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今日の一枚〜花田裕之『レンタソング』

 ザ・ルースターズの楽曲がサブスク解禁されてから、ザ・ルースターズについて書く機会が増えて、それに対する反応も大きくなって嬉しいです。
そんな中、水道橋博士のYouTube配信でザ・ルースターズの話題が出ることは珍しくないんですが、吉田拓郎さんの話題が出て、しかも楽曲「落陽」についての話題が出たもんですからねー、ついつい花田裕之さんは「落陽」カヴァーしてるとコメントしちゃった私です。
なわけで、「落陽」が入ったカヴァー・アルバム『レンタソング』について書きますね。
じゃ、行ってみよー。

・花田裕之『レンタソング』(TOCT-9120/東芝EMI)

 このアルバムには花田さんのコメントが掲載されていて、それを部分的にですが引用しますね。
「(略)何故か頭に浮かんだのは自分の曲じゃない人の曲を演りたいという気持ちだった(略)」という考えの中で録音されたのがこのアルバムでした。
シングル・カットされた「ケンとメリー〜愛と風のように」はBUZZのオリジナルも含めてメチャクチャ好きな曲なのですが、「落陽」を話題に出したことや他に取り上げられた曲も大好きなので、アルバムを取り上げることにしたわけです。

 このアルバムの冒頭には「ひとつ」と6曲目には「おさらば」が山口冨士夫さんのソロ・アルバム『ひまつぶし』から取り上げられていますが、これが本当に素晴らしいです。
『ひまつぶし』は(山口さんが在籍した)村八分のアルバムと同様にエレックレコードに発売されたからか、売上的にだけではなく、音質的にも納得できる仕上がりではなかったと聞いたことがありますが、こうして花田さんのヴァージョンを聴くと、作品として発売された意味はかなり大きいと思うのでした。

 2曲目はシングル・カットされた「ケンとメリー〜愛と風のように」ですが、日産スカイラインのCM曲だったので、もしかしたらこのアルバムで一番知られている曲かもしれませんね。
ちなみに作詞・作曲は高橋信之さん。高橋さんは元フィンガーズで、バンド解散後にプロデューサー、作詞作曲家になっています。高橋信之さんは高橋幸宏さんのお兄様ということは割と知られている話です。
シングルはヴァージョン違い(GT-Rヴァージョン)で、花田さんがギタリストとして参加した喫茶ロックスでのライヴ・ヴァージョンも残されています。

•『喫茶ロック at 日比谷野外音楽堂 レディメイド編』(RMCA-1007/レディメイドインターナショナル)

 花田さんは全曲ギターで参加していますし、「ケンとメリー〜愛と風のように」とオリジナルが小坂忠さんの「みちくさ」でヴォーカルを担当しています。併せて是非聴いてほしいですね。

 3曲目が吉田拓郎さんがオリジナルの「落陽」ですね。
「ケンとメリー」に並ぶとも劣らない程度知られているかもしれない吉田さんの代表曲であります。
作詞は岡本おさみさん。リアルタイムではシングル•カットされなかった記憶がありますが、1979年、発売されたライヴ盤のタイトル曲となっていた印象が強いです。

 4曲目は井上陽水さんがオリジナルも「感謝知らずの女」です。井上さんの代表曲「傘がない」のカップリング曲ですね。
井上陽水さんの中でこの曲を選ぶのが花田さんらしいというか。
ストレートではないひねった曲調で私も好きな曲です。

 5曲目はサンハウスがオリジナルの「借家のブルース」です。
サンハウスをメンバー、柴山俊之さんや鮎川誠さんとは親交が深い花田さんらしい選曲ですね。
柴山さんがサンハウス時代のナンバーを歌ったライヴの演奏はロケッツ&花田さんということがありましたし、サンハウスの1983年の再結成ツアーにザ・ルースターズが出演したこともありましたから。
花田さんがヴォーカリストとして影響を受けているのは柴山さんなんでしょうね、そんなことを考えながら聴いてしまいました。

 これで帯にある収録曲6曲の説明は終わりなんですが、CDプレイヤーのディスプレイを見るとビックリ。まだまだ残っています。
ネタバレになるので書きませんが、そのアイデアにはビックリしっぱなしです。最高。

 ちなみに演奏は初期のロックンロールジプシーズ(花田さん、下山淳さん、井上富雄さんに池畑潤二さん)にKYONさんと藤井康一さんが加わった形です。
久々に聴いて嬉しい内容でした。THE COVER SPECIALにも繋がる部分があるのが、また。
ザ・ルースターズのサブスク解禁でメンバーそれぞれの仕事も再評価されたら嬉しいぞ。

 ではまたー。

 

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