二ノ倉らむね

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マガジン

  • 二ノ倉らむねの世迷いごと。

    とりとめのない話を毎週土曜日0時にどこまでも。 日記帳の合鍵をあなたにお渡しいたします。 ※このマガジンの売上の一部は国境なき医師団と日本赤十字社に寄付いたします。

記事一覧

4/27-5/3 ぼくのめにはみえない。

4/29(月)

220
7

4/20-4/26 さよならいとしのディストピア。

4/23(火)

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6

4/13-4/19 フリーズドライのケロイド

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二ノ倉らむね
2週間前
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4/6-4/12 桜は何処にもこぼれない。

4/6(土)

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二ノ倉らむね
3週間前
6

3/29-4/5 永遠なんていらない。

3/29(土) 孔雀が羽をひろげたゆめをみた。 以前二ヶ月ほど入院していた精神科は庭の真ん中に孔雀がいて、機嫌が良い日だと羽を広げるのだと看護師さんが言っていた。

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二ノ倉らむね
1か月前
6

3/23-3/30 置き去った『清らかな愛』はどこかで。

3/23(土)〜3/25(月)

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二ノ倉らむね
1か月前
6

3/16-3/22 ダーリン、この持て余した花束をどうしよう。

3/16(土) らむねを名乗る者として黙っていられないのだが、バレンタインにラムネ菓子をあげるのは「あなたが嫌い」という意味らしい。 なんだそれ、くだらない。 実に…

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二ノ倉らむね
1か月前
5

3/9-3/15 アネモネの彩りを忘れさせて。

3/9(土)

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二ノ倉らむね
1か月前
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3/2-3/8 ミドルノートにさようなら

3/2(土) ようやく『トワイライトにおやすみ』ブックマーカーを発送できた。

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二ノ倉らむね
1か月前
8

2/24-3/1 ベイビーブルーに微睡んで。

2/24(土) 処方薬でできた作りものの眠りが、いつも以上にアンバランスな夢を見せた。

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二ノ倉らむね
2か月前
7

2024.2.21-2.23 「快活な愛」の示し方をおしえて。

2/21(水) 十年どころではなく、二年や三年だってゴム消しだったよ、キヨシロー。

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二ノ倉らむね
2か月前
7

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洗濯機をまわした後、もうすこしだけ眠ることにした。 きのう読んだ短篇小説の結末、そのほろ苦さはアルコールで溶かされたはずだと信じていたけれど目覚めはあまりに酷か…

二ノ倉らむね
2か月前
8

雪の日のメモ

2月某日、 ハシバミ色のことを忘れるのが幸福であったかどうかは、今ロラゼパムで融けた頭だとよくわからないでいる。 まな板に乗せた途端腐り落ちるような、グロテスク…

二ノ倉らむね
3か月前
5

無題

形状記憶にとうとうあらがえなかったあおい煙を、ここのところ何度も夢で見るようになった。 悪夢をみることはベルソムラの副作用なのだと精神科医は言う。 それでも眠れな…

二ノ倉らむね
4か月前
7

よまいごと

足首からふくらはぎにかけて、喉もとでだって、ずっとずっとくすぶりつづけている。 ラッピングを施す自信もなかった。 その浅はかさだってまるごと脳内麻薬に浸されて、朝…

二ノ倉らむね
5か月前
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封をもてあまして

みんな理由ばかりをさがすけれど アカシジアが今夜はたぶん、言い訳の代わりになってくれると思うから ほかに何もいらなくなってしまいました。 灯りのない部屋で貴方を呼…

5

3/29-4/5 永遠なんていらない。

3/29(土)

孔雀が羽をひろげたゆめをみた。

以前二ヶ月ほど入院していた精神科は庭の真ん中に孔雀がいて、機嫌が良い日だと羽を広げるのだと看護師さんが言っていた。

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3/16-3/22 ダーリン、この持て余した花束をどうしよう。

3/16(土)

らむねを名乗る者として黙っていられないのだが、バレンタインにラムネ菓子をあげるのは「あなたが嫌い」という意味らしい。

なんだそれ、くだらない。
実にくだらない。
ひどすぎる。

そんなこといったい誰が決めたんだ。
ラムネへの風評被害である。

なので私がもし誰かにラムネ菓子をあげるとしたら、

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3/2-3/8 ミドルノートにさようなら

3/2(土)

ようやく『トワイライトにおやすみ』ブックマーカーを発送できた。

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2/24-3/1 ベイビーブルーに微睡んで。

2/24(土)

処方薬でできた作りものの眠りが、いつも以上にアンバランスな夢を見せた。

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2024.2.21-2.23 「快活な愛」の示し方をおしえて。

2/21(水)

十年どころではなく、二年や三年だってゴム消しだったよ、キヨシロー。

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洗濯機をまわした後、もうすこしだけ眠ることにした。
きのう読んだ短篇小説の結末、そのほろ苦さはアルコールで溶かされたはずだと信じていたけれど目覚めはあまりに酷かった。

アンバランスな日曜日よ、髪を撫でて。

口のなかに押し出された生ぬるい真白のひるのように目盛ぎりぎりまで込み上げて弾けそうな、あえて名前をつけていなかった感情。
やけに今、それがさらさらとしているのがこわかった。

街が実際の距離

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雪の日のメモ

2月某日、

ハシバミ色のことを忘れるのが幸福であったかどうかは、今ロラゼパムで融けた頭だとよくわからないでいる。

まな板に乗せた途端腐り落ちるような、グロテスクで心許ない何かを引きずったわたしではなく、やけにすっきりとした気持ちを首に飾りつけた私として手をとりたいと
そこだけははっきり思った。
昨日の晩、雪灯りにぬれたであろうその人の髪を想うと、それが叶いもしないことはとてもよくわかっている。

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無題

形状記憶にとうとうあらがえなかったあおい煙を、ここのところ何度も夢で見るようになった。
悪夢をみることはベルソムラの副作用なのだと精神科医は言う。
それでも眠れないとすぐ体調を崩すので「そうですか、では様子を見てみます」と答えるしかなかった。
どこの誰に消費されるエモよりもタチの悪いフィルターがかかって、一日一日遠ざかるごとに重加工の施された蠱惑的なそれが、どんな蓮コラよりも私をグロテスクにしてい

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よまいごと

足首からふくらはぎにかけて、喉もとでだって、ずっとずっとくすぶりつづけている。
ラッピングを施す自信もなかった。
その浅はかさだってまるごと脳内麻薬に浸されて、朝焼けに苛立ってしまいそうなほど呼吸器官を、ひとつひとつ、意識してみたりなんかしてもいた。
ホットミルクが甘すぎたから、沈殿した砂糖の舌触りがそうさせたから梯子を蹴落とせないのだとあなたに書いた手紙をずっと私はかくしたままでいられるだろうか

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封をもてあまして

みんな理由ばかりをさがすけれど
アカシジアが今夜はたぶん、言い訳の代わりになってくれると思うから
ほかに何もいらなくなってしまいました。

灯りのない部屋で貴方を呼んだ声だけがつめたくて
ここから先の物語の進め方をどうもうまく思い出せないでいます。

ずいぶんとおしゃべりな星のない夜空で
誰かのものになった「おやすみ」が溶け出して
ずっと眠って夢ばかりを見たせいでやせた足で歩こうが、もがこうが

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