ソッカイさん

横浜在住。本業は魚河岸の店主。豊洲、築地界隈で魚介類を扱ってます。noteでは仕事関係…

ソッカイさん

横浜在住。本業は魚河岸の店主。豊洲、築地界隈で魚介類を扱ってます。noteでは仕事関係というよりは、魚介に限らず元々好きなお酒と肴、昔訪れた素敵なお店など、酒と食にまつわる「美味しい投稿」を紹介していきたいと思います。一部はSNSなどで投稿した記事を再掲してます。

最近の記事

令和五年の年明けは福福福の3連チャンで招福祈願。~宮寒梅29福とてっちり鍋~

令和五年、明けましておめでとうございます!とはいえ、すでに1月も入り半月が経過。早いものです。(汗)すっかり正月も明けてしまいましたが、新年の封切りに頂いたお酒を書き留めておきます。 いただいたのは、「宮寒梅 純米大吟醸 29福(ふくふく)」(宮城 寒梅酒造)。正月らしく縁起の良い名前を。蔵元によれば、やはり2022年の感謝と新年の福運を祈願しての季節限定商品なのだとか。29は、精米歩合29%からきてるそうです。29と福をかけて“ふくふく”。酒米には地元宮城県産の「まなむす

    • ボジョレーのワイングラスを眺めながら今のご時世を憂う。~ボジョレーヌーボと牡蠣オイル漬~

      11月第3木曜日は、ボジョレー ヌーボ解禁日でした。休日前にゆったり飲みたかったので、ちょっと遅れて週末に開栓します。今年いただいたのは、ノンフィルターボジョレー ヴィラージュ ヌーボ 〜ヴィエイュヴィーニュ(古樹)2022年~(ドメーヌ・デュ・ボワ・デ・シェーヌ/フランスボジョレー地方)。 勧めてくれた酒店の店主によれば、こちらのワインは、なんでも樹齢50年以上の古樹になった葡萄を厳選して作られているそうです。一口いただくと、チリチリと舌先に微発泡を感じ、新酒らしいフレッ

      • 今宵は皆既月食をアテに一杯!~ヱビス プレミアムメルツェンと皆既月食~

        昨晩は、さすがにTVやネットでは皆既月食の話題で溢れてましたね。有難いことに我が家の食卓からはちょうど“昇りはじめた”満月が臨めます。欠け始めた月を眺めつついただくのは、「ヱビス プレミアムメルツェン」。窓辺に置いたグラスに注げば、月と同じ赤銅色の缶と液色。今宵にはぴったりのビールです。缶の裏にも記載のとおり、ドイツはオクトーバーフェストでも飲まれる「メルツェン」というビアスタイルのエビスビール限定商品。普通のエビスビールよりむしろまろやかで飲みやすい印象です。 今夜の皆既

        • 11月。コロナ落ち着いてるけど、政治の世界は如何に。~千実と時鮭かま~

          早いもので10月もおしまい。暦は11月へ。幸いなことに新型コロナの波はなんとか落ち着いてくれてますが、政治の世界は、首相の答弁がコロコロ変わったり、現職経済再生相が突然の辞任したと思えば、党のコロナ対策本部長に就任とガタガタと落ち着きません。そして今宵呑むはお客さんからいただいた「千瓢 千実」。愛知は水谷酒造のお酒とのこと。ホームページによるとなんでも新人蔵人のデビュー作だとか。その方のお名前とこちらの蔵の銘柄、「千瓢」から一字とって「千実(ちさね)」。そしてそのお客さんもこ

        令和五年の年明けは福福福の3連チャンで招福祈願。~宮寒梅29福とてっちり鍋~

        • ボジョレーのワイングラスを眺めながら今のご時世を憂う。~ボジョレーヌーボと牡蠣オイル漬~

        • 今宵は皆既月食をアテに一杯!~ヱビス プレミアムメルツェンと皆既月食~

        • 11月。コロナ落ち着いてるけど、政治の世界は如何に。~千実と時鮭かま~

          3年振りのオクトーバーフェストになんだか感涙~ヴァイエンステファンとソーセージ盛り合わせ~

          先日、所用で横浜赤レンガ倉庫近くまで来たので、ランチ代りに「横浜オクトーバーフェスト2022」へ立ち寄りました。 かなり昔からここ横浜赤レンガ倉庫で開催されていて、小生も何度訪れたことがありますが、やはりこのコロナ禍において中止を余儀なくされて、今回なんと3年ぶりの開催だそうです。この日は、平日、雨と肌寒い天気とコンディションも悪かったので、ガラガラだろうと高を括っていたのですが、さにあらず!ほぼ席が埋まっているような大盛況ぶりに驚きました。 入場にはまず、入場料500円

