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20240409「海嘯の震え」

黒を塗しておけ
黒金の様子を見つつ
どれもが爽やかだが
それだけではないはず
見様見真似でも
どこか違うのだから
雨に討たれ
矢を放たれ
勘所もないのに
矢鱈滅多ら
降り注ぐ雨の中
少しだけ錆びて
遠くの方から
誰かが叫ぶ
にしても獰猛でありつつ
眠る時だけは静か
要塞からの連絡係

耳を塞ぎ
届かせる知らせの暗号
それでいて身に覚えがない
解読の鍵を持ち合わせてないけれど
引っ張ってきたそれらを
懐柔させては不問に付す
安楽の防波堤で
干からびたそれらを晒し
最果てなく滞る潮流で
波風が騒ぐ
どうにも釣り上げた別の物ごと
これでもないし
それでもない
それは解っているいるはず
としても貝の渦巻からは
比例の階段を昇り降り
踊り場で佇んでいる

明けども更に雨脚はひどくなって
それでいて昨日の日差しをまだ保ち
声高な野次を宥め
しんとした空間に出る
それらを解体しつつ
講じる塩梅のしょっぱさで
穿たれる雨の音
深夜からの地響き
揺れる海音から
照らされる灯台守
何を見つめ
何を投じ
引き上げられない網を繕い
釣果の擦りを糧とする
網目の拡大縮小をもって
時系列を入れ替え
別の編集者が着手を始めている

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