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麗しい白鳥は水下でバタバタしているらしいことを思い出した-すずころ日和 平然と-  

「40歳なんてってもう人生決まっていて、悩むことないじゃん」

いいよなあ。
結局、女は結婚相手で評価されるよね。
「20代前半で大手社員と結婚した専業主婦」
〇〇の奥様。の方が、なんだかんだ社会的にも地位ある感じで。
「地元国立大学でて、地元企業に就職した女」
頑張って進学校で勉強しても就職氷河期。なんとか地元の中小企業でこき使われる日々。自力で自分の生活費稼いで20代半ばになっても結婚相手もいない独身。

結局さ、どこでもいいから高校でて賢い認定されない程度の短大とかでて、女磨きしていい男と結婚する生き方する前者のほうが、人生勝ち組だよね。
高校とかなんであんなに勉強してたんだろう。がんばった結果が、これでさ。
四大でて自力で生活費、婚期遅いでいいことないじゃん。
結局その時の世の中の経済で就職きまるじゃん。なんか馬鹿馬鹿しいよね。
結婚して子どもいてもう仕事どうしようとか思わなくていい人が羨ましいよ。もうさ、人生決まってるじゃん。悩まなくいいわけでしょ。
歳を取りたいわけじゃないけどさ。貴重な若い時期がどうしてこんなに黒いんだろね。
なんで20代って一生を決める就職・結婚をこんな短期間で決定してやらなきゃいけないわけ?
あー・・・色々すっ飛ばして、安定したい。


そんなことを隣県に女友達と旅行に行った特急列車の中で話した記憶がある。


わっかあーーーーーーい( ゚д゚)

なんでそんなことをふと思い出したのか。

結局今も悩んでいるから、だと思うのです。

恋愛、結婚、就職。自分のことで精一杯だったの20代。
学校というフィールドから初めてでて、友人たちとも細かい分岐点で分かれていった。
そして気づく、学力が成果と比例なんかしない社会。
地元の進学校から国立大学へ。必死に勉強しないと行けない頭のわたしはがんばったさ。
中途半端に「クラスの勉強できる方」だったプライド。

氷河期に超がついてもう表現がサードとか言わないといけない段階だった。サイヤ人かな。
今や最低を更新しまくっている教員の倍率とかも2〜30倍とかいう時代。
なんとか受かった一つに就職できた私の月給額面は驚きの15万を切った。手取り10万程。
それでも正社員で良かったね、と言われた。

そんな世代の若かりしころの愚痴が冒頭。
ちょっとムッとした人いたらごめんなさい。あくまでも雑談の内輪の戯言。
でも妙に印象に残っているのは、そのときはそれなりの社会の真理だったと思うからかな。

さあ、人生中盤となってきたわが人生。

外観:就職(転職2回)、恋愛、結婚、子ども。家も建てワンコも飼って順風満帆。

実態:旦那(通院しながら働く)、私(休職中)、子ども(一人はやすみがち)一応元気。
ワンコは子どもの不登校でわらにも縋るで飼いだしたのがきっかけ。
ローンも教育費もあるから私も働く選択肢。

そんな感じで、はたから見たら平和そのものの人生中盤の我が人生。
中身、こんなですよ。

周りも退職、転職、休職。離婚、再婚、おひとり様。
病気や、事故、そして病死や自死さえも。


安定なんて、結局ないのだよー
中年と呼ばれるミドル世代になってもこんなだなんて知らなかった。
エエ、シリマセンデシタヨ

結局人生はいつだって何かある〜のさ〜

最近知って、たまに思い出すようにしている言葉
「人はそれぞれの事情をかかえ、平然と生きている」(伊集院 静)

その通りだな、と思う。
そして「いい言葉だな」と思った。



先日、いつもにこにこしている数少ないママ友の一人と久しぶりの学校行事で再会した。保育園時代からなので彼女もずっとワーママ。
その彼女が当たり障りないいくつかの会話をした後にぽつりと言った。
「実は、このあと全然時間あるんですよね…」
休暇をとって学校に来ていると思ったら、仕事を辞めたところだ、と。
そしてわたしも実は…と休職していることを言うと
「え?!」と驚く彼女。
行事の後、初めて彼女とお茶をした。

お互い見つけた時に「あ、今日もお休みとって来ているんだな」と思ったこと。
彼女もばりばりに働いている(と思っていた)わたしに、言っていいのかな、と迷ったと言った。
コーヒーを手に取って、色々と初めて話した。挨拶や学校の行事くらいのことしか話したことなかった私たち。

お互い子どもが不安定な時があり、彼女も両立が難しくなったこと。
まさかの同じ病院に通院していたこと。
「びっくりですね」
彼女はわたしの知っている優しい笑顔のままで「ほっとした」とも言った。

保育園からなので、知り合ってからはもうだいぶ経つけれど、お互いに深く話さない距離感が心地よくて私も好きな彼女。
うん、共感してもらえて共感できて、私もホッとしたよ。

彼女は動いている方が性に合う、と言って可愛らしい見た目からは想像できないパワーで「もう働きます」と言った。
そうなんだね。うん。いい職場だといいね。
がんばっちゃうだろうから、がんばりすぎないでね。

ご褒美のお茶も良し✨

「人はそれぞれ事情を抱え 平然と生きている」

となりの知らない若者も、一緒のエレベーターになったご老人も。きっと読んでくれたあなたも。

人生にケ・セラ・セラを。

きょうも読んでいただきありがとうございました。

皐月




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