          3年振りのオクトーバーフェストになんだか感涙~ヴァイエンステファンとソーセージ盛り合わせ~

          日本酒の新年のはじまり。日々是好日。~神渡とスルメ丸干し~

          10月が始まりましたね。そしてその朔日、10月1日は「日本酒の日」!今年収穫された新米で酒造りが始まる10月は日本酒の新年なのだとか。そんな日に、日本酒を呑まないわけにはいきません! なので、、今宵飲むのは長野の「神渡 辛口純米大吟醸 無濾過生原酒」(豊島屋)。神渡(みわたり)とは、冬場、諏訪湖に張った氷がさらに寒波が到来して極寒になると轟音とともに湖面の氷に亀裂がはしる自然現象「御神渡」からきてるそうです。ちよっと神聖な酒の名にラベルのデザインも黒地に金の文字、さらに名前の

          日本酒の新年のはじまり。日々是好日。~神渡とスルメ丸干し~

          この国の分断に秋晴れの空の青さを思う。~天青と焼はたはた~

          9月27日、世論を大きく二分したまま安倍晋三元首相の国葬が日本武道館で執り行われました。厳かな式が館内で行われる一方でその外では献花にならぶ長い列と国葬反対を唱えるデモ行進の列。。そんな相反する心情が交錯する夜に封を切るのは、、 小生の地元神奈川の酒蔵、熊澤酒造の天青「吟望天青 秋 純米おりがらみ」。杯に注げば、おりがらみ特有のうっすらと濁った色合い。一口飲めば、口当たりはスルッとして飲みやすいけど、味わいはふくよかでフル―ティー、しっかりとした旨味があります。それでいて後

          この国の分断に秋晴れの空の青さを思う。~天青と焼はたはた~

          今宵はタンカレーで女王陛下を悼む。~ジンリッキーとヤークヴルスト~

          今は昔のこと、英国を旅したときロンドンを訪れ、バッキンガム宮殿やウェストミンスター寺院へも立ち寄ったことがありました。そのウェストミンスター寺院で9月19日、エリザベス女王の国葬が執り行われています。嘗ての旅の反芻と女王陛下を悼みながら飲むは、「タンカレー ロンドン ドライジン」。 もともとジンは好きなスピリッツですが、とりわけタンカレーはお気に入りの銘柄、ロンドンを旅したときも飲んでました。緑色をした特徴的な瓶はシェイカーを模したものだとか。赤い封ロウのエムブレムがアクセン

          今宵はタンカレーで女王陛下を悼む。~ジンリッキーとヤークヴルスト~

          朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや。~臥龍梅 秋あがりと名古屋コーチン手羽煮~

          朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや。新型コロナがやや収まり始めた9月某日、名古屋にいる友(ではなく実は従兄弟)が手土産片手にふらりと店先に現れた。なんでもコロナ禍後、2年ぶりの東京出張だという。もちろん小生が会うのも2年以上ぶり。突然の訪問に驚いたのと、うれしさと。 そして今宵、手土産をアテに飲むは、<秋季限定>「臥龍梅 秋あがり」。日本酒も秋酒の季節へ。臥龍梅は、静岡は三和酒造の銘柄ですね。粋な浮世絵のラベルは季節限定シリーズに貼られるスペシャルバージョン。代表的な酒米

          朋有り遠方より来る、亦た楽しからずや。~臥龍梅 秋あがりと名古屋コーチン手羽煮~

          野毛の良店:路地裏ながら、店名のごとくキラリと輝く居心地の良いバー「Bar Brilliant(バーブリリアント)」

          ~以前(あるいはつい最近?)、訪れた心地よい飲食店の記憶を辿ります~ 桜木町駅から野毛小路をふらふらと歩く。 中央通りを渡ってから仲通りに抜ける細い路地を右に入る。 レンガ張りの壁に重厚な木の扉。 路上に白く光る行燈看板、緑色のスタイリッシュな書体の店名。 Bar Brilliant(バーブリリアント) 窓もない外観からは、どんなお店か伺うすべがありません。 外の看板から辛うじてバーだとわかります。 その重厚な扉を開けると、さほど広くない店内。 バックバーとバーテンダ

