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日本社会における社会的弱者とは

今回は、日本社会における社会的弱者について、コラム風に書こうと思います。
以前、育児休業を悪用する人が増えていることについて書きました。

育児のための制度が準備されていることは、とても素晴らしいことですよね。他にもさまざまな家庭環境に応じた制度が作られています。

全てがご自身の会社に用意されていないルールかもしれませんが、代表的なものを列記し、そこに隠れた真実について触れていきたいと思います。

同じような制度でも呼び方が違うものがたくさんあるのは悪しからず。
※ ちなみに、公務員はこれがほぼデフォルトです ※


事情別 便利な制度

家庭のための制度

  • 結婚休暇

  • 配偶者休業同行制度

ハネムーンや手続きのための休暇や、会社に在籍しながら、配偶者の海外赴任などについていける制度もあるんです。

不妊等のための制度

  • 生理休暇

  • 出生サポート休暇

  • 療養休暇

2020年から出来た『出生サポート休暇』は記憶に新しいです。不妊治療を療養休暇として取ることができる組織もあるでしょう。労基法により定められている生理休暇もここに入れましょう。生理休暇と療養休暇についてはコチラ

育児のための制度

  • 産前産後休暇

  • 育児休業

  • 家族のための休暇

  • 子の看護をするための休暇

  • 授業参観等に参加するための休暇

  • 育児短時間勤務

  • 部分休業

  • 時間外勤務・深夜勤務・休日勤務の免除

  • 妊婦の軽易作業への転換

  • 時差勤務

  • 在宅勤務

  • 出産費

  • 育児休業手当金

育児関連だけで、これだけあります。
少子化対策とは言え、育児介護休業法でこれだけのことが保障されているわけです。とても親切。
子育て環境はとても優遇され、制度が充実していると思うのは私だけでしょうか。

現在問題となっているのが、本当は必要ないのに、条件に当てはめて補償を受けようとする人たちです。
ご覧の通り、育児関連は制度が充実しているがゆえ、そのようなことがしやすいのです。

中には、少子化対策を追い風に、社会人経験の低さや一般常識の無さから、理解ある使用者やサポートする社員のおかげで成り立っているという会社組織を理解せず、悪気なく悪用する人たちもたくさんおり、企業は手を焼いている状況があります。

介護のための制度

  • 短期介護休暇

  • 介護休業

  • 介護休業手当金

  • 時間外勤務・深夜勤務・休日勤務の免除

  • 時差出勤

  • 在宅勤務

  • 介護休業手当金

最大6ヶ月間、何かしらの補償があります。育児は先が見える一方で、介護は亡くなるまで先が見えない。1,2年で終わる場合もあれば、10年、20年と続く場合もある。それにしては、制度が限定的で、まだ拡大の余地があると思います。

介護に関しては純粋に働きながら親族を看取りたいと考える、一般常識ある要望(中には不届者もいますが)が多いのが現状です。

体調不良のための制度

  • 療養休暇

  • 私傷病による休職制度

  • 傷病手当金

最大3年6ヶ月間、何らしかの補償があります。
これも悪用する人はいますが、病気を理由にするには限界があります。分限という処分に該当する可能性があるからです。詳しくはコチラをどうぞ。

療養休暇の詳細はコチラ

仕事中・通勤中の事故・怪我・疾病のための制度

  • 労災

  • 通勤災害

  • 後遺障害

完治するまでの全期間の休業補償と、後遺年金や一時金があります。認定されることが必要です。詳しくはこちら。

バリキャリ社員(心身共に健康で勤務している人)のための制度

お待たせしました。日々、文句も言わず、育児休業や育児短時間勤務のサポートをしている方へ向けた、代表的な制度を列挙します。

  • 時差出勤

  • 在宅勤務

  • 自己啓発休業制度

  • ボランティア休暇

  • 骨髄移植のための休暇

  • 自然災害時等の交通遮断された時の休暇

  • その他少数。

探してみましたが、これくらいしか見つかりません。交通遮断は不可抗力、ボランティアと骨髄移植は人を助ける制度、自己啓発休業制度のみ、自分磨きに利用できる制度ですが、『勤務評価が良く、会社にとって有益になるもの』など、条件がつく場合もあります。

時差出勤や在宅勤務は現在では、コロナを背景に理由なく利用可能な流れになっていますが、どうしても育児や介護などの事情がある人が優先になってしまいます。フレックスについては、利用する側の事情というよりも、業務上の都合という性質が高いので、ここでは含みません。

バリキャリ社員には、上司のパワハラや同僚の嫌がらせなどから守ってくれる制度もありません。社内の相談窓口は会社の良いように出来ていますので、自分の欠点として、今後の人事(評価や異動)に響く可能性もあります。
経験ある方は分かると思いますが、昇給や役職はちょっとした目先の利益(のように見えるもの)であり、全く割が合いませんよね。

バリキャリ社員は、働き詰めに働いて、心身を壊してようやく何らかのサポートを受けることができるようになるのです。。

社会的弱者とは?

このように、育児や介護、病気などを患う人には手厚い補償がありますが、心身ともに健康な人が働きやすくなる制度や実質的に会社を支える人の特権になる制度はほぼないのが実情です。

  • 満員電車や交通渋滞の中で通勤する人、

  • 育休や能力不足の人たちの分の仕事を押しつけられて心身を壊しながら働く人、

  • それを横目に雑談しつつローペースで単純作業にふけり、育児を理由に半日で帰っていく扶養内育短期社員(タチが悪いと子の扶養手当や家賃補助も受けている)、

  • 平日の昼下がりに優雅にランチを楽しむママ友たち、

  • 「年金は打ち出の小槌だ」などと豪語し喫茶店に集う老人たち

様々な状況に置かれた人たちがいますが、現在の日本社会での本当の社会的弱者は『日本社会を支えるバリキャリ社員たち』ではないかと思います。

まとめ

今回は日本社会における社会的弱者について記載しました。一応、目を背けたくなる真実を要約します。

  • 育児に関連する制度はかなり優遇されている

  • 会社を支える人たちをサポートする制度や特権になる制度はほぼ皆無

  • 日本社会における社会的弱者はバリキャリ社員

今後、『育児中でも活躍する人の特徴』や『会社で生き抜く処世術』、『問題社員を退職させる方法』など、記載できる範囲で書いていきたいと思います。
以上、日本社会における本当の社会的弱者についてでした。



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