「一九八〇年代論」というサブタイトルの通り、1980年代をサブカルチャーの視点から読み解いています。バブル期からバブル崩壊にかけてのおよそ20年は、経済成長期をおえた日本社会が成熟したことを象徴するようなことがたくさん起こりました。サブカルチャーが「おたく」文化として顕在化したこともそのひとつの顕れだと思います。『「おたく」の精神史』は、「新人類」やその旗手たち、アニメや都市伝説、社会現象などを網羅するかのように丁寧に追いかけています。