          野毛の良店:路地裏ながら、店名のごとくキラリと輝く居心地の良いバー「Bar Brilliant(バーブリリアント)」

          中秋の名月に愛でるは兎か狼か~二狼としめさばゴルゴンゾーラチーズのせ~

          辛うじて隣家の向こうに拝めた今年の中秋の名月。月にあやかり、今宵は二羽の兎がデザインされた日本酒「二兎」でも手に取ると、、まさかの!二兎ならぬ二狼!兎が食べられて狼??裏ラベルにある蔵元のコメントによれば、兎の皮を被った狼が兎の代わりにお酒を造ったということで、通常二兎では作らないお酒を毎年コンセプトを変えて作っているそうです。ある種、二兎ブランドでは出せない実験的、挑戦的なお酒をこのブランドで作ろうとう意志表明のようですね。 あらため「二兎 二狼 2022 純米吟醸 萬歳

          中秋の名月に愛でるは兎か狼か~二狼としめさばゴルゴンゾーラチーズのせ~

          落花生に秋の訪れを感じて~フリモント バクスターとジャンボ落花生~

          2022年夏も終わりぬ。9月。されど夏の暑さとコロナばかりはいまだ終わらず。そんな夕暮れ時に飲むは、「フリモント バクスター コールド IPA」(アメリカ ワシントン州)。さまざまスタイルを出してくるフリモントですが、いずれも美味しさにハズレ無し。コールドIPAとは、通常のIPAはエール酵母を使うところをラガー酵母を使っていて、そのラガー酵母の発酵温度がエール酵母より低いからCOLDなのだとか。素人目にはラガー酵母を使う時点でIPAなのかあと思いますが、難しいことは専門の方に

          落花生に秋の訪れを感じて~フリモント バクスターとジャンボ落花生~

          バカルディの空瓶と夏の名残。~モヒートとアボカドディップ

          8月の最終週末。夏の終わりに真夏のような陽気が戻ってきました。今年の夏を名残惜しんで、日が高いうちからモヒートを。夏のカクテルといえば、モヒート。暑く長い一日の終わりによく合います。 今年のひと夏モヒートを飲み続け、バカルディの瓶ももうすぐ空に。モヒートはラムベースのカクテルですが、一説によれば、モヒートの前身の飲み物「ドラケ」のベース酒をバカルディ・ラムにしたものがモヒートと呼ばれ人気になったとか。ヘミングウェイが愛したとかいろいろと逸話がある有名なカクテルですね。 レ

          バカルディの空瓶と夏の名残。~モヒートとアボカドディップ

          飲めば夏雲を思い浮かべる味わい。~無窮天穏 天雲とトリカラ~

          お盆休みが終わるとあの夏空はどこへやら。どんより曇の日が続きます。そんな休日に開けるのは、島根の酒蔵、板倉酒造「無窮天穏 天雲 生酛純米吟醸」。島根って、実は美味しいお酒が多いですよね。この天穏もそのひとつだと思います。飲むと、これが不思議なほどふんわり、かろやか。まさにその名の通り、天雲のよう!アルコール度数が普通の日本酒より若干低いのが軽やかでやわらかな味わいにつながっているのかもしれません。 アテは鶏の唐揚。久しぶりに我が家で揚げてみました。やっぱり、自宅で揚げ立てを

          飲めば夏雲を思い浮かべる味わい。~無窮天穏 天雲とトリカラ~

          ゴジラとゴーヤの意外な関係?~GODZILLA IPAとゴーヤチップ~

          灼熱続きの8月。こんな暑い日にはやっぱり南国のビールが気分と、飲むは沖縄の「GODZILLA IPA」(南都酒造所)。沖縄のイベント「ゴジラ対沖縄」のコラボ限定ビール。ラベルがゴジラ対メカゴジラになってます。1974年に公開された『ゴジラ対メカゴジラ』は玉泉洞など沖縄が舞台だったんですって。子どもの頃見た記憶はあるんですが、舞台やストーリーなどはすっかり忘却してますね。。「GODZILLA IPA」は、その玉泉洞の地下水CORAL WATERで仕込まれたOKINAWA S

          ゴジラとゴーヤの意外な関係?~GODZILLA IPAとゴーヤチップ~

          とかくこの世は萬事酒盃中。~萬事酒盃中と純栗きんとん~

          今年の初め、令和4年の封切りは、広島は亀齢酒造「萬事酒盃中 おりがらみ生酒」だった。“萬事酒盃中(ばんじさけさかずきのなか)”とは、世のすべての事は酒盃の中のようなもの、という意味らしい。実際2022年が始まり、1月にはトンガの海底火山が噴火、2月に北京オリンピックが開催され、新型コロナウイルス第6波、ロシアがウクライナへ侵攻、5月知床観光船沈没、7月新型コロナウイルス第7波、そして安倍元首相殺害、参院選。今年も盃の中は多くの事が起こり、分断やヘイトが深くなっているような気が

          とかくこの世は萬事酒盃中。~萬事酒盃中と純栗きんとん~