カウンセリングは受け方にもコツがある│#16

精神科やメンタルクリニックに通われている方が口を揃えて言うのは、「とにかく診察時間が短い」「いつも同じような話の繰り返しになってしまう」ということではないでしょうか。

患者1人あたりにかけられる時間は5分前後なので、だいたいその日の気分や体調を報告するだけで終わってしまうんですよね。

わたしがようやく出会えたいまの主治医は、たっぷり話を聞いてくれる先生だったので、診察時間は長いほうだったのですが

それでも、なんとなく近況を伝えるだけでは進展がなさそうだなあ……と感じていたので、診察日の前までにコツコツと話す内容を準備をするようにしていました。


定型文のやり取りにモヤモヤ

再診の場合だと、「◯週間ぶりですね。最近はどうですか?」という質問からはじまることが多いのではないでしょうか。

わたしもよく、「こんなことがあって疲れちゃいました……。」「家族と上手くいかなくて」「なかなか寝付けない」などといった、日常の出来事や気分の落ち込みについて報告していました。

でも、こうしたエピソードの共有だけだと
「あんまり気にしすぎないほうがいいですよ」
「いつもより多めに薬を出しておきますね」

という定型文で終わってしまうことが多々あるんですよね。

そのたびにわたしは、
楽観的に物事を考えられたら、最初から病院になんて来ていないよ!
それができなくて困っているから、何とか抜け出そうとがんばっているのに!!

と勝手な憤りを感じていました。笑


自分のカオスな部分と向き合う

ここから先の内容は、
・時間をかけて話を聞いてくれる専門家がいる
・さらに、共感だけでなくアドバイスもしてくれる

というサポート体制があることが前提になってしまいますが

いまの主治医と、ごく自然に取り組んできたことをシェアさせていただきます。


まず、わたしは何か嫌なことや落ち込むことがあると、真っ白な紙に現時点の心境を書きなぐるようにしていました。

「ああもうやだー」と感じたら、そのまま「ああもうやだー」と書き出すのです。笑
コツは、きれいに見せようとか、上手くまとめようとしないこと。ぐちゃぐちゃでどろどろしている自分を認めて、真正面から向き合うことが大切です。


ひととおり感情が表に出きったら、深呼吸しながら「出てきてくれてありがとう」と感謝して、その気持ちを毛嫌いせずに寄り添ってあげるようにします。

(さらっと書いていますが、ここが重要なのかもしれないですね。自分のなかに居る、拗ねた小さな子どもをあやすようなイメージです。いままで気づかないフリをしてないがしろにしてきてごめんね、許してね、と)


たくさん涙を流して、心が落ち着いてきたところで再び紙を眺めて、「悲しみ・怒りの裏に隠された思い込みがないかどうか」を分析するようにしていました。

どうしてわたしはこう考えてしまうのだろう?
この観念が生まれたキッカケは?
何歳くらいのときから握りしめていたのだろう?
この思い込みがあることで、他にも苦しんだ経験はあっただろうか?

気力と体力が続く限り、スケッチブックを広げて、この一連の作業をもくもくと続けていました。


診察を「答えあわせ」の時間にする

自己分析は心に負担がかかるので休憩が必要ですが、内面の奥深くまでもぐり続けて、これ以上は分からないな! というところまで直視してから、主治医との面談にのぞむようにしていました。


そうすると、

「あなたはこういう風に捉えていたみたいだけど、他の考え方もあるんじゃない? たとえば〜〜」

と新しい可能性を提示してもらえたり、

「よくその思い込みに気がついたね。いままでそれが自分を苦しめていたことが分かった? これからはどうしたらいいと思う?」

など、今後の生き方のヒントになるような言葉を投げかけてもらえたりしたので、こんがらがっていた感情や思考の癖をひとつずつほどいていくことができました。


そうすると、体調や状況がすぐに変わらなくても心持ちが変わるので、「一歩前進できた」という自信とともに安心して診察室を出ることができたのでした。


すこしだけ能動的になってみる

わたしはせっかちで完璧主義な性格なので、マイナスの状況下でも「現状を打開したい!!」という思いが強く(笑)こうした作業を続けていましたが……!

うつ状態のときのメンタルの沈み方や、体力の消耗度合いについてもよく分かるので、「こんなのしんどすぎて無理だよ〜」という気持ちにも共感できます。


療養中はマイペースにゆっくりと過ごすことが何よりも大事ですが

ただカウンセリングを受けて、処方された薬を飲み続けるだけでは、なかなか状況が変わらないこともあるので。

「もう一歩踏み出してみたい」「自分にも出来るかもしれないなあ」と感じられた方は

心身に余裕があって、気が向いたときにでも、すこしずつこの方法を取り入れていただけたらうれしくおもいます!

たいへん励みになります!心のなかでスキップをしつつ、チョコとアイスを美味しくいただきます!