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クィアでパンセクシュアルな大学院生。引き続き愛と紛争について。東京、ジュネーブ、ブリス…

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クィアでパンセクシュアルな大学院生。引き続き愛と紛争について。東京、ジュネーブ、ブリスベンの話など。

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平成の傍観者に贈る追悼プレイリスト・恋愛編

 人生の当事者であり続けることは常に私たちにとって難問だが、恋愛においてはこと難しい。  この文章とプレイリストは、平成の間うまく恋愛の当事者で居続けられなかった者が贈る傍観者へのレクイエムである。平成に傍観者的態度を捨て置いて去りたい私と、私のような人のために綴りたい。文章の合間に曲を挿入してあるので、聴きながら楽しんで貰えたら本望です。 I.  人間が好きだ。  人間の容姿、表情、立ち居振る舞いからことば、思想信条、生き方まで、全てを見ることが好きだ。人間と関わって

    • 2023年と呪術廻戦から学ぶ理想の生き様と、来年の展望

       珍しくなんだか取り止めもなく過ごしてしまった一年だった気がするが振り返りくらいしておくかと何気なくWordを立ち上げたら、意味を持たなかった点と点がするすると繋がって意味を成す線と化し始めたので、書き残しておくことにする。 人生の本流の部分  今年は久しぶりにひどかった。ギリギリなんとかなっているように見せることはできていた気もする(できてなかったかも)が、とにかくいろいろうまくいかなかった。楽しく休息はできたけど留学する必要があったかというと必要はなかったなと素直に思

      • アイデンティティクライシスに陥っているので人生を考え直していくメモ

         ファーストキャリアの就職先が決まってから、これまで夢物語のように描いてきたキャリアパスと、なんとなく流れで手に入るような気がしていた安定したプライベートが、次に訪れる「本物」の事象として人生に降ってきてしまい、完全に持て余して泣いたり泣かなかったりする心に波のある日々を送っている。  そんな中でも、自分でよく考えつつ、たくさんの親しい友人たちを頼り(本当にありがとうだし、人を頼るのは今まであまりできなかったことなので自分も褒めたい)、なんとなく見えてきたものもあるので気づき

        • 「クィアに聴いてほしいボカロ曲を紹介する」なんて言える幸せな日が来ていたらしい

           今でこそ言うと驚かれるようになったが、昔から連綿とオタク趣味をやっている。小学6年生のとき、大好きな小説が深夜アニメ化したのがきっかけでこの深く広大な世界の扉を開いた。アニメが今よりずっとアングラな扱いだった時代である。あっという間に他の作品も見始め、好きなキャラに声を当てる人たちを好きになり、彼らが作品について話すラジオを必死に追った。オタクだらけの女子校社会という環境も作用して、アニメを1クール10本以上見ながらTwitterで騒ぎ散らす中学時代、ニコニコ動画とpixi

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          なんか幸せに生きようとしてもいいっぽい、人生

           2020年12月、韓ドラに突然ハマった。チャーミングな同僚がごり押ししてくるので安易に再生したらNetflix全体がでかい韓ドラ沼のようなもので、終わりが見えない。そこで実に5年以上ぶりの男性の推しができたのだが、彼が結構自分の状態について面白い示唆をくれている。  「男性の」推し、と注釈をつけたのは、男性ではない推しは結構頻繁にできるため。男性が少ないのは恐らくわたしが基本筋肉に生理的嫌悪を感じてきたせいである。男性芸能人はどうしても男性性が強い方が持て囃される傾向にある

          なんか幸せに生きようとしてもいいっぽい、人生

          ゆらぎ生きる我々は、燻る白煙の刹那に永遠を見る

           二月に訪れた、エジプト フルガダから臨む紅海。  年末は寂しい。昨日と変わらない空。明日と地続きのときの流れ。ちょっとの特別感も、十の位が繰り上がる、「元年」が居なくなる、それだけのこと。なのに、息苦しいほどどこか寂しい大晦日。   今日起こる全てのことに意味付けしたくなる。新宿を吹きすさぶ風は、まるでいっぱいいっぱいだった今年の東京情勢をまるっと連れ去ろうとしているみたいだ。自分を野晒しにするのは気が引けて、世界との間に一枚薄皮を引く気持ちで伊達眼鏡をかける。こんな

          ゆらぎ生きる我々は、燻る白煙の刹那に永遠を見る

          青い、青い、水の中から、今日も祈りを、

           かつてなく幸せをたっぷり分けてもらえる結婚会見だった。  私は憧れの人に魅了されてから、もう今後男性と付き合うことはないかもしれないな、と思っていたが、そうだ、自分は性別以外の人間の美しい部分に惹かれるのだった、と思い出すことができた。というくらい山里さんも蒼井優ちゃんも(しずちゃんも)すてきな心を垣間見させてくれた数十分だった。沢山きゅんとしたし沢山笑わせてもらった。  こんなふたりに憧れるな、いつかこんなに想い合えるパートナーと出逢いたいと思ったし、日本中に同じ想いの人

          青い、青い、水の中から、今日も祈りを、

          孤独のススメ

          Ⅰ.  青い髪の彼女に夢中だ。ブルーはいつだって熱い色だけど、今回はレア・セドゥじゃなくて、Billie Eilishの話をしたい。  どうしていつも好きになる女性は寒色を身に纏っているんだろう。自分は青や銀が似合わないからかな。  初めて聴いたときは、有り体な表現だが衝撃的だった。メロディ、映像両者から溢れ出す悪魔的な世界観、不気味なサウンドに載せられる歌詞は"bury your friend"。でも、中毒性のあるベースと何よりも彼女の声自体に、どうしようもなく精神

          孤独のススメ

          正義ってなんだ

           煙草についてどう思うか、と聞かれたことがある。  どうもこうも嗜好品のひとつ程度の関心しかなかったが、わたしに質問したひとは「喫煙は一概に悪いことだと思うか」と聞きたかったらしい。  いま日本は規制が厳しくなり、喫煙者には生きづらい世の中になってきているはずだ。どうして規制されるかというと簡単で、当たり前だが「煙草の副流煙は非常に健康に悪く、他人の煙を吸いたくない人が多いから」。最近メンタリストDaiGoさんが喫煙者を痛烈に批判した動画がバズったのは、副流煙についてのヘイト

          正義ってなんだ

          気怠さのままに猫について

           三日三晩寝込んだ。体の弱さに定評のあるぼくでもこんなに長く辛い故障は何年ぶりだったろう。この三日間について頭を巡らせて思い当たることすべて夢の中だったと思うと果てしない。  ちょうど先週のまさに今頃、テルアビブで夕焼けに心を打たれながらまさしく飛行機を逃そうかという一瞬を過ごしていたことを考えると、まだ1週間しか経ってないとか、もう1週間経ったとか、密度の高すぎる10日間と充電切れの3日間を経てもう時間の感覚なんて朧げになってしまった。とにかくぼくは今生きてスイスにいるわけ

          気怠さのままに猫について