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4つの骨折箇所と背景,骨,認知,人体計測値の特徴

📖 文献情報 と 抄録和訳

転倒者における骨、認知、人体計測プロファイルと骨折部位との関連:横断的研究

📕Baillet, Maëlle, et al. "Bone, cognitive, and anthropometric profiles and their relation to fracture sites in fallers: a cross-sectional study." Osteoporosis International 34.5 (2023): 901-913. https://doi.org/10.1007/s00198-023-06701-1
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[背景・目的] 骨粗鬆症性骨折の部位の違いに関わる危険因子はよく知られていない。本研究の結果は、特定の骨折部位を特徴づける典型的なプロファイルは一つではなく、骨折の発生は、異なる骨、認知、人体計測の特性の組み合わせから生じる可能性があることを示唆している。
●目的:異なる骨粗鬆症性骨折部位に関与する危険因子はよく知られていない。本研究の目的は、異なる骨折部位間の骨、認知、人体計測特性の違いを明らかにし、転倒関連骨折の部位が特定のプロファイルと関連しているかどうかを判断することである。

[方法] 股関節(n = 30)、上腕骨(n = 28)、手関節(n = 32)、足関節(n = 16)の最近の転倒関連骨折を有する55歳以上の女性1006人を対象とした。まず、骨、認知、人体計測の特徴を4つの骨折部位グループ間で比較した。次に、主成分分析(principal component analysis, PCA)を行い、PCAの最初の2成分で特定される4つのプロファイルの間で比較を行った。

[結果] 4つの骨折部位群は、教育レベル、骨密度(bone mineral density, BMD)、肥満度(body mass index, BMI)、転倒恐怖、実行機能検査であるTrail Making Test Bのエラー数で有意な差があった。4つの骨折部位は、分布は異なるものの、それぞれ4つのPCAプロファイルに見出された。プロファイルは、主に骨、認知、人体計測の特徴によって異なるが、転倒恐怖症によっても異なっていた。

[結論] 転倒関連骨折部位は、人体計測と骨パラメータ、転倒恐怖、認知能力で大きく異なる。特定の転倒関連部位を特徴づける典型的な骨、認知、人体測定プロファイルは一つではなく、むしろある部位に対していくつかの可能性があるプロファイルが存在する。このことは、骨折部位が患者のいくつかの特性の組み合わせに依存することを示唆している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

股関節骨折は、かなり勢いよく転んだときに受傷しそう。
手関節骨折は、保護反応で手が出たときに骨折しそう。
上腕骨骨折は、ちょっとよく分からないけど勢いがないと骨折しなそう。
・・・。

受傷起点と骨折箇所の関係性については、情報収集時、常に思いを馳せる。
にも関わらず、その経験則を一般化しようとしたことはないし、そんな視点の論文を見たこともなかった。
今回の論文は、まさにその部分の一端を明らかにした貴重な研究といえよう。

股関節骨折は、かなり勢いよく転んだときに受傷しそう。
→Profile 3:教育レベル、転倒恐怖が低く楽観的 & 認知機能低下傾向
→勢いよく転びそうだな・・・。

手関節骨折は、保護反応で手が出たときに骨折しそう。
→Profile 1:保護反応が最も高い
→やはり保護反応が出ることが手関節骨折とは関連していそう・・・。

うーん、面白い❗️

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