そーなんだ化学 Note

化学や素材業界に関連する「えっ!そーなんだ!」となる話をお届けします。 国際情勢、経済…

そーなんだ化学 Note

化学や素材業界に関連する「えっ!そーなんだ!」となる話をお届けします。 国際情勢、経済時事から日常生活まで幅広く化学目線で考え発信します。中の人間は某総合商社で10年以上勤務、化学品に関する営業をしております。

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総合商社で10年以上勤め、Twitter『そーなんだ化学』(現在フォロワー数1.5万人)を運営する筆者のサブスクメンバーシップです。サブスク限定の『そーなんだ化学』を定期更新する①そーなんだ化学+α(月額630円)と②LIB分野に焦点を当てた専門誌(準備中)の2本立てです。 ※Fansで2年以上運営していたのですが、機能の問題で移管することになりました。 ◾️コンセプト 化学/素材分野で国際ビジネスの最前線で働く商社マンが日々お客様に提供している様な情報を、資料と文章を用いてわかりやすく、面白くお伝えします。 ◾️プランと対象 ① そーなんだ化学+α 【月額630円】  ・Twitter『そーなんだ化学』の投稿をもっと見たい方  ・化学/素材産業に興味をお持ちの方  ・知的好奇心が高い方 ② LIB Note by そーなんだ化学 :現在準備中 筆者の専門である新エネルギー/LIBに特化したアカウントを作成予定です。 しばしお待ちください・・・

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最近の記事

3月度 LIB中国部材市況

2月に旧正月(中国の正月休み)がありましたので、3月の価格動向は一つの注目ポイントでした。結果としては・・・リチウムを筆頭に正極材が反転上昇しております。筆者の見立てとしては、中国市場の成長鈍化によって積み上げられた製品在庫もようやく捌け、荷動きが再開し始めたと言ったところかと思います。とはいえ、一昨年、去年のような末端のEV需要が旺盛なわけではなく、あくまで在庫が平時に戻ったようなもので、当面については市況が高騰するような状況ではないかと。あくまで、需給の波の中で、底は脱し

    • 教養としての『ペロブスカイト太陽電池』

      『ペロブスカイト太陽電池』って聞いたことありますか? 恐らく知名度で言えば、一般社会的には超マイナーで新しい事にアンテナを張っている方でも業界の方や化学系の方でなければ中々触れることはないのかなと・・・というネタなのですが日本の産業としては大注目の新技術です。(試しにGoogleでペロブスカイト太陽電池と調べていただけますとめちゃくちゃ出てきます) なぜ大注目かというと、 実現すれば、太陽電池にイノベーションが起きる。 発明したのは日本であり、産業として国際競争力を出せ

      • LIB世界速報 3/25-3/29

        欧州地場系LIBメーカーのNorthvoltがドイツで新たに製造拠点を設けるにあたり、ドイツの現首相及び副首相がその起工式に参列しております。これ、冷静に考えるとすごい事ですよね。一企業の起工式に日本で岸田総理が参加される様なものですからドイツ政府の注力度合いが伺えます。 「官民連携」は日本でもよく言われますし、バッテリー業界もまさにその対象なのですが、こういうドイツ政府の行動を見ると日本はまだ少し中途半端感が残ってしまいます。 今週も面白い世界の速報盛り沢山です。

        • 【紅海問題】政治、宗教、そしてビジネスへの影響

          中東の「紅海」でイエメンのフーシ派と呼ばれる反政府勢力がその海域を通るタンカーや商船を襲いまくるという世界的なニュースが話題になりました。今でこそ少し落ち着きましたが、素材業界で海外との取引をしているビジネスマンにとっては2024年早々、振り回された方も多くいらっしゃったのではと思います。 事実、筆者も商社の立場としてこの紅海問題に関する問い合わせや状況説明に奔走する時期がありました。初めて聞いた方には、「中東の話とどう関係あるの?」という感じに聞こえるかもしれませんが、日経

