投擲の授業レポート①紙鉄砲と発泡スチロールを使って投げ方の改善を試みる

今回のアプローチ

紙鉄砲と発泡スチロールを使って投げ方の改善を試みる

手順1 紙鉄砲を鳴らす
ボールを投げるときに必要なスナップを使えるようにする

手順2 紙鉄砲を高い位置で鳴らす
肩を回して投げるための練習。低い位置で鳴らす人は肘が前に突き出て肘から先で投げる人が多い

手順3 発泡スチロールボールを投げる
自分の回転を確認する。軽い、縫い目があることで力がなくても重力に逆らってホップする。
一目瞭然で自分の球質がわかる。肩を回して投げれなくてもスナップがきけばホップする。

手順4 動画で自分の投球動作を確認、コメント
自分の投球動作を見て、確認する。それを教師もチェックしてコメントをつけて生徒に渡す。


授業自体は大いに盛り上がった


 紙鉄砲にしても鳴らすことに一生懸命になる生徒が多く、より大きく鳴らそう(勢いで紙鉄砲を破ってやろう)と必死になる生徒もいた。普段は投げることにコンプレックスをもち、ハンドボール投げでも恥ずかしそうに投げる生徒もわーわー楽しんでやっているようだった。
 発泡スチロールボール投げも実際にホップするのが楽しくて投げ続ける様子が見られた。肘から先だけでも使えればホップするので「じぶんでもできる」という雰囲気はあったと思う。

 そのようなよい雰囲気で授業は進んだが動画の撮影をチェックすると、目標である「肩を回して投げる」ということがほとんどできていないことに気付く。
 なのでコメントには「肘を突き出して投げているので、紙鉄砲をより高い位置で鳴らす練習をしよう。」という類のものであった。(200人以上のコメント作成も後半は予測変換とかコピペが使えるようになり意外と短時間でできた)

授業展開の課題

 夢中になって投げるという目標は達成できたが、技術向上はもう少しさせてあげたかった。今回、1回目は練習。2回目はiPadで撮影とテスト(回転チェック)で行ったが、初回に撮影とコメントをつけて2回目に紙鉄砲の鳴らす位置と球質テストをすると改善する意識は高まるのかもしれない。また、壁倒立やブリッジなどができない生徒が多く、肩を使うことがもともと難しい状況も無視できない。そういう補強運動を特別に行う必要があったのかもしれない。
 でも、体育で最近重視しているのは「感覚を楽しむ」ということ。打つ、投げる、走るなど何でもいいが、苦手なものでもちょっとした工夫と雰囲気作りで一見面白くないものも、最高の時間になったりする。なので「なんか授業で紙鉄砲やったわ~。」「発泡スチロールなんか面白かった」と笑顔で帰ってくれればまずは良しとしたい。(こんなに楽しそうに投げてる授業やってるのは学校内でここだけやろと言える)
 つぎはハンドボール投げとジャベボール投げで距離を測った後、スピードガンで球速も測る。
 

投げることを楽しむ。

もっと投げたいと思わせる。そんな仕掛けで今は精一杯だけど、つぎはその中でどれだけスキルアップできるかにも挑戦しないといけない。

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