作業療法士が教習指導員として働き始めてみた!Part48:「転移」と「逆転移」

こんにちは。
教習指導員の資格を取得した、作業療法士(OT)です。
教習指導員としてOTが自動車学校で働くのは日本初!!です。


前回は、“連携って…”について書かせてもらいました。
今回は、 “「転移」と「逆転移」”について書いていきたいと思います。



~転移と逆転移~


本日は、教習を行う中で「転移」と「逆転移」を再認識する機会がありましたので書いていきたいと思います。

「転移」と「逆転移」
この言葉を知っている方、知らない方もいるかと思います。

ひょっとすると、
癌で聞く転移??と思う方もいるかもしれません。
今回の内容での「転移」と「逆転移」とは、心理学の中での言葉になるかと思います。
私は、医療機関で行うリハビリの際には常に意識をしていた部分になります。

医療場面での「転移」と「逆転移」を簡単に述べると…

“転移”とは、患者(利用者)がセラピストに向ける感情反応の事を指します。

また、「逆転移」とは、セラピスト患者(利用者)に対する感情反応の事を指します。

その他、陰性転移、陽性転移、転移抵抗、転移性治癒、転移の持つ機能などなど…
色々ありますが、ここでは割愛させていただきます。

ここで述べたいのは、
医療機関で行っていたリハビリ時に生じていた「転移」と「逆転移」が
教習場面でも生じているという事についてです。



~教習の中で起こる事~


先に述べた、
“教習の中での「転移」と「逆転移」”についてですが

教習の中では、教習を受ける“教習生”と、教習を行う“教習指導員”が存在しています。

技能教習では特にその性質上、教習生の個人と教習指導員の個人による形式で行われることが多くあります。


教習生の背景や、個人因子というのは性差万別であり…
その教習の中で取るコミュニケーションについても
“うまくいった”や“なんとなくうまくいかなかった”と…
そんな感情が生まれることがあります。

これは、指導に対しての技能習熟度や理解力などの影響もあると思いますが
その一部に、「転移」と「逆転移」が生じている可能性があるのでは?
と思っています。


具体的な例で示すと…


教習指導員→「なんとなく、教習を受ける態度が悪い」
教習生→「高圧的、威圧的、指導が入ってこない」


といったように、
必ずしもどちらか一方が悪い!というわけではなく、その時の双方の先入観や第一印象、疲労やその時のコンディションにも影響されることと考えています。

不思議な事に、
自分が“なんとなく気持ちが悪い”と思っていると、
相手も“心地よくはない”と感じていることが多くないと、
これまでの経験から感じています。




~時限の中での応用~


教習時限の中での応用としましたが、
教習時限の中だけではないと考えている事を書いていきます。

コミュニケーションをとる相手と、なんとなくうまくいかない…。
と感じた際には、自分の状態に思考を向けてみるのもよいかもしれません。

といっても、
「自責の念」を強要しているのではなく、相手の状況を観る際に
「まず自分の状態を観る」ということが必要ではないか?という提案になります。

自分の状態を把握した後に、再度相手を観てみると…
不思議と見え方が変わり、その結果関り方が変わる。ということもあるかと思います。

なぜ、相手はそのような態度なのか?
相手はどのような気持ちか?どのように教習に臨んでいるか?

というのを、冷静に考えるきっかけにもなるかもしれません。




本日は、ここまでになります。
次回も、感じた事などを書いていきたいと思います。

また不定期になると思いますが…
時間があるときに、覗きに来てもらえると嬉しいです。


それでは、良い一日を。

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