        3月度 LIB中国部材市況

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        • LIB Note by そーなんだ化学
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        メンバー特典記事

          3月度 LIB中国部材市況

          「LIB Note by そーなんだ化学」に参加すると最後まで読めます

          2月に旧正月(中国の正月休み)がありましたので、3月の価格動向は一つの注目ポイントでした。結果としては・・・リチウムを筆頭に正極材が反転上昇しております。筆者の見立てとしては、中国市場の成長鈍化によって積み上げられた製品在庫もようやく捌け、荷動きが再開し始めたと言ったところかと思います。とはいえ、一昨年、去年のような末端のEV需要が旺盛なわけではなく、あくまで在庫が平時に戻ったようなもので、当面については市況が高騰するような状況ではないかと。あくまで、需給の波の中で、底は脱し

          3月度 LIB中国部材市況

          教養としての『ペロブスカイト太陽電池』

          「そーなんだ化学+α 」に参加すると最後まで読めます

          『ペロブスカイト太陽電池』って聞いたことありますか? 恐らく知名度で言えば、一般社会的には超マイナーで新しい事にアンテナを張っている方でも業界の方や化学系の方でなければ中々触れることはないのかなと・・・というネタなのですが日本の産業としては大注目の新技術です。(試しにGoogleでペロブスカイト太陽電池と調べていただけますとめちゃくちゃ出てきます) なぜ大注目かというと、 実現すれば、太陽電池にイノベーションが起きる。 発明したのは日本であり、産業として国際競争力を出せ

          教養としての『ペロブスカイト太陽電池』

          LIB世界速報 3/25-3/29

          「LIB Note by そーなんだ化学」に参加すると最後まで読めます

          欧州地場系LIBメーカーのNorthvoltがドイツで新たに製造拠点を設けるにあたり、ドイツの現首相及び副首相がその起工式に参列しております。これ、冷静に考えるとすごい事ですよね。一企業の起工式に日本で岸田総理が参加される様なものですからドイツ政府の注力度合いが伺えます。 「官民連携」は日本でもよく言われますし、バッテリー業界もまさにその対象なのですが、こういうドイツ政府の行動を見ると日本はまだ少し中途半端感が残ってしまいます。 今週も面白い世界の速報盛り沢山です。

          LIB世界速報 3/25-3/29

          【紅海問題】政治、宗教、そしてビジネスへの影響

          「そーなんだ化学+α 」に参加すると最後まで読めます

          中東の「紅海」でイエメンのフーシ派と呼ばれる反政府勢力がその海域を通るタンカーや商船を襲いまくるという世界的なニュースが話題になりました。今でこそ少し落ち着きましたが、素材業界で海外との取引をしているビジネスマンにとっては2024年早々、振り回された方も多くいらっしゃったのではと思います。 事実、筆者も商社の立場としてこの紅海問題に関する問い合わせや状況説明に奔走する時期がありました。初めて聞いた方には、「中東の話とどう関係あるの?」という感じに聞こえるかもしれませんが、日経

          【紅海問題】政治、宗教、そしてビジネスへの影響

          LIB 中国速報 3/18-3/22

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          今の中国市場では、ESS(蓄電池)用途の開発PJや使用済み電池のリサイクルに関する動きが盛んです。もちろん市場インパクト的にはEV向けが圧倒的に大きいのですが"目新しさ"という点では市場が急拡大している蓄電池や、ようやく市場に一定量出回ったリチウムイオン電池が寿命を迎えリサイクル市場に出回る頃で仕入れが潤沢になってきたリサイクルに関する更新が多いですね。また新技術路線と言えるナトリウム電池や半固体・全固体電池に関する動きも引き続き有象無象な感じは否めませんが盛んです。これほど

