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きみの心はきみだけのもの


大丈夫心配ないよいつだって
きみの心はきみだけのもの

この言葉私の隣で笑ってる
君の灯りになれるといいな





【檸檬】

チューブから搾り固めたレモンエロウ
私の心を解いてく

はじめてはひと口かじってやめちゃった
きみの横顔眺めてたくて



【水】

きこえないきかなくていいそとの音
わたしの居場所はそこにあるから

飛び込めば、あとは始点ゴールを目指すだけ
きみの「頑張れ」ちゃんと聴こえた



【春】

日常のおわりを告げる足音と
はじまり知らせる鐘の音響く

きみたちが私の友というだけで
どれほど心強いだろうか

ありがとうここで私は羽ばたけた
きみがそばにいてくれたから

サヨナラを言おうとしたけど要らないね
一旦解散するだけだから



【桜】

春風と舞い散る桜思い出す
きょうのこの道歩いた日の青

制服であの坂登ったあの日から
ここは私の母校になった

肩並べ歩いたあとに横見れば
きみの頭にピンクのしるし

満開の桜私の瞳には
切なく映るは後知るゆえか



【朝】

あさがきた告げる目覚まし止めるるも
まなこがひらく気配まだ無し

5分前ドア開けバッグを担いでは
電車とかけっこよーいドン

幕閉じて遮る光隙間から
今日のはじまり告げる合図だ

目が醒めて隣を見れば眠る君
私の特権そっと口づけ

ふわふわと夢見心地でリビングへ
瞳開けば珈琲とパン



【夜】

「おつかれ」と君にビールを手渡して
乾杯すれば疲れも癒える

きみのためパンを仕込んで料理して
スペシャルケアしておしゃれをしよう

21時くじにふと思い立ってパン作り
生地をこねると浮かぶあの笑顔かお

薄暗い私の部屋にて本開く
時刻は0時12分れいじ じゅうにふん

午前2時起きているのはふたりだけ
ここから先は秘密の夜を

夢でもし会えるのならと目を閉じて
明け方隣にきみの残り香



【こころ】

「気にしすぎ」気にせず済むなら悩んでない
私の心を土足で踏むな

泣いていたところにLINEの通知1
今日の天気は雨のち快晴

「変わりたい」願い生きたらいつの日か
理想の自分にきっとなれるよ



【夕焼け】

かくれんぼ隠れた私を探してる
君の横顔照らすオレンジ

頬染めた君の口から「愛してる」
時が止まったような気がした



【夢】

逢いたいと望んだ君を目の前に 
儚く想う春の夢かな

中学の頃に授業で詠んだ短歌です。
当時忘れられなかった、小学校の頃に好きだったあの人が夢の中に出てきた日のことを描いています。

大人から「大きくなったら何になる」?
私の答えにみんな呆れた

「将来はスポーツ選手になりたいな」
言ってもいいよ、笑わないから

今はもう「何になりたい」ではなくて
「こう在りたい」と心が叫ぶ

きっかけは画面の向こうのエッフェル塔
あの日私は巴里きみに恋した

幼少の君が焦がれたパリの街
いまは私の心の故郷

世界地図広げて「次はどこ行こう」?
君と私の未来予想図

目標や夢はひとつでなくていい
未来の君を生かしてくれる



【本】

ありがとう私の人生変えたのは
あの日に読んだあの小説

あの本のあの一行に過去何度
私の心は救われただろう

1ページ開くと拓ける新世界
これから何度も帰る場所



・「いつからか」

いつからか君のことばかりなんでだろ
これってやっぱり恋なのかしら

いつからかきみとあの人比べてた
最低ダメな私をどうか許して

いつからか貴方の心あっち向き
隣で見てる私いるのに



・「あの時に」

「あの時に戻れるのなら」過去何度
心の中で唱えただろう

あの時に戻れるのなら何度でも
君に好きだと伝えるだろう

「あの時にYesと言ってよかった」と
80年後も君に告げるよ





編集後記

短歌は私にとって「”31字” というテーマの企画」だった。

私の普段の文章は分類するとすると「エッセイ」「コラム」ということになるのだろうと思う。その中で綴るものは、直近の思い出や思考についてで、時間軸で言うと【現在】や【未来】に焦点が当たることが多い。どこまで行っても、自分の中にあるものしか表現できなくて、どうしても起こったこと、考えたことを最初から最後まで全部書きたい!という思いが先行してしまう。字数なく言葉を尽くせるからこそ、思考の言語化に重きを置いてしまう。

そんな私が短歌では、思考よりも映像を、物語を重視した表現をできた。同じことを表現するのでも31字と制約があるだけで、どの言葉をどこに配置するか、伝えたいことを伝えるために字数との兼ね合いでどの単語を選ぶのか、何を切り捨てて読者の想像に委ねるのか、という考え方で表現することができた。

ずっと、書いてみたいと思っても書けなかった「小説」や「歌詞」のような、自分の中にない世界を描写する【創作】というやつができた気がしています。

作った短歌たちが、他人の目から見てうまいのか下手なのか、良いのか悪いのか、わからないけれど、作り続けていきたいと、心から思いました。


パリの写真に短歌を添えた記事とか、全体で1つの物語になるように短歌を複数作る記事とかの構想を、実はすでに持っている。



私の言葉の幅を広げてくれたレモンさんに大きな感謝。大袈裟ではなくて、私にとっては人生が変わったと思うくらいの発見でした。ありがとうございました。





この note は レモンさん との共同マガジン「交換ノート」の企画記事です。
約1ヶ月間、週1で同じテーマについて考え、それぞれが感じることを記事にします。翠とレモンさんの思考のちがいを楽しんでもらえますと幸いです。

1・2週目は同じ音楽を聴いて感じたことについて綴り、今週は同じお題についてそれぞれで短歌を作りました。


レモンさんの短歌はこちら▽


『交換ノート』マガジンはこちら▽


レモンさん、今回も公開が遅れてしまってすみませんでした🙇‍♂️楽しすぎてついつい、1テーマにつき4つも5つも書いてしまって💦新たな可能性に気づかせていただきありがとうございました!短歌でよければ続けられそうなので、これからも月1くらいで交換ノートしませんかーー(まさかの公開打診)





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