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最高のお正月

今年のお正月は私にとって、とても特別で楽しくて最高のお正月だったので記しておこうと思う。

私の実家は栃木だ。
コロナで帰省するかどうか迷っていたが、うちには祖母や祖父もいないため家族だけでこじんまり過ごそうということになり、姉・兄・私の3人で都内から一緒に帰省した。

そもそもこうやって3人揃って帰省することが初めてでそこからして何だか嬉しかった。

しかし、実家に帰るとまさかまさかの、
今年のお節料理は全て父が作ったというサプライズ(゜o゜;!笑

私の父はTHE昭和のサラリーマン。仕事人間。
男は仕事!女は家庭!という考えの持ち主。仕事には熱心で一生懸命だったが、掃除や洗濯はもちろん、台所に立った所を見たことはあまり記憶にない。
(何回かほぼ具なしの焼き飯を作ってくれた記憶はある。笑)

母は3人を産んでからしばらく専業主婦だったのだが、子育てはほぼワンオペ。父もその時期仕事が忙しかったのもあるが、家事も1人でこなしていたとのこと。
私からしたらその母の状況を想像すると絶対無理!のひと言に尽きる。。
(けれど父はとても家族想いで、休日はよく遊んでくれた記憶がある。皆で公園に行ったり、兄とキャッチボールしたり、私の自転車の練習に付き合ってくれたり姉のピアノやフルートの発表会等には必ず出ていた。子ども達の行事には必ず出席。運動会は張り切ってビデオ撮影。旅行はもっぱらお金をかけないキャンプだった。笑)

そんな父は、退職してぶどう農家になってからも、家事を一切しないそのスタイルは貫かれていた。

そんな父が、一体何があったのか。
いきなり「今年はお節料理を全部作る!」とYouTubeでレシピや作り方を調べ、レシピをノートに書き出し、食材買い物リストも作り、年末に向けてせっせと準備や料理をしていたというのだ。

あまりの驚きに、お母さんと姉、兄で、もしかして余命宣告とかされてないよね?とヒソヒソ話した。笑

そして、
31日の夜にズラリと父お手製のお節料理がテーブルに並んだ。(お節って年明けに食べるものなんじゃ?という疑問が頭をよぎったが、早く皆に食べて欲しいという父のワクワクした様子が伝わってきたので何も言わずに食べた。)

THEお節料理の数々。
食べてみると、、
めちゃくちゃ美味しいではないか!!

甘過ぎもしょっぱ過ぎもせずとてもいい味付け。
家族皆、お節料理が好き!という人達ではないのだが、あまりの驚きと美味しさに皆どんどんお箸が進んでいた。
伊達巻なんて売っているものの何倍も美味しかったしちゃんと巻き簾まで買って作っていた。笑

父は、買い出しから味付け、食材に何を入れるか等、母と揉めながらも作った話をしてくれた。
何せ台所に立ったことも買い出しをちゃんとしたこともない父は、母の助けなしには難しい所があったのだろう。
調理器具や調味料の場所さえも知らない状態だ。

揉めた内容は、
父の調べた煮物のレシピには鶏肉が入っていなかったが、母は皆鶏肉好きだから絶対入れた方がいい!とか
煮豚を作る際には父のレシピには卵なんて出てこなかったが、母はゆで卵も一緒に漬け込んだら美味しいとか。

とにかくレシピの材料と手順通りにきっちり作りたかった父と、いつも大雑把で自己流な母のことだから、揉めている姿はたやすく想像がついた。笑

そんなこんなで出来上がったお節料理。
皆が美味しい!と食べているととても嬉しそうな父。
そして、いつもお正月は台所とテーブルを行ったり来たりしてあまりゆっくり食べていない母も嬉しそうに食べていた。

私は毎年、年越しは地元の友達と泊りがけで過ごしていたし、三が日も友達と遊びに出てしまうのが例年。
姉も兄も帰省していても、地元の友達と遊びに出ていたのであまり皆が揃うの日は少なかった。

年越しやお正月をゆっくり家族5人で過ごしたは何年ぶりだろう。
お酒が進んだのもあるけど、こんなに皆でたくさん笑ったり話したお正月は皆が大人になってからは初めてかも知れない。

私の家族は外から見たら平和な一般的な家族に見えていると思うが、結構人には話せないようなドロドロの問題があったりもした。今も解決していないような問題もある。
その事で私も悩んだり泣いたりした日々もあった。
そんな日々を重ねてきた私の家族。

そんな家族の歴史を振り返りつつ、今の家族揃った時間の有り難みを感じていると、母がいつもの天然発言をかまして皆で爆笑。
私は笑い泣きをしながらひそかに嬉し泣きもした。
幸せってこういうことなんだろうなと。

そして、お節料理に留まらず父に驚かされたのは
食べ終わった後の食器洗いも父がやってくれたのだ。
大量の食器を手際よく洗う父。
驚いていると、料理のついでに洗い物もしたらコツを覚えたとのこと。

元旦の昼には
洗濯物干しを姉と私のどちらが干すかじゃんけんをしようとしたら「お父さんが干してくるか!」とサッと立って洗濯物干しもしてくれた。

洗濯を干す父が見られる日が来るなんて思いもしなかったので、何かもうどうしよう!と嬉しくなってしまい、干している姿の動画を撮った。笑

夕方に洗濯物を取り込むのも「あ!取り込まなきゃな!」と自らやっていた。

そんなこんなで、本当に父の変化に驚かされたお正月。
幸い今の所元気そうだし余命も言われてなさそうなので本当に良かった。

こんなコロナ禍の時代だけど、皆の笑い声がたくさん聴けて本当に本当に嬉しくて美味しい最高のお正月だった。

ありがとうお父さん。
不審がりながらも嬉しそうなお母さんも見れて良かった。
お姉ちゃんもお兄ちゃんも仕事で色々大変そうだけど、それぞれの近況や思ってる事とか夜中まで色々話せて嬉しかった。

幸せはすぐそこにある、とはこのことか。
家族っていいなぁって心から思えたお正月。

明日からも健やかに、自分なりに善く生きていこう。

きっと
家族の皆も人も動物も地球も自分も良い方向に行けるはず。行こう。

おわり。

*もしこんなに長い文を最後まで読んでくださった方がいましたら、本当にありがとうございます。
あなたにとってもこの1年が良い年になりますよう…!

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