          LIB 中国速報 3/18-3/22

          LIB世界速報 3/18-3/22

          「LIB Note by そーなんだ化学」に参加すると最後まで読めます

          日産は元々自前で持っていたバッテリー部門を中国Envision Groupに売却した関係からもEV用電池の調達をEnvision-AESCからの調達を継続していましたがそれが仇となって米国IRAの補助金を得られず韓国企業と組む方針に踏み出したようです。国の規制によって、組むパートナーを変えざるを得ないという何とも最近っぽさを色濃く示す事例で興味深いですね。 今週はバッテリー関連のニュース少なめですのでサクッと一挙に最新動向を追いかけていきましょう。

          LIB世界速報 3/18-3/22

        記事

          LIB 中国速報 3/18-3/22

          今の中国市場では、ESS(蓄電池)用途の開発PJや使用済み電池のリサイクルに関する動きが盛んです。もちろん市場インパクト的にはEV向けが圧倒的に大きいのですが"目新しさ"という点では市場が急拡大している蓄電池や、ようやく市場に一定量出回ったリチウムイオン電池が寿命を迎えリサイクル市場に出回る頃で仕入れが潤沢になってきたリサイクルに関する更新が多いですね。また新技術路線と言えるナトリウム電池や半固体・全固体電池に関する動きも引き続き有象無象な感じは否めませんが盛んです。これほど

          LIB 中国速報 3/18-3/22

          LIB世界速報 3/18-3/22

          日産は元々自前で持っていたバッテリー部門を中国Envision Groupに売却した関係からもEV用電池の調達をEnvision-AESCからの調達を継続していましたがそれが仇となって米国IRAの補助金を得られず韓国企業と組む方針に踏み出したようです。国の規制によって、組むパートナーを変えざるを得ないという何とも最近っぽさを色濃く示す事例で興味深いですね。 今週はバッテリー関連のニュース少なめですのでサクッと一挙に最新動向を追いかけていきましょう。

          LIB世界速報 3/18-3/22

          LIB世界速報 3/11-3/15

          タイでもEV化に向けたサプライチェーンに変化が生まれ始めております。BYDがタイでEV製造工場を建設すると発表しておりましたが、ここに来て韓KIA社や米テスラもアジアでのEV製造展開においてタイを生産拠点とする方向性の話が出てき始めました。ガソリン車で約200万台レベルでの内需を持ち、また周辺アジア地域へのアクセスや地政学リスクを鑑みてベストの候補地と判断されているのだと予測します。車の製造が始まるとTier1、Tier2の関連産業もひっついてくると思いますので、タイ国内のサ

          LIB世界速報 3/11-3/15

          『固体電池』産業について_【2/3】

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          『固体電池』産業について_【2/3】

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          LIB 中国速報 3/04-3/08

          中国で最も重要な政治日程の1つ、全人代=全国人民代表大会が3/5から開催されました。このイベントの中で中国人民政治協商会議(CPPCC)と呼ばれる会議があり官民で意見交換を行う機会が設けられるのですが、そのメンバーの一人である中国最大手電池会社CATLの創業者、曾毓群氏は政府に対し海外展開への支援を要請しております。内容としては『秩序ある競争』とのことで国内に起こってしまった過剰投資、過剰競争の二の舞にならぬよう市場競争を然りとマネージして欲しいというものです。既に中国ではこ

          LIB 中国速報 3/04-3/08

          LIB世界速報 3/04-3/08

          今週も世界中でいくつかの気になるニュースが出てます。一つ目は、なんといっても三菱商事の『リチウム』への投資でしょう。これで日系商社では豊田通商に続き2社目のリチウム権益への投資です。これまで三菱商事はLIB産業チェーンにはあまり積極的ではない印象でしたがこのリチウム暴落のタイミングでいい買い物だったのでしょう。 二つ目は『電池交換事業』が普及し始めてきたことです。まだまだ単発ではありますが、これまで中国内だけの事業であったものが韓国LGESによる事業展開や、ベンチャー企業主導

