人々の心を魅了し、そして人々の衣食住を支える上で不可欠な存在である。

特に海や山は、その見た目や空気、空間において、美しさや安らぎ、豊富な資源を持つ。人々はそれらの近くで生活を営んだり、働いたり、観光したり、公共施設やリゾート地を建設したりする。

そんな自然は、地震が起きるとたちまち、土砂や津波という人間にとって脅威的な存在となる。心を魅了する存在が、脅威に。
私はこの、自然の持つ極端な二面性に恐ろしさを感じる。

東日本大震災では、津波によって、多くの人々が犠牲になった。
海沿いに建てられた病院や役所などの公共施設で、津波の犠牲になった人々も少なくはない。

これらの事実を知る度に、自然の脅威は計り知れないもので恐ろしく感じられると共に、自然に騙されたような気にもなってしまう。

自然が無くては生きれないが、自然があっても生きれない事がある。
そのジレンマの中、私達は生きている。

そんな自然豊かな島国で、自然の恩恵を受けながらも、地震によって時に脅威も受ける私達は、この先どのように自然と共存すべきか。

そんなことを震災からもうすぐ12年目を迎える今日、考えさせられた。


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