野党“共倒”時代 上:共産、捨て身のステルス作戦 衆参ダブル選は見送りの公算高まる

与党自民党がうわてだったのか、それとも野党に先見の明があったのか。

安倍首相らの悲願である憲法改正を前に、衆議院が解散され、参院選とダブル選挙になるのではないかとの憶測が昨年末ごろから永田町を駆け巡っていたが、与党は見送る方針を固めた。

野党はダブル選を警戒して、参院選の1人区(1人だけが当選する選挙区)での候補者一本化だけでなく、衆院選での候補者一本化でも合意。野党間の共通政策策定も合意目前までこぎ着けるなど、派手に動き回っている。

◇野党はダブル選を意図的に避けた?

しかし、仮にこの野党の動きがダブル選を避けるためのダミーだとしたら与党を出し抜いた見事な戦略だと思う。

2つ理由がある。

1つは、これはあくまでも私見に過ぎないが、野党が「ダブル選」を連呼し、警戒しているタイミングで与党がダブル選に打って出るはずがないこと。

参院選は3年に1度決まった時期におこなわれるが、衆院選は議会を解散すればどんなときでも実施することができ、それを判断する権限を総理大臣が持つ。

つまり、権限を持つ者が警戒され、準備を整えられている不利なタイミングでそれを行使することはないということだ。

忘れたころに仕掛ける、不意打ちとするのがセオリーだろう。

2つ目は、ダブル選は圧倒的に野党不利の傾向にあること。
衆参ダブル選は過去に2度おこなわれており、いずれも与党自民党が圧勝する結果となった。

もちろん、40年近く前のことなので、現在と選挙制度も違えば政局も国民の政治感度も異なるので、一概に野党に不利にはたらくとは言い切れないが、それでも発足から6年半が経過しても内閣支持率が6割に迫るほどの根強い支持をもってダブル選を仕掛けられたら、とてもではないが野党に勝ち目はない。

以上のことからして、野党はダブル選を避けるためにわざと派手に動き回っていたといえるのかもしれない。

ただ、これは野党にとって状況が最悪であることを示している。なぜなら、与党がダブル選に踏み切らなかったのは、参院選単独でも圧勝することができると見込んだからだ。 

与党に衆参ダブルにしないと勝てないと思わせられなかった。

◇”本気の野党共闘”共産の奇策 足並みそろうか

その一方で、野党共闘実現のため奔走している共産党は奇策に打って出た。

参院選に立候補する党公認の候補をすべて無所属にするというステルス作戦だ。

これにより、当選した議員はどの政党にも属さない状態となる。

しかし、このステルス作戦はすでに今年4月に行われた衆院大阪12区補欠選挙で行われており、その結果はダブルスコアをつけられて敗北するという散々なものだった。

補選では大阪が舞台となることもあり、野党陣営は首相の不適切な関与が疑われている森友・加計学園問題いわゆるモリカケの追及に注力した。

しかし、モリカケを前面に出すあまり消費増税中止などより切迫した問題への追及が疎かになってしまった感が否めなかった。

今回のステルス作戦もアベノミクスの矛盾と失敗を突き、その上で財政再建策を提示することができなければ、同じ轍を踏むことになりかねない。

野党がひとつにまとまれば安倍政権を倒せるなどという安易な幻想は捨てるべきだ。

足し算をして勝てるならとうの昔に政権が変わっているはず。
そもそも、野党共闘のため党の公認候補を無所属に変える捨て身の作戦に打って出たのが共産党だけというのが、いまの野党の本気度のなさのあらわれでもある。

立憲民主党に至っては衆議院が解散され、ダブル選になるのを恐れるあまり、内閣不信任案の提出を渋っているほど。

巨大与党のようすを窺うばかりでは、弱小野党第一党からはいつまでも抜け出せないだろう。

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ぴろあごる

野党“共倒”時代

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