          LIB世界速報 3/04-3/08

          スマホ・タブレット・PC市場 2023総括

          1月に記事にさせて頂いた【スマホ・タブレット・PC市場】の更新になります。情報技術、通信業界に強い米の調査会社、IDC(International Data Corporation)が2023年の総括データを公表しましたので、アナリストのコメントやデータをまとめて、さっくり簡潔に見れるように致しました。 ⇩ご参考までに、前回記事はこちら。 IDCのデータはビジネスの場でもよく参照されており一定量の信頼がございます。業界のど真ん中にいらっしゃる方にとってはおさらいに、全く関

          スマホ・タブレット・PC市場 2023総括

          BPA撤退!! 具体事例を元に、石化再編のリアルを解説!

          石油化学業界の再編が加速しております。 BPA(ビスフェノールA)が何か、どういう影響があるのかは下段にて説明させて頂きますが、取り急ぎ「BPAという汎用石化製品」の一つが今年大きな転換期を迎えます。なんと、国内生産が短期間にして1/3程度になるのです。 今回は業界全体の動きというよりも、より個別のケース(ビスフェノールAでの事例)で、具体的に石化再編によりビジネスの現場でどういう風に物事が進んでいくのかを分かりやすく、解説できればと思います。 なぜ、化学業界の再編がこれ

          BPA撤退!! 具体事例を元に、石化再編のリアルを解説!

          LIB 中国速報 2/26-3/01

          2023年のリチウムイオン電池中国総生産量は940Gwhとの事で、前年比25%増と実力値自体は成長しております。ただ実際筆者もビジネスの前線におりますが、足元LIB業界は大変冷え込んでおり兎に角需要が弱い状況です。統計的にはそれなりの数字がでているのですが、実態としては在庫が積みあがっており大手といえども一部生産ラインを止めている所が多く存在する状況。 その中でも将来的な成長を勝ち取るべくこの状況でも材料企業の新規投資が発表され続けております。危険だなあ、と思いつつ競争の激し

          LIB 中国速報 2/26-3/01

          LIB世界速報 2/26-3/01

          欧州では、話題やニュースは沢山あるものの実態としてまともにリチウムイオン電池を量産している企業はほとんどありません。にも関わらず既にリサイクルの話が飛び交っており個人的には話半分程度にインプットをしている次第です。電池生産におけるスクラップと言えどリサイクル会社からして採算性がとれる規模にまでスクラップが出るのは一体何年後なのでしょうか・・ですがこれらの話を今日現在の段階からせぬことには欧州での電池ビジネスにおいて市場から評価されることはないというのも難しい話です。 それで

          LIB世界速報 2/26-3/01

          国内石化産業Now!

          日本国内エチレンプラントの稼働率(1月)が公表されました。1月10日にXで11月までのものを投稿しましたが、そこから2ヶ月経過、1月の稼働率も残念ながら採算ラインの90%を大きく下回る80.3%です。まだまだ石化産業は冬の時代が続いております。丁度、2023年の1年の総括としてエチレンに関する統計が出揃いましたので、データによる整理もしつつ、各企業の業績にも触れながら石化産業のNowを視覚的にお届けできればと思います。 最後に90%に到達したのは2022年7月ですので18ヶ

          2月度 LIB中国部材市況

          2月は中国のお正月、春節(2.9~2.17)休暇がありましたので、電池産業も荷動きは非常に少なく市況も大きな変化はございません。 予想以上に回復しない需要に対し、昨年度からの過剰投資の影響で材料が市場に溢れかえっており市況は暴落、一通り落ち込んだ所で低位推移という格好になります。 ご参考までに先月の記事も併せてご参照ください。 それでもセパレーターや電解液に代表されるように一部材料はまだ下落が続いている点からも景気の悪さを感じざるを得ません。中国新興EV企業も、一部事業撤

          2月度 LIB中国部材市況