最近の記事

現代のサイドバック

マンチェスターシティがチャンピオンズリーグを優勝しました。 そして、シーズンを通して試行錯誤した結果、最終ラインにセンターバックを4枚並べるシステムに辿り着きました。 このシティの優勝。さらに、ベンホワイトや冨安をサイドバック起用するアーセナルの躍進からサイドバックに求められる役割が変化したことが読み取れます。 まず、皆さんはサイドバックと言えば誰を思い浮かべますか? 私はロベルト・カルロスやダニエウ・アウベスを思い浮かべます。 彼らにはある共通点があります。それは、ワイド

    • 新たな戦術4CB

      マンチェスターシティを率いるペップグアルディオラが、また、新たな戦術的ソリューションを生み出しました。 それは、アケ、ルベンディアス、アカンジ、ストーンズの4人をバックラインに並べる4CBフォーメーションです。 特別選手が怪我しているわけではなく、ウォーカーはベンチですしカンセロは放出されてしまいました。 つまり、ペップはこれが現状の最適解だと考えているということです。 では、なぜこれが最適解だと考えられているのかを考察していきます。 まず、ペップの戦術の重要な点は、突破力の

      • チェルシーVSアストンヴィラ感想

        チェルシーVSアストンヴィラ戦を観戦したので感想を書いていきます。 結果としては2-0でアストンヴィラが勝ちました。また、今回はチェルシー視点での感想です。そこのところをご了承のほどお願いします。 リースジェームズのCB起用チェルシーのフォーメーションは3-4-2-1でした。そして、個人的には意外だったのがリースジェームズの右CB起用です。 しかし、これには攻撃と守備の役割を考えたときにリースジェームズが最適だったからだと感じました。 前提としてこの試合ではチアゴシウバ、フ

        • アルビセレステの若き司令塔エンソ・フェルナンデス

          遂に、W杯も終わってしまいました。 私は、達成感のような、喪失感のような不思議な感覚に包まれています。 結果としてアルゼンチン代表が頂点に立ち、メッシが悲願のW杯トロフィーを掲げました。 本当はアルゼンチン対フランスのマッチレビューを書くべきなのでしょうが、それは、他の人がやってくれていると思うので。 今回は、視点を変えてアルゼンチンの優勝に貢献した私の一推し、エンソ・フェルナンデスを紹介します。 アルゼンチンを救った万能ミッドフィルダーまあ、今更エンソ・フェルナンデスのこ

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          W杯に出てる次世代スター〜東欧の壁クヴァルディオル

          カタールW杯、遂にベスト8まで出揃いました。 今回は今更ですが、そんなW杯で輝いている次世代スターを紹介します。 トップバッターは、我らが日本代表を苦しめたクロアチア代表のCB、ヨシュコ・クヴァルディオルです。 クヴァルディオルは、RBライプツィヒ所属の20歳です。 20歳ながら、既に6000万ユーロの市場価値があるといわれるクヴァルディオル、その凄さはどこにあるのでしょうか。 まず、挙げられるのが高い対人守備能力です。 185cm、80kgの恵まれた体躯を持ち、相手FWを

          W杯に出てる次世代スター〜東欧の壁クヴァルディオル

          手繰り寄せた奇跡〜日本対スペイン〜

          日本のグループ突破を賭けたスペイン戦は、手に汗握る熱い展開でした。 そして、日本は勝利しグループ突破を決めました。 日本はどのようなプランで試合に臨み、どのようにしてグループ突破ができたのでしょうか? 日本の出方まず、スペインのスタイルについて説明します。 スペインはバルセロナのメンバーを中心としたポゼッション×ハイプレスの攻撃的なチームです。 事実、初戦のコスタリカ戦は7対0で勝利しています。 そして、今大会で1番戦術的に完成されているチームで、チームの完成度でいえば大会

          手繰り寄せた奇跡〜日本対スペイン〜

          W杯全グループ初戦終了!見えてきた勢力図

          W杯の全チームの初戦が終了しました。 それによって現状での勢力図が見えてきました。 優勝候補本命まず、初戦を終えて個人的に1番優勝に近いと感じたのはブラジルでした。 大会前から前評判は高いチームですが、それを超える力の差を見せつけました。 相手はセルビアで組織的で素晴らしいチームでした。 そして、前半はセルビアのペースでした。 しかし、後半に入りセルビアの運動量が落ち、スペースができ始めるとブラジルのテクニシャン達が躍動し始めました。 前半は嵌まっていたセルビアのプレスもブ

          W杯全グループ初戦終了!見えてきた勢力図

          神風を吹かせた〜日本対ドイツ〜

          カタールW杯、日本は初戦ドイツに大金星を上げました。 今回は日本が勝てた要因について話していきます。 大量失点をしてもおかしくなかった前半まず、前提として前半が1失点で済んだのは運が良かったです。 それくらい前半の日本は主導権を握られていました。 日本は守備時に4-4-2のフォーメーションで、プレスとリトリートを使い分けていました。 それに対して日本をスカウティングしていたドイツは、本職がCBのズーレを右SBで起用し、攻撃時は左SBのラウムがウイングのような高い位置を取り、

