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出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

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祭りか、それに等しいもの/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

祭りか、それに等しいもの/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

先日、宮崎県の美郷町に行ってきた。

実は、今年新設された「西の正倉院 みさと文学賞」(企業版ふるさと納税を活用した文学賞で、映像化やラジオドラマ化も仕掛けていく予定の意欲的な賞)に、日本放送作家協会の会員として僕も携わっている。

無論、現地を知ったほうが良いものが書けるということで、審査委員長の中村航さん(85万部『100回泣くこと』などでおなじみ)のご協力を得て、現地講座も含めた美郷町ツアー

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魚屋のように本を売る/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

魚屋のように本を売る/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

この試論は、新規出版社が大手との格差をどう埋めていくかが大きなテーマだが、数少ない、大手と互角以上に戦えるカテゴリーが「手売り」である。

1000円の本が書店で1冊売れると、KADOKAWAなら710円入るが、ウチのような新規出版社は550円から650円しか入らない。

しかし、手売りであれば、そこに差は発生しない。KADOKAWAの人が売っても僕が売っても、入ってくるのは1000円である。

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固定費をゼロに近づける/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

固定費をゼロに近づける/出版社とフリーランスが生き残るための1000の試論

「もはやお忘れであろう。或いは、ごくありきたりの常識としてしかご存じない方も多かろう。が、試みに東京の舗装道路を、どこといわず掘ってみれば、確実に、ドス黒い焼土がすぐさま現れてくるはずである」──阿佐田哲也『麻雀放浪記』(角川文庫)

出版社・クラーケンを立ち上げて1年以上が経った。

15年以上“野良”の編集者としてのキャリアはあるものの、出版社の経営者としては赤子も同然。

準備段階でいきなり

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