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強迫症の再燃!?と共に見つけて得た安心。

最近症状が寛解していることで忘れがちなぴぃの病気。

強迫性障害

ぴぃの場合は主に「不潔恐怖」が強く、汚れ、シミ、キズなどを見つけると、それが菌であり、触れるとすぐさま死に至るというところまで囚われる。

その「強迫観念」を、我が家では『ミッケ』と呼んでいる。

不潔恐怖によるミッケが現れると、たちまち脳内がパニックになり、手洗いが止まらなくなったりという「強迫行為」に及ぶ。

ぴぃの場合、発症から3年間、寛解と再燃を繰り返し見えてきたのは、「不安」「ストレス」「疲れ」「緊張」の状態が一気にやってくると、ミッケが現れるということ。

不登校になったことで、常に不安と隣り合わせだったが、成長と共に、少しずつ自分の力で乗り越えていけるようになった。

そして、少しずつエネルギーを貯めて、また立ちあがろうとしているのが今。

この時期、誰もが同じように不安と緊張を感じる時、ぴぃにとってはそれを人の倍以上感じていたんだと思う。

不安と緊張に加え、気力も体力も限界、新しい友達や教科担任という制度、気持ちの上ではなんとか頑張りたいと思っていても、ミッケは容赦なくやってきた。


そろそろ5時間目が終わるという頃、担任の先生から電話があった。

以下、先生から聞いた症状と先生とのやりとりの記録↓

4時間目の理科で花の解剖をした後に、手洗いが止まらなくなり、石鹸のない洗面台で過呼吸になりそうなほど泣き崩れていた。
先生がなんとか落ち着かせて、別室へ行こうと促しても「石鹸がなければ何度洗っても綺麗にならない。これ以上動くと、自分についている菌がいろんなところについてしまう。」と言って動こうとしなかった。
急いで石鹸を持ってきて洗わせ、先生が強力な消毒液を持っているからと誘い別室に行き、普通の消毒液を手に振りかけるとやっと少し落ち着いた。
お弁当の時間に差し掛かっていたので、二人でお弁当を食べながら、たくさん話し、後日、中学校のスクールカウンセラーさんの元へ2人で行こうと約束した。
落ち着いてきたものの、ぴぃは先生に、自分の病気のことを誰にも理解してもらえない辛さ、みんなが怖いと思わないものを怖いと思ってしまう自分がおかしい人間なんだと泣きながら訴えた。
それに対して先生は、「みんなにぴぃの病気を知ってもらおう。」というと、恥ずかしくて嫌だとぴぃは言った。
それでも、「誰にでも怖いものや嫌なものがある、それがあなたの場合みんなより少し多くて強いだけ、それはおかしいことじゃなくて個性なんだから恥ずかしいことではない」と伝えたと言う。
「先生はあなたが持っている不安を少しでも無くしてあげたいし、先生があなたを守るから」と伝えると、みんなに知ってもらいたいとぴぃが言った。
その後、別室にぴぃを残し、先生はクラスのみんなにぴぃの病気について話してくれた。
ぴぃは入学してすぐの自己紹介で、持病があり小学校は休みがちだったとすでに自ら公表していた。
先生はみんなに強迫性障害とは言わず、ぴぃの持病についてと、ぴぃにも話したようにおかしいことではないという話をしたという。
ぴぃはその後、お弁当を食べたら早退するかと思いきや、気持ちを切り替え5,6時間目の授業を受けた。

先生は、以上のことがありましたので、今日はたくさん疲れて帰ると思うと添えて電話を切った。

正直、たくさんの驚きポイントがあり、私はショックというよりもなんだか嬉しくて感動していた。

ミッケの再燃。

今まで小さなミッケについてはぴぃ自身がコントロールしていたし、死ぬとか怖いとか思うことがほとんど無くなったと本人も言っていた。

ここまでパニックになる症状は本当に久しぶりで、これについては、「きたか・・・」という思い。

週末、来週にかけてもしばらく静養につとめた方がいいかもと覚悟を決めた。

それよりもぴぃが、自分の病気とその症状、そして自分の悲痛な叫びを、親と医者以外の人に言葉にして伝えたこと。

そしてすでに、自ら持病があり小学校に行けていなかったことをクラスのみんなに公表していたこと。

これが、私にとっては驚きと安堵の思いだった。

入学前に、学校側にお願いしてあった、
『もし症状が出たら、本人の気持ちを否定せず受け止めてほしい。なんでもないものでも、怖いと本人が言ったら、「怖いものじゃないから大丈夫」という安心ではなく、「これが怖いんだね」と受け止めてあげてほしいということ。
そして、クラスのみんなに病気の話をする際は、ぴぃの気持ちを確認し、尊重してほしいということ。』

