マガジンのカバー画像

みじかいの

80
朗読とか短編小説とかポエムとか色々単発のものを。
運営しているクリエイター

記事一覧

【詩】罪業

掌を額に当てる刻、俄に緊張が走る
内心でつい謝りながら触れた
僕の汚い手形が君の肌に付かないだろうか
後ろめたいのは自分が嫌いなせい

出口の無い迷路の真ん中で蹲る
君が居ないと分からない

忘れようとした
何度も忘れようとした
何にも感じない振りもした
辛くない、悲しくないって
笑ってる振りも沢山した

僕には君が居ない
僕が望んでも君は存在しない
僕のゴールは君だから
ずっと迷路から出られない

もっとみる

(詩)体裁

何が楽しいんだ、そんな笑って
引き攣った頬が痛むだけなのに
部屋の隅で隠れてる埃でしかない
僕なんて、もう誰も見なけりゃいい

何も出来ないんだ
必死こいてスタートラインに立っても
顔を上げた瞬間後退してる

何も笑えないんだ
歓心を買う為に下手くそに唇を歪める
くしゃくしゃにした紙みたいな顔

何で生きなきゃいけないんだって
ずっと苦しいのに、
同じくらい生きるのが楽しい

もっとみる

(詩)スーパー疎外感

噛み合わない歯車が肉に食い込んで
治りかけた傷口がまた開く
広がりはしない
深くなっていくけど

世界が自分から目を逸らしている
そんな気がして怖いだけなんだ
生きるのが嫌だ
死にはしないけどね

馬鹿げた妄想なのは解ってるよ
僕は生きてるだけで迷惑じゃないかな?
喋っても大丈夫かな?
見てもいいかな?
呼吸してもいいかな?
立ってていい?座った方がいい?
考える必要の

もっとみる

(詩)硫酸を飲む

見たくないのに逃げられない現実
見ないようにしても、油断すると目の前に突き付けられて
何度も首筋を焼かれる

受け入れようとしてる
受け入れたいと思ってる
どうしようもない感情に蓋をする度に
自分の中の悪意に悲しくなる

世界が平和ならいい
みんなが幸せならいい
自分は何処にも居なくていい
そう思うし、それだけ思ってたい
いい人間でいたい、少なくとも君の前では

捻れた心臓

もっとみる

(詩)もうそれでいいよ

手に入らない物が沢山ある
居て欲しくても居てくれない人も

人生が面倒臭いと思う気持ちは常にある
同時に期待したいと願う気持ちもある
君が居る世界なら、きっと楽しいかも
私を見付けてくれるかも

前に進めなくて、時々何歩か後退した
細い糸が無数に絡まった足が重い
細いのに肉に深く食い込む

自分が欲しい物は理解してる
当然、それが可能なのかも
手に入らない物が沢山ある
居て

もっとみる

(詩)光芒

泣いても助けて貰えない
だから歩いてる
急いでも良い事は無い
だから歩いてる

我慢出来るものは我慢した
我慢出来ないものも諦めた
失くしたくないものは遠ざけた
手が届くと閉じ込めたくなる

自分との会話は毎日している
其れこそ腐る程
自分を客観視するのは難しい
如何しても自我に邪魔される

己を肯定的に見る難しさは人夫々
否定的に見ていると安心する
誰からも期待されな

もっとみる

(詩)耽溺

朝日に照らされた君の
寝息に耳を攲てた
規則正しく繰り返す呼吸に
ほっと胸を撫で下ろした

起きてもない事で怖くなる
僕は臆病だから
君に嫌われる事ばかり
勝手に何時も、心の準備をしてる

ただ隣で、君の傍で
その笑顔を守り続けたい
例えもしも、この気持ちが
一生の秘密になっても

ここに居なくても良いんだよ
行きたい所が有るのなら
愛しい人が居るのなら
気を付けて行

もっとみる

くしゃみのうらみ 12分30〜
私の手作りマグカップのうらみ 15分55〜

絶対ゆるさないにゃ!!

(詩)壁

目の前が真っ暗になって、一歩も動けない時が必ず来る
自身の手も見えない程暗くて息も苦しい
一休み出来たらいいのに
誰も居ないところで、君しか居ないところで
凍えた耳が痛む
聞きたくないことも聞こえてしまう
萎えた腕も上がらない
そもそも体の骨が無い

君が死んだら、多分僕は泣けない
想像したら悲しくなるけど
考えただけで、涙が下睫毛を乗り越える
けど泣けない。実際に目の前にし

もっとみる

(詩)産まれてごめんなさい

何が欲しいのか、分からなくなった
鞄に何も入って無いのが当然だった
理由も解らずに只泣いていた
涙が止まらなかった

どう言えば人の気持ちを損ねないのか
どう笑えば無難にやり過ごせるのか
頭は何時もフル回転し続け、
自分が不良品だと感じる常

人生は何時も、他人を羨ましいと感じてばかり
私も褒めて欲しかった
抱きしめて欲しかった
笑って欲しかった
もっと心配して欲しかった

もっとみる

(詩)頑張る、頑張って

記憶が飛んで意識も飛んで
右耳も聞こえにくくなって
足も痛くなって
すごく眠くなって
会話した内容もぼんやりとしか思い出せない
助けてって体が言ってるのに
無視することしかできない

自分の疲れは自分一人で処理してって
僕には関係ないからって
背中を突き飛ばされて
なのに君の味方だって真顔で言えるの凄い

それでも一歩踏み出さなきゃいけないのに
生活する為にはそうするしかな

もっとみる