          神風を吹かせた〜日本対ドイツ〜

          理想と現実の狭間で

          カタールW杯がついに開幕します。 新型コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻など、前回のロシア大会の時が遥か昔に感じるほど、色々なことがありました。 そして、我らが日本代表はこの4年間でどのような軌跡を歩んできたのか振り返っていきます。 ロシアW杯が終わり新しく森保ジャパンが生まれました。 森保ジャパンのスタートは希望に溢れていました。 それまでの中心選手だった本田、香川などがメンバーから外れ、中島、堂安など新たな風が吹き込みました。 そして、強豪ウルグアイとの親善試合でい

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          ピケの引退〜司令塔型CBというスタイルを切り拓いた開拓者

          また1人偉大な選手が引退してしまいました。 ジェラール・ピケ。スペイン代表とバルセロナで、偉大なる歴史を刻んだCBです。 そして、ピケは相手の攻撃を跳ね返すことに長けたCBを過去のものにし、CBは攻撃の出発点でなければならないと世界に知らしめ、司令塔型CBという新たな概念を生み出しました。 MFと比べても遜色ない技術ピケを語る上で外せないのが、歴史上最も美しいサッカーをしたと言われるペップバルサにおいて、攻撃の起点として欠かせない選手であったことです。 そして、それを支えて

          ピケの引退〜司令塔型CBというスタイルを切り拓いた開拓者

          三苫薫という日本の切り込み隊長

          ワールドカップが近くなってきましたが、日本はグループリーグを突破することができるのでしょうか? 今回は、そんな日本のキーマンの1人三苫薫について書いていきます。 日本史上最高のドリブラー三苫の最大の武器は、皆さんご存知だとは思いますが、ドリブルです。 そのドリブルの切れ味は、日本の歴史上でも最強です。 では、なぜ三苫のドリブルは最強なのでしょうか? それは、ドリブル以外の選択肢を常に持ち、三苫自身がドリブルに固執していないこと、そして、相手の出方に合わせて後の先を取るかのよ

          三苫薫という日本の切り込み隊長

          クリスティアーノ・ロナウドは大丈夫か?

          クリスティアーノ・ロナウドが、マンU対トットナム戦で、自らに出番が無いことが分かると、試合終了前にロッカーに引き上げてしまい、それにより契約解除の可能性がある話について、ロナウドの移籍先の話を中心に書いていきます。 まず、大前提としてロナウドの行動はあまり褒められたものではありません。 トットナムという強豪相手に勝つことができたというのに、クリスティアーノ・ロナウドというベテラン選手が、チームの空気を悪くするような行動を取るのは良くありません。 特に、ロナウドほどの実績と経

          クリスティアーノ・ロナウドは大丈夫か?

          冨安健洋という至高のダイヤモンド

          今回は、リバプール戦で極上のまさにダイヤモンドのような輝きを見せた冨安について書いていきます。 あらゆる能力を高度に備えたモダンDF冨安を語る上でまず外せないのが、その守備力の高さです。 現在世界最高峰のリーグと言われるプレミアリーグでも、その守備力は際立っています。 そして、冨安の凄みはなんといっても守備において、弱点らしい弱点がないことです。 187cmの身長を活かした空中戦の強さ、SBとしてプレミア屈指のアタッカーと相対しても抜かれず、時にはボールを奪い切る対人戦の強

          冨安健洋という至高のダイヤモンド

          バックパスという選択肢

          今回は、アーセナルvsトットナム戦の1点目を見て、思ったことを書いていきます。 そのゴールがアーセナルの1点目のトーマスのミドルシュートです。 このゴールに、最近のサッカーでよく見られる相手を押し込むむことにより生まれたフリーの味方にバックパスをすることによって作られる位置的優位が活かされています。 まず、ワイドレーンの選手が高い位置を取ることより、相手のディフェンスラインを押し下げます。 そして、それにより後ろの選手にスペースが生まれます。 そして、バックパスをするこ

          バックパスという選択肢

          走ることの大切さ

          ここ10数年で目覚ましい進化を遂げているサッカーですが、その中で特に進化しているのがデータ化です。 今では走行距離やスプリント回数、デュエルの勝利数などの多くの項目をデータとして見ることができます。 そんな中で今回は走行距離やスプリント回数について書いていきます。 さて、今回私がみなさんに伝えたいこと。それは、走行距離やスプリント回数が多い=良いサッカー選手というわけではないということです。 詳しく説明します。まず、走行距離は選手が走った距離、スプリント回数はスプリントをし

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          日本代表アメリカ戦感想

          日本代表のアメリカ戦を観た感想を書いていこうと思います。 フォーメーションは4-2-3-1で、スタメンはGKが権田、DFが左から中山、富安、吉田、酒井でMFが遠藤と守田のダブルボランチ、久保、鎌田、伊東の2列目です。そして、ワントップが前田でした。 まず、評価したいのは南野をスタメンから外したことです。 左サイドの南野が機能していないのは火を見るより明らかだったので、そこを修正できたのは良かったのではないでしょうか。 その上でスタメンを見ていくと、所属クラブで調子の良い選手を

          日本代表アメリカ戦感想