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ショートショート小説

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愛媛の土地を歩きながら、考えた小説になります。小説を読んだ人の気持ちがざわつくと嬉しいです。
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あの人は…

あの人は…

正午を過ぎた辺りになると、決まってその女性はいつも同じ席に座っていた

注文はブラックコーヒーのみ

いつも1時間くらい滞在している

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あの時のセンター試験は覚えていないが…

あの時のセンター試験は覚えていないが…

センター試験を終えた高校生たちが一斉に帰路についている

”少年よ大志を抱け”ではないけれど、少年少女よ、君たちには明るい未来が待っているぞということを勝手に願うとしようか

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初めての夏は苦く

初めての夏は苦く

好きな人と付き合って初めての夏祭り。高校2年生になった私は母の浴衣を着て彼に会いに行く。ふと時計を見る。約束の時刻は18:00。まだ大丈夫。精一杯可愛くしていくんだ。彼はどんな格好で来るのかな?やばい、ドキドキしてきた。

家を出る時は17:00を過ぎていたと思う。とことん準備に時間をかけていたら予定の時刻より遅れてしまった。走らないと間に合わない、そう思ってはいるが浴衣を着ているから思うように走

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夢みたいな記憶

夢みたいな記憶

 昔の記憶を語ろうと思う。なぜ語ろうと思ったかは、先ほどまで日本酒を一本呑み、ご機嫌だからである。今日飲んだ日本酒は秋芳。山口に旅行に行った時に購入したものである。とても飲みやすいが、僕にはもう一つ深みが欲しい。因みに一緒に呑んでいた弟はうまいと言って普段呑まない日本酒をくいくい呑んでいた。

 私は、身内のお葬式に行った事がない。正しく言えば、3歳くらいの時に一度行った記憶がある(しかし、はっき

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サッカースパイク

E大学の正門前にちょこっと置いてあるサッカースパイク。恐らく、捨てられた物か、忘れ物だろう(忘れ物だとしたらなぜ取りに来ないのか)。しかし、本当に無意味な物なのだろうか。私はこのスパイクにはこんな物語があるのではないかと考える。

このスパイクの持ち主は、プロを目指していた。夢は日本代表。高校生の頃から受けてきたプロの選考も最終までいった。あと少しで夢が叶う。そんな時に悲劇は起きた。

彼は、事故

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地元探索 2

地元探索 2

金曜日は懐かしい場所を訪れた。

まずは、商店街。昔はとても栄えたいたが、今はもう廃れシャッターが増えていくばかりである。
今、ここを支えているのはパチンコ店である。平日の昼間だったのにも関わらず、よく人が出入りしている。
パチンコはしないので足早に去ったが、この周辺に煙草のスタンド灰皿が数多ある事に、違った懐かしさを感じた。

次に、小さい動物園の公園。
この場所は小学生の時にオリエンテーション

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地元探索

地元探索

久しぶりの帰省もあって、少し街をぶらぶらしてみた。

まずは、図書館。中学・高校の頃は勉強するためよく通った。
家だとゲームや漫画に気が散り集中できなかったのと、図書館の静けさや本の匂いが心をリラックスさせ勉強に集中させてくれたからだ。

2時間勉強して、好きな都市伝説や怪談集を読む。
それが僕の図書館の過ごし方であった。
なんだかんだ時間いっぱい過ごしてた気がする。

今日も多くの高校生が一生懸

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