自省録「自分の内を見よ」
本書「自省録」とは、その名が示すように自分自身に書いた反省の書、日付のない日記であり、それはローマ帝国の五賢帝時代を支えた最後の皇帝マルクスアウレリウスが戦地に赴いてる時も、王宮の自室にある時も自分の感情を見つめ素直に書き綴ったマルクスアウレリウスの手記です。
今回は、そんな哲人皇帝の手記に出てくる3つの一貫した考え方について実際の一文も合わせて紹介します。
不安や恐怖、対人ストレスに対して悩んでる方の手助けになると思います。
マルクスアウレリウスとは?
マルクスは、ストア派哲学に没頭し哲学に勤しむ事を志していましたが、政治や血筋の末それは叶いませんでした。
そんなマルクスアウレリウスは、ストア哲学の教えの源泉でもある自然の摂理的考え方を重んじています。
自然的な考え、無意識
自然的、無意識についての記述
以上の一文でもあるように無意識を基調とし、コントロール出来るものとできないものを分けて考えようと言っています。
葡萄の木は葡萄を実らせる事が役割であり、その後葡萄の実に対して何も求めない。
つまり、相手の反応は気にせず自分の役割を全うするのみだと言っています。
また、自然の摂理として死を避けることは不可能であり、不可能な事にいつまでも執着するのではなく自分自身の心を改めることを説いています。
内省
内省についての記述
このようにマルクスは一貫して「内省」を重んじており、困難や不安に出会した際は、内省により困難を克服することを薦めていて、
怒り、悲しみなどは全て自分の内側の出来事、反応であると言っています。
また、他人の評価では善行も悪行などはなく、他人の評価によりいちいち振り回されるのではなく、自分の理性に従って生きるのみであると。
困難には内省を基礎として全ては自らの反応であり外的要因は自らどうにもできないことであるので自らの内側にのみ集中する。
そんな、「理性」の追求こそ人間が生きる意味。人生の目的であると説ています。
決してお金を稼ぎ快楽を得るためや、
心地よい思いをするために人生を過ごすのではないと。
死生観
死生観についての記述
以上のように自分自身の心を改めることを説いている。
つまり、日頃より死は常に隣り合わせであると考えその時その時に集中することを大切にしています。
スティーブ・ジョブズも毎朝のルーティンで鏡を見ながら、「今日が最後の日でもこの仕事をするだろうか」と自分に問いかけているそうです。
また、時間というのは当たり前のものではなくあらゆる最後は英雄も死んでいったことを忘れないこと。
つまり諸行無常。どんなに素晴らしいものも、醜いものも全ては移ろい行くものだと説いています。
まとめ
このようにマルクスアウレリウスは終始一貫して、3つのテーマ「無意識、内省、死」を自分の考えの中心としています。
もし、不安や恐怖、対人ストレスに襲われた時は、
過去や未来と他人ではなく、今と自分にのみ集中すること。
自分にコントロールできない問題については、考えすぎず、出来ることのみに注力し後は、
なるようになると自然に任せ後は諦めた方がいいと薦めています。
そして、人は永遠に生きられる訳ではないということを忘れずあとは、自分が思うように一生懸命理性の追求をするのみだと説いています。
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