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嫌いなものは、1000年前も共感できる。

母が急に「今年は古典を味わいたいから、本を買いに行こう!」と言い出した。

本屋に行くと、大河ドラマ『光る君へ』の影響か、源氏物語のコーナーが出来ている。
図鑑や、漫画、原書など、さまざまな角度からの本が面白い。

パラパラと中身を確認する。『源氏物語』はタイトルや何となくのストーリーを知っているだけだったので、これを機にしっかり知るのもいいかも?と思った。

しかし、恋愛がメインなので数ページ読んだだけで気持ちがとても揺さぶられてしまった。

うーん、これは苦手かもしれない。

じゃぁ、随筆の枕草子はどうだろう。現代でいうエッセイであれば、単発で読みやすいかもしれない。

この2冊は読みやすそうだったので購入した。

共感のオンパレードで
めちゃくちゃ、楽しかった。

にくらしい人が、不幸な目にあうのは(罰が当たるかもしれないと思いつつも)嬉しい

うれしきもの より

正直すぎる!
でも、わかる。

人が話を始めると、出しゃばって話の先回りをする人

にくきもの より

戸を開けて出る時、閉めて行かない人

にくきもの より

寝ようとしていた矢先に耳元に飛んでくる蚊

にくきもの より

人のことを聞き出そうとする人に何も教えないでいると、それを恨んで悪口を広める人

にくきもの より

静かに引けば音がしないのに、手荒く扉や簾をうるさく開ける人

にくきもの より

美男子顔よきのお坊さんの話はありがたみが増すが、ブサイクにくげなるな方の話は集中できない。そう思う私は罰当たりなことだろう

説教の講師は より

まだ先と思うものほど怠けがちになる

たゆまるるもの より

気まずいとき。
悲しい話を聞いて自分だけ泣けない時。逆に素晴らしいことを見ると真っ先に号泣する時。

はしたなきもの より

近所に住む子どもが部屋に上がり込み好き勝手するのを、止めずにほほ笑む母親がにくい。何も言えない自分が一番にくい。

人ばへするもの より

むしゃくしゃして、何もかもがイヤになって死にたくなったとき、上等な筆と真っ白な紙が手に入ったら、もうすこし生きててもいいなと思う。

御前にて、人々とも より


イヤなものって、今も昔も共感する。

マイナスな感情だけど、ある意味
ユーモアを持っていて…

読んだ人を、すこし癒していく。


今回は漫画で読んだので、スッと入ってきた。


作者の清少納言は、
日常の色や音、香り、人の話し方、しぐさを事細かにすくい取っていて……ちょっと神経質で…、HSP気質だったのかなぁ、なんて勝手なシンパシーを感じながら読んだ。

もう一冊も読むのが楽しみ。




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