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20240313「木洩れ日の隙間」

空っぽになったから
ひかりで埋めて
四隅にあった角を開く
どれもが等角なのだが
どれもが違う様子で
中心当たりを見つめている
焦点のずれで
わたしのどこかがこそばゆい
それはそれでいいけれど
暖かな熱を受けて
冷たい屋根雪が一滴落ちる
穿たれたのはわたしの方
けれども与えたのはあなたの方
どの方角からだとしても
風に吹かれて
ひどく乾燥しつつ
ひび割れの毎日を
各々が刻む
何を見ているのだろう

知らないふりして
そっぽを向いて
尻尾を振って
とぼとぼ一緒に歩く
同じ道だとしても
枝分かれするから
次は右その次は左
あるいは真っ直ぐで
後戻りもある
ナビが伝える伝言を
本当かなって思うけれど
従ってもいいのなら
従わなくたっていいはずで
別の道を作って行く
さっきまで一緒にいたのに
遠くへ行くとあなたは言う
そんなこと言うなんて
気にもしなかったから
せめて一言だけ伝えよう

風の音を聞いて
同じそれを誰が聞くのだろう
別々の個々だとしても
同じような出来栄えなのに
隙間風が入って来て
空気を変える
代替できないわたしたちの何か
余裕があったらできるのだと
誰かが噂をしている
聞き取れない細やかさで
見落としてしまうレンズのひび
粉々になり
また集合しては
朗らかに春の花が咲く
どれもが綺麗で
どれもが萎れる
それでいいなら
その瞬間を愛おしめばいい
よくあるような話しでもいい

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