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NMESの威力。筋再生を促す細胞外小胞の活性↑


📖 文献情報 と 抄録和訳

神経筋電気刺激は、損傷後の老化骨格筋を再生させる血清細胞外小胞の能力を高める

📕Bean, Allison C., et al. "Neuromuscular electrical stimulation enhances the ability of serum extracellular vesicles to regenerate aged skeletal muscle after injury." Experimental gerontology 177 (2023): 112179. https://doi.org/10.1016/j.exger.2023.112179
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✅前提知識:細胞外小胞とは?
- 細胞外小胞は、損傷や廃用後の骨格筋の回復を促すことができる。
- 近年、細胞老化の再生特性を高める役割も注目されている。

[背景・目的] 運動は骨格筋の健康的な老化を促進する。この恩恵は、運動プロトコールに応答して放出される循環中の若々しい因子によって媒介される可能性がある。

[方法-結果]
■ 方法
・マウス
・NMES群と対照群
・10日間5セッション
・血清検査から、細胞外小胞を評価

これまで多くの研究が、運動による組織機能の若返り効果の全身的メディエーターとして可溶性タンパク質を探索してきたが、今回我々は、骨格筋の収縮活動が老化した筋機能に及ぼす有益な効果は、少なくとも部分的には、循環している細胞外小胞(extracellular vesicles, EV)の再生特性によって媒介されることを示した。神経筋電気刺激(neuromuscular electrical stimulation, NMES)によって誘発された筋収縮活動は、循環EV上のテトラスパニン表面マーカーCD63の発現強度を低下させた。さらに、NMESは、高齢動物の循環EVの生化学的ラマンフィンガープリントをシフトさせ、コントロールと比較して、NMESに応答して脂質と糖含量が有意に変化した。

これらのEVの変化の生理学的関連性の実証として、NMESを受けた高齢動物由来のEVを筋肉内に投与すると、損傷後の高齢骨格筋の治癒が促進されることを示した。

[結論] これらの研究は、反復的な筋収縮活動が、高齢動物における循環EVの再生特性を高めることを示唆している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

EIM (Exercise Is Medicine)という。
今回の研究は、まさにその一種で、NMESによる骨格筋収縮は、損傷した骨格筋収縮を促進させる細胞レベルの変化をもたらしていることを証明した。

例えば、手術後には外傷、または手術による切開によって骨格筋は損傷している。
その損傷後には、「痛み」が伴う、もちろん。
その際に、運動(骨格筋収縮)しないことは、骨格筋の再生を促進させない。

他方、NMESを用いて運動(骨格筋収縮)することは、骨格筋の再生を促進させる。
ある点では、No Pain No Gainも正しいのかもしれない。

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