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「蛙化現象」に悩まされた日々を振り返る。

日々、何かを一生懸命に取り組んだら、その熱は届くのだろうか。

私は熱が上がると、冷えるのも早い。

多分、他人より欠点を見つけやすいのだ。少しでも自分のポリシーから外れたら、もうそれは私にとって魅力的じゃない。

あんなに熱を上げていたのに、一瞬で冷えてしまう。好きだったもの、好きだった人、好きだった何か。

上には上がいることを知っているし、下には下がいるなんて言うけれど。私は一体どれくらいの場所に位置するのだろう。

そして、いつか人は好きだったものを忘れてしまうことも知っている。それが切なくて悲しくて、でも少しだけ甘さを溶かしたようなドロッとしたものが心を染める。


○△□

その昔、私は好きだった人に、好意を伝えられた瞬間、気持ち悪くなった。

そして、嫌いになった。

そう言う経験をしている人は結構いるらしく、その症状は一般的には「蛙化現象」と呼ばれるらしい。自己肯定力の低い人が、なりやすい傾向なのだとか。

たしかに、好意を伝えられた時「なんで自分なんかを?」と思ってしまっていた。それまで好きだったのに。どうしてなのか、心が真っ逆さまに落ちていくような感覚だった。

そして、「まぁ私も好きだったし…気持ち悪いなんて気のせいかな」という妥協で付き合ってきた。

結局、彼のマイナス面を見るたびに、心を削られていった。

友人と会えば、彼氏の愚痴ばかりが溢れる。ネガティブな言葉ばかり使っては、心も疲弊してしまうに決まっている。

さっさと離れて仕舞えばいいのに。あの頃の私は、とにもかくにも1人ではいたくなかったのだと思う。


○△□


私は身も心もボロボロになって、ようやく将来のことを考え始めた。

リセットしなくちゃ。と。

ここまでボロボロになったのだから、これ以上傷つくことはないのでは?と、思えるようになったのだ。

妥協で付き合ってもいいことないし、今度はきちんと告白されても気持ち悪くなったりしないくらい好きになった人と付き合いたいと心に決めた。

そうして今、彼の存在がある。


○△□

私は無意識のうちに、人をランク付けする癖がある。

私の場合、「蛙化現象」が起きるのはその結果なのではと思っている。

自分が好意を持っている時、相手の方が上だけれど、相手が私に好意を持った時点で、「この人は私より下だ」という思考が発生するのではないかと。

今お付き合いをしている彼の場合、私が彼に勝てるところなんて1つもなく、全てが完璧な人だなぁと心から尊敬していた。

そんな尊敬に値する人が、私に好意を持ってくれたことがとても嬉しくて、私は初めて「気持ち悪い」と思わなかったのだ。むしろ、認めてくれたとすら感じたし、あの時の気持ちを忘れることはないと思う。

古い殻から解き放たれた瞬間だった。

私は今27歳なのだけれど、今の彼氏と出会うまでの26年間ずっと、「蛙化現象」に悩まされていた。それは、人をランク付けしてしまう自分がいたからだと考えている。

好きなものは、いつか嫌いになるし忘れてしまうかもしれないけれど、好きなものを妥協するくらいなら、最初から手放してみるのもアリだ。

それでも好きだと思えるものだけに熱を上げて、その熱が下がりそうな時でも、少しだけ火をくべて燃えすぎず冷やしすぎずに保っていけたら、私はまた1つ成長できるのかなと思う。

お仕事中のドリンク代にさせていただきます。ちょっといい紅茶を買いたいです。