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食べ物読書 君がいない夜のごはん/穂村弘

食べ物がテーマの本、
食べ物が美味しそうな本、
勝手に食べ物に結びつけて話したいだけの本。
自分の思ったことと一緒に紹介しちゃいます。
(※内容言っちゃうので、ネタバレ注意です!)

第3回!穂村弘『君がいない夜のごはん』

カップに唇をつけたとたんに、牛乳が真っ黒になって驚く。反射的に時計をみると零時。賞味期限が切れたのだ by 穂村弘「賞味期限」

本屋で気になって本を開いたら、この詩。
Twitterか何かで見て、なぜか頭のスミに残っていた言葉。
これは運命!と思って即買いした本が「君がいない夜のごはん」

驚いたのは「この人、ご飯のエッセイ書いているのに食べ物に対して雑…!」ということ。

お好み焼きを、混ぜなさすぎて絶叫される。
菓子パンをベッドで食べる。
面倒でラップを半分だけ剥がして、そこからつついておかずを食べる。

この人、食いしん坊<<<めんどくさがり
故にめっちゃ面白いエッセイです。

最初の詩を思いついたのも、食べ物のニオイや味では腐って食べられなくなっているかなどがわからなく自信がないという話から。
確かに私も食べ物はもちろん好きだけど、
わざわざ料理を自分ですることは稀だし、高いか安いかどこの産地かなんて本当にわからない。言われれば美味しいなぁさすがだなぁという程度。賞味期限が切れてても全然食べちゃう。
だから、その気持ちはたしかにわからなくもない。

このエッセイの題材になるのは、
「食べ物のかっこよさって何?」
「お好み焼きや納豆の混ぜが足りなくても死ぬことはない」
「カレーとラーメン、どちらかしか食べれなかったらどっちを選ぶか」

その小さな価値観を聞くことは「何がどう美味しいか」という話よりもずっとその人のことがわかる気がする。
そんな話が集まったこのエッセイはとても楽しい。

「たしかに」「そうなんだ」「なんじゃそりゃ」と独り言をブツブツ言いながら…食べ物のことを考える時間に没頭できる素敵な本です。


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