「ここはママのお腹の中みたいだ」

以前、職場で4歳の男の子と隠れんぼをしていた時のこと。（よく職員のお子さんが遊びにくるんです！）

電気の消えたうす暗い部屋のデスクの下に、その子が隠れていたので、「見〜つけた！」と声をかけた。

すると、その子はニッコリと笑ってこちらを見上げ、ボソッとこうつぶやいた。


「ここはお腹の中みたいだね」


そだね〜、とか言ってさらりと聞き流しそうになったんだけど、あれ？ちょっと待てよと。

なんか今、ものすごいことを言ったんじゃないか？

そう思ってその子に、
「今、なんて言ったの？」と聞いてみた。

「ママのお腹の中みたいって言ったんだよ」

マジでか？
もしかして、お母さんのお腹の中にいた時のことを、この子は覚えてるのかな。

多分皆さんもそうだと思いますが、僕も「お腹の中の記憶」なんて全く残っていない。

もし覚えてると言う人が周りにいても、これまでにお腹の中の映像とかを見たことがある人なら、いくらでも嘘を言えてしまうのであまり信用できない。

でも、この子は4歳の男の子だ。そんなウソをつける可能性はかなり低いはず。
色々考えるとものすごく興味がわいてきたので、もう少し詳しくお腹の中の様子を聞いてみた。すると、

「ちょっと暗くてせまかったけど、あったかかったよ」


という答えがかえってきた。
これは本当に覚えているみたいだ。

さらに踏み込んで、お腹にいる時には何が見えてたか覚えてる？と聞いてみたら、

「その時は目をつむってたんだから、何も見えるわけないでしょ、もう！！」

と120点の笑顔でバカにされた。。

いやでも、そんなことまで答えられるほど覚えてるのって、むしろめちゃくちゃすごいことなんじゃないか？

なんだかすごい瞬間に立ち会ったような気がして、一人でワクワクしていたのを覚えている。

3人に1人は胎内記憶が残ってる

そんな不思議なことがあったので、ちょっと調べてみた。
どうやらお母さんのお腹の中の記憶のことは「胎内記憶」というらしい。

そしてある研究によると、子どもの3人に1人はこの「胎内記憶」が残っているそうだ。

僕の時みたいに、突然子どもが話し始めることや、リラックスしてる時にこちらから質問したら答えてくれることが多いらしい。でもこの記憶は、4歳をピークにだんだんと薄れていってしまうみたいだ。

そして驚いたのは、本当の「胎内記憶」を聴くことができるのは、一生に一回きりだということ。

もしかして僕は、その子のお母さんとお父さんをさしおいて、その貴重な1回を使ってしまったのかもしれない。

そう考えるとめちゃくちゃ申し訳ない気がしてきた。
聞いたものの責任として、今度その子のお父さんとお母さんに、この時の話を詳しくしてあげないといけないな。

「胎内記憶」を子どもに聴いてみよう

皆さんは、子どもから「胎内記憶」について聞いたことがありますか？

お子さんがいる方は、もしかしたら覚えてるかもしれないので、記憶が薄れてしまう前にぜひ一度、子どもに聴いてみてください。

お子さんがいない方は、知り合いの子どもに聴いてみても面白いかもしれません。
でもその時は、できるだけその子のお母さんかお父さんと一緒にいる時にしてあげてくださいね。