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作品について 「ヘブンズトリップ」


ヘブンズトリップは顔も知らなかった同じ学年の二人が共通の目的のために動きだし、その過程を楽しみながら、目には見えない感情を持ちかえってくる物語である。
負の感情でもきっと価値のあるものだと私は思っている。生きてきた中で消したい記憶も
少なくない人もいるだろう。頭の中にある記憶を無理に消そうと思う必要はないのだ。
いつか遠い日にその記憶が突然光を放って、自分を一歩で前に押し出してくれるものに変わっていく。

そんなに簡単に日常は変わらない。と大きく声をあげる十代もいるだろう。

10代のいじめや自殺のニュースを目にすると、悲しさを通り越して、悔しさを覚える。閉鎖的な環境で逃げ場を失った本人からしてみれば命を絶つ行為は一番簡単に楽になる方法なのかもしれない。
学校の外に一歩踏み出して、道がいくつもに分かれていることを知れば、その最悪の決断にはいたらなかったかもしれない。

少年が青年に成長する瞬間

それは、今まで知らなかったことを知ること。
初めて異性を意識したり、学校や家庭から外れて危険なことに足を踏み入れたり。
世の中の広さ、残酷さ、非道さを知り、笑われて、屈辱を味わって、痛みを知る。

逃げて、涙を流して、敗北を味わう。
そして、はじめて誰かに優しくできる。一人前になる。
生きるってそういうことだろ。

未来を生きる子どもたちのために自分は何ができるだろう。
簡単に答えはでない。
けど、子どもたちと考えてあげることができる。
自分本位でも、相手本位でもない。
共に行こうと手を引っ張ってあげる。

それが私たち大人の役目だ。


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