遠き東の彼方、遥か時空の彼方に、探し求める答えがある 〜ネルヴァル著「暁の女王と精霊の王の物語」のこと
ネルヴァルとロマン主義19世紀のフランスの作家ジェラール・ド・ネルヴァル。彼はフランスではゲーテの「ファウスト」の翻訳者として、また「狂気の浪漫主義詩人」として知られています。
そんな彼がドイツや中東とフランスを行き来しながら著したのが、彼の代表作とも言える「東方紀行」でした。本書はその中の一部から抜粋して刊行されたものの翻訳です。
ネルヴァルの作風は神秘主義的傾向が強く、とりわけ錬金術が彼の文学的源泉となったのでした。そして、そんな彼に影響を受けた後世の作家は数