担任の先生はその話を理解してくれ、ぴぃが言うことを「全て受け止めましたよ。その上で、担任として少しでも学校にきてほしいから、できる限りをしたい、私があなたを守るよと伝えました。」と言っていた。

ぴぃが気持ちを切り替え、そのまま学校にとどまったこと。

それは、誰にも分かってもらえないおかしいと思う自分を、全て受け止めてもらえたことで、安心したからなんだと思う。

親以外の第三者の存在。学校の中に安心できる場所、人。

それは私が求めていたものそのものだった。


ぴぃは入学してから、担任の先生の話をよくしていた。

先生の怖いもの、嫌いなもの、苦手なもの、今も逃げ続けていること。

それを踏まえて今の自分があるんだという話をよくすると言う。

先生はきっとずっと、

誰にでも「嫌なこと」はある。
それは人それぞれあっていいし、逃げていいし、それでも成長はできるんだ。

ってことを、自分のことに置き換えて伝え続けてくれていたんだと思う。

そんな先生にぴぃは「安心」を感じたんだな。


ぴぃはいつもより遅くに学校から帰ってきた。

放課後、友達と入部届を持って美術部に行ったら、謎に顧問の先生にこっぴどく怒られ、入部届は受理されず、今日は体験だけして帰ってきたと言う。

これまでのぴぃなら、「もうあんな先生は嫌だ!」とか言って、泣き怒る事態なはずが、嘆くでもなく興奮気味に話し始めた。

ぴぃ「顧問の先生は「やる気が感じられない!」ってことをめちゃくちゃ怒ってた。怒られたのはぴぃだけじゃなくて一緒にいた1年生みんななんだけど、あの感じだと、友達以外もたぶんほとんどの子が入部しないと思う。でも、ぴぃは絵が上手くなりたいから来週また体験に行って入部しようと思う。」

私「入部前にそんなに怒られたの??ママだったら怖いな〜やだな〜って思っちゃう。」

ぴぃ「うん。顧問の先生、女の先生なんだけど、総長ってあだ名がつくぐらい怖いらしい。厳しいし怖いけど、今日体験したら、やっぱり絵を描くのが楽しいなって思ったんだよね。美大出身の本物の先生だから教わりたいって気持ちもあるし。」

久しぶりのミッケに襲われた後の状態とは思えないぐらい、ぴぃの気持ちが強いことを感じた。

私「うん、その気持ちが先生の欲しがってるやる気ってやつだね。」

そして少し間があった後、突然少し涙ぐみながら、「今日、ミッケが出ちゃった・・・」と話し始めた。

私「うん、先生から連絡きたよ。怖かったね。頑張って乗り越えたんだね。おつかれさま。先生にもミッケの話したんだね。それがすごいと思う。」

ぴぃは先生が私に話してくれたこととほとんど同じ内容を話してくれた。

私「先生に聞いてもらってどう思った?」

ぴぃ「話せてよかった。安心した。」

なるほど、担任の先生に安心というエネルギーを注入されて、放課後の出来事を強い気持ちで受け止めることができたんだと思った。

久しぶりに大きなミッケだったにもかかわらず、帰ってきてからの症状はほとんどない。

なんだったら、今日起きた出来事を全て話し切った後のぴぃは開放的で、とにかく元気で、おしゃべりで、夜9時を回ってから急に机に向かって勉強を始めるほどかかっていた。

私「今日は疲れてるんじゃない?休める時しっかり休むよー。」

ぴぃ「久しぶりの授業が新鮮で楽しいの。今は楽しいしやりたいって思ってるからやらせてー。」

私「うん、そだな。やりたい時やりたいことやるのが一番だな。楽しいならなおさらだね。」

YouTubeを見て大笑いしながら、鼻歌を歌いながら、時々パパと私に相談しながら英語と数学と理科の課題を終える。

そして、「今日はたくさん泣いたから眠い・・・」と言ってぴぃは寝た。


目まぐるしい1日。

目まぐるしかったけど、大きなものを得た1日。

感謝の気持ちで終えた1日。

出会いに感謝。

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