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生徒たちの情報発信がもっと欲しい

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

以前にこんな記事を書いています。

本日の話題はその生徒版です。

なぜ生徒が情報発信をした方が良いと思うのか、結論から言ってしまえば、「発信に値するだけの学びを目指そう」ということと「デジタル・シティズンシップ教育の観点から情報発信を学んだ方が良い」ということの2点からです。

実際問題として、なかなかハードルや問題点も分かるのですが、無理のない範囲で、そういう挑戦があってもよいかと思うわけです。

子どもたちは既に情報の発信者

まず、大前提として意識しておかなければいけないことは、今の子どもたちはオンラインで何かしらの情報発信をした経験があるという生徒がかなりの数いるだろうということです。

noteやブログのようなメディアを使っているケースは多くはないとは思いますが、InstagramやXなどのSNSの利用経験はかなりの割合に上るはずです。

「情報発信」と言ってもプライベートの用途が中心だろうと思いますが、現実問題として、オンラインへの発信の経験を自然と行っているようなケースが多い訳です。

そのような状況を考えると、学校でこそ「オンラインの発信とはどういう行為なのか」ということを「禁止する」という方向だけでなく、子どもたちと考える必要があると思います。

臭いものに蓋をする方式で、SNSの利用については「ご家庭の判断です」と切り離してしまうのは、かえって問題を大きくしてしまうのではないかという危惧があります。

真正面から「情報発信」を扱うとなると、学校も、授業も、情報発信を実際にするという場面を持たざる得ないだろうと思っています。

探究の学びを発信して欲しい

学校にとっては生徒が発信することに難色を示すことは理解できます。色々な難しさがあることを自分も教員なので痛いほど分かります。

ただ、学校の様子を外に開いていくことによって、教員にとっては自分たちの授業の見直しのチャンスに、子どもたちにとっては自分たちの学びの価値の表明のチャンスになると思うのです。

なかなか日常的な授業の様子の発信が難しいのであれば、せめて各生徒がそれぞれの自分の探究の学びについて発信できたらと思うわけです。

「成果」ではなく、過程から含めて、どういう探究を続けているのか、そういうことが発信されることで、学校の外に向けて、それぞれの子どもがどのようなことを考え、どのように挑戦を行い、どのように成長しているのかということが、だいぶ伝わるのではないかと思うのです。

そういう学校の中で起こっていることが外から見えるようになることで、もう少し、色々な学校に対する見方が変わってくるのではないか…そんなことを思うのです。

実際に上手くやっている学校もある

実際に、自分たちの情報発信を非常に上手くやっている学校は既にあります。

例えば、遠野高校のnote。既に30万PVもあるそうです。

ほぼ毎日に近い更新頻度で、おそらく生徒が主体になって配信しているのかな…?

こういう何気ない記事は学校の雰囲気が伝わって、とても意味があると思うのです。

例えば飯能高校の探究部のnote

これは教員がチェックはしながらも、おそらくほとんど生徒が主体的に書いているのだろうなぁと思います。

この記事にあるような生徒自身が情報発信のあり方を色々と考える姿は、この情報発信の時代においては非常に大切な悩みですよね。こういう試行錯誤を学校が学びとして提供できることには意味があると思うのです。

顧問の先生のコメント、関わり方も素敵です(笑)。公の場で、どのようなコメントをするか、情報発信をするか、教員も生徒と同じ立場で挑戦していることになるのが、非常に大切なのだろうと思います。

デジタル・シティズンシップのスタートであり目標でもある

情報発信はデジタル・シティズンシップの観点から考えれば、おそらくスタートラインになることだと考えています。

テクノロジーによって誰かとつながるという視点がなければ、おそらくデジタル・シティズンシップ教育がなぜ必要になるのかという感覚はつかめないだろうと思います。

否応なしに、テクノロジーの力は誰かに影響を与える仕組みになっています。だからこそ、デジタル・シティズンシップ教育のスタートの段階で「責任のリング」の実践は鉄板になっているわけです。

だから、自分が情報発信者であるという感覚を持つことは非常に大切なスタート地点であると思っています。

また、一方で情報発信をどのように行っていくか、何のために行っていくのかということを考え続けることも重要な内容になってきます。

そのため、より善き情報発信ということを目指していくことがデジタル・シティズンシップ教育としては非常に大きな目標でもあるわけです。

手軽に挑戦できる仕組みに対して、目指していくこと、続けていくことは非常に胆力の要る実践になりますね。


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