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もしも私に娘がいたら伝えたい事。「いつか」は産みたいあなたへ。

昨日、日経新聞を読んでいたらこんな記事を見つけた。


不妊治療で卵子凍結し、解凍した際に卵子が使えなくなった場合、採卵と凍結にかかった費用を卵子1個当たり最大で2万5000円補償するというもの。

私はこの流れは非常にマズイのではないかと、個人的に感じている。

人生で一番辛かった不妊治療


私は20代後半、仕事のストレスで生理不順になり産婦人科を受診した時に「多嚢胞卵巣症候群(PCOS)」と診断をされた。

「妊娠を考えているなら早めに治療を開始した方が良い」と言われて、産婦人科通いが始まった。

数カ月通院した後、「症状に改善が見られないので、不妊治療専門の病院を紹介する」と言われ、産婦人科通いを卒業した。

不妊治療専門の病院なんて、そんなに沢山あるワケじゃない。

仕事帰りに、自宅最寄り駅を通過して更に遠くにある「不妊治療専門の病院」へ通う日々がスタートした。

その病院は、不妊治療・不育症等の治療を行っていて、常に大混雑だった。

予約制ではなく、受付順。
受付は19時までなので、仕事帰りに19時ギリギリ手前で受付をして、診察が始まるのが23時、会計を終えて病院を出たら日付が変わっていた事もあった。

通い始めた当初は検査が多いので、早い時間に受付をしなければいけない事も多く、私の有給は順調に減っていった。

そして、当時は不妊治療は全額自費だったので検査と名の付くものをする度に「万単位」のお金を現金で支払っていた。
一度、想定以上に高くて現金の持ち合わせがなく恥ずかしい思いもした。

予約ができない病院への通院は、体力的にも精神的にもかなり辛いモノがあり、1年もたたずにまた別の「予約制」の病院へ転院した。

転院先は予約制だけど18時までなので、仕事帰りに通うのには厳しい。

何よりも、当時私はSE職から営業職へ異動をしたばかりだった。
管理職の人から
「異動したばかりだから、あんまり早く妊娠とかするのは避けて欲しい」
と雑談の中で言われた事があり、私が不妊治療の為に通院していると知られたら良い顔をされない事は明らかだった。

もし不妊治療が成功して妊娠をしても、歓迎されない。
育休を取って、またこの職場へ復帰するの?
1か月後には妊婦になっているかもしれないし、3年経っても全く妊娠する気配がないかもしれない。

元々職場の空気に馴染めなかった事に加えて、先が見えない不安に押しつぶされて、結局「異動して1年ちょうど」で転職をした。

その時の経緯は、過去にも書いている。

つい最近「悩みがある」なんて書いたばかりだけど、そんな悩みとは比べ物にならない位辛い日々だった。

根本的な解決にならない


不妊治療と両立する為に転職した筈が、入社して数カ月が経過すると徐々に「モーレツ社員」と化していった。

「仕事である程度の成果を出して、自信を付けたい」と言う、女性アルアルな状況に陥ったのだ。

不妊治療も中断し、2年程仕事に没頭した。

30代半ばが近づく頃に、仕事も一区切りして不妊治療を再開する事になった。

我が家の場合は、どちらかに「明らかな原因」が特になく、治療のステップアップをすすめられる事もなかった。

服薬治療ばかりで、新しい薬を出される度に
「何か自分で気を付けたり、改善した方が良い事とかありますか?」と聞いても「特にありません」と言われていた。

でも、そもそも妊娠って自然な事のはず。
こんなに薬ばっかり飲んで、本当に良いの?

もっと根本的な改善策があるのでは?と思い、私は本に助けを求めるようになった。

その時見つけたのがこの本。

いわゆる「温活」をおススメする内容だった。

私は自分の食生活や睡眠に意識を向け始めた。
そして、仕事で出会う人にも積極的に自分が不妊治療中であることを公言する様になった。

職場の先輩からは漢方を薦められたり、取引先の女性からは「ザクロジュースを飲めばすぐに妊娠する」と言われ、積極的に飲んでいた。

するとザクロジュースを飲み始めて2か月後には妊娠した。

ザクロジュースだけのお陰ではないと思うけれど、「根本的な体質改善」が結局良かったのではないかと思う。

後押しするポイントがおかしい

周りに、不妊治療が保険適用されて無事に子供を授かったという女性がいる。

とても素晴らしい事だと思う。

だけどね。
そもそも「女性に色々求めすぎじゃない?」って思う。

女性であっても、大学に4年間通ってね。
男性並みに仕事して、成果を出してね。
気が付いたら30代も後半?
でも不妊治療に保険も適用するから頑張って2人位産んでね、3人産めば3人目の大学学費も無料にしちゃうよ♪

みたいな。

著名人も含めて、40代で妊娠・出産する人も珍しくない時代になった。
でも公になっている「高齢出産」の影には、沢山の「妊娠を諦めた人」「不妊治療に1000万単位のお金を使っても授かれなかった人」がいる。

不妊治療はお金だけじゃなくて、通院にかかる時間のロスや先の見えない日々に向き合う事がとても辛いのだ。

もし妊娠をしても、流産するかもしれない。
無事出産しても、障害があるかもしれない。
高齢になる程、先天性異常等のリスクも高くなる。

40歳の人が何年もかけて、数百万円払っても難しい妊娠。
20代なら何もしなくても妊娠できる確率は遥かに高い。

今の流れが10代・20代の女性に対して
「不妊治療も保険適用されるからいいや!」「卵子凍結の保険に入れば大丈夫だ!」みたいな風潮を作ってしまわないだろうか?

また、職場の人も「若手のうちは成果をしっかり出して、子供は不妊治療すれば授かれるだろう」みたいな意識になってしまわないだろうか?

私は、不妊治療をしていた当時
70代の男性から「今の医療技術は進歩してるから、きっとすぐに妊娠できる」と言われて大変白けた気持ちになった。

こんな事を後押しするよりも、妊娠確立の高い20代に妊娠・出産して、子育てが落ち着いてからバリバリ働ける社会を実現した方が健康的じゃない?

40代で出産したら、老眼と闘いながらオムツ交換したり、絵本を読む。
抱っこしてギックリ腰!なんてこともあるのだ。

架空の我が娘へ


今の所、大学を卒業したら就職して働くのが当たり前だね。
だけど、そんな同調圧力に負ける事はないよ。

勿論、仕事がしたいとかキャリアを追いかけたいなら止めない。

だけど、「いつか子供が欲しい」と思うなら、思い切って先に産むのもアリだと思うよ。


25歳位で出産したら、子供が高校生になる頃にちょうど40歳。

今、世の中はどんどん「定年を後ろ倒し」しているよ。
75歳まで働くのも普通の世の中になるよ。
そうしたら40歳で仕事を始めても、35年も働くんだよ。

25歳から40歳まで、子育てを思いっきり楽しんで。
そこからキャリアを築いても十分時間はあるよ。

何よりも、子供にとって「距離の近いママ」になれるよ。
学校で習う事にも、そこまで乖離がなくて、生活環境も似てる。

それってお互いに良いかもよ?


なーんちゃってね!


今日も有難うございました。
これから私は、子供の参観日を楽しんできます♡










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