高坂正澄

小説、エッセイ、俳句。「三田文学 第144号 2021冬季号 新同人雑誌評」「大阪文学…

高坂正澄

小説、エッセイ、俳句。「三田文学 第144号 2021冬季号 新同人雑誌評」「大阪文学学校『樹林』小説同人誌評28」に同人誌『monVol.16号』掲載の拙作『穴』を取り上げていただきました。大阪文学学校研究科修了。「俳句結社・藍生」を経て「俳句結社・青麗」。

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  • 車中泊2「山陰海岸ジオパーク編」

    山陰海岸ユネスコ世界ジオパークは、鳥取県岩美町、鳥取市北部、兵庫県豊岡市、香美町、新温泉町、京都府京丹後市にまたがる、山陰海岸国立公園とその周辺からなる。

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記事一覧

鳥取砂丘の思い出

車中泊の旅「山陰海岸ジオパーク編」の一日目は、まず鳥取砂丘に行きました。 あいにく雨が降ったりやんだりでした。時折雨足も強くなります。 鳥取砂丘には思い出があり…

高坂正澄
6時間前
11

谷崎潤一郎『盲目物語』執筆の高野山を訪ねる

わたくし生国(しょうごく)は近江のくに長浜在(ながはまざい)でござりまして、たんじょうは天文にじゅう一ねん、みずのえねのとしでござりますから、当年は幾つになりまする…

高坂正澄
1日前
26

池田克己詩碑 小野十三郎書

「池田克己詩碑  小野十三郎書  疲れた駅からの五十丁  月の木橋の上でようやく満月  役場前の急坂で眞正面の満月  火の見櫓も  一本杉も  まぶしくかすむ  雪の…

高坂正澄
2日前
23

交るとも恋の季節とも

春から初夏にかけて、「鳥交(さか)る」の時季のようである。恋の季節だ。 結果、巣も作る。 …と、気づいたのは、今日たまたま、そんないきものを何種か見たからである…

高坂正澄
2日前
33

津風呂湖百景5 吉野運動公園

津風呂湖の湖岸にある吉野運動公園には、「運動」のための諸施設が配置されている。総合体育館、陸上競技場、野球場、テニスコート、大駐車場など。これらは湖岸の木々と人…

高坂正澄
4日前
40

三瀬谷ダム (三重県大台町)

三瀬谷(みせだに)ダム 所在地:三重県多気郡大台町 河川名:宮川水系宮川 型式:重力式コンクリートダム ゲート:鋼製ローラーゲート×4門 堤高・堤頂長:39.0m・160.0…

高坂正澄
4日前
35

2024GWめんくい紀行

好きなんか偶然なんかしらんけど、このGW、毎日のように麺を食している。 1 「柚子塩にゅめん」やすとみ食堂(播磨の安富町) かつて兵庫県の中西部にあった安富町は、…

高坂正澄
5日前
39

日本海と黒そばと半チャンと

さて、帰ろっと。 付記:今回の旅は、車による単独行でした。二回目の車中泊実験(まだ実験かい!)の旅になります。 [行程] 4月30日(一日目) →中国自動車道→鳥取自…

高坂正澄
8日前
32

山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク

今日は朝から小雨が続いていたが、海岸遊歩道の地面は、杭やコンクリートで固められ、手摺もついていた。それに、家族連れも含めて駐車場に帰ってくる人たちもいるではない…

高坂正澄
9日前
35

弁財天石楠花の丘

桜も牡丹もオワタ。 ということで、4月29日、室生(むろう)へ石楠花を見にいきました。 「弁財天石楠花の丘」では「石楠花まつり」を開催しているはずでした。 開花予想…

高坂正澄
10日前
31

紀伊半島のタヌキとイノシシ

昼間なのにノソノソ出てきたタヌキは、谷川を横切って山の中に消えた。 さて、里へ下りてきたワタクシは、田舎屋(旅館)の食事処でぼたん鍋定食を食べた。 タヌキは犬科で…

高坂正澄
10日前
30

サラメシ活R6-4ー25

前回「サラメシカツ」投稿からおよそ一ヶ月が経ってしまった。年度末年度初めはバタバタで、あれこれしているうちに日にちが過ぎた。 短時間の外食(ランチ)が多くなり、…

高坂正澄
12日前
39

Nostalgia

ワタシの故郷は、瀬戸内海にほど近い内陸部(本州)です。しかし、もうそこには、両親もきょうだいも、そして実家もありません。 こんなシトシト雨の降る昼下がり、家人が買…

高坂正澄
12日前
38

黒田杏子句碑を訪ねて 高野山無量光院

黒田杏子先生の句碑があるというので、高野山無量光院を訪ねてまいりました。 黒田先生の句碑が、高野山に建立されていることは、これまでの認識として、知っていたような…

高坂正澄
2週間前
32

奥辺路 護摩壇山

奥辺路(おくへち)の護摩壇山(ごまだんざん)は、和歌山県で2番目に高い山。山頂の標高は1372mです。 (注:見出し写真にある「1369m」は頂上から若干ズレている) 和…

高坂正澄
2週間前
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平家維盛歴史の里

平家落人伝説は、全国各地にあるようです。 屈曲の多い長い海岸線の入江や岬、離れ島、けわしい山地の谷あいなどに、平家の落人が開発したという言い伝えをもつ集落は、平…

高坂正澄
2週間前
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鳥取砂丘の思い出

鳥取砂丘の思い出

車中泊の旅「山陰海岸ジオパーク編」の一日目は、まず鳥取砂丘に行きました。

あいにく雨が降ったりやんだりでした。時折雨足も強くなります。

鳥取砂丘には思い出があります。

二十代の前半、畿内某県に住んでいた頃、同じ寮生であった男三人が、目的地を鳥取砂丘と決めて、それぞれの車で競走したのです。もう何十年も前のお話です。

それは十分な時間をかけた企画ではなく、思いつきでした。夜半に出発し、朝方には

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谷崎潤一郎『盲目物語』執筆の高野山を訪ねる

谷崎潤一郎『盲目物語』執筆の高野山を訪ねる

わたくし生国(しょうごく)は近江のくに長浜在(ながはまざい)でござりまして、たんじょうは天文にじゅう一ねん、みずのえねのとしでござりますから、当年は幾つになりまするやら。左様、左様、六十五さい、いえ、六さい、に相成りましょうか。

これは、谷崎純一郎『盲目物語』 の書き出しである。小説の語り手は、按摩揉み療治をする弥一という盲目の遊芸人で、浅井長政の妻となり、後に柴田勝家に嫁した信長の妹お市の方を

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池田克己詩碑 小野十三郎書

池田克己詩碑 小野十三郎書

「池田克己詩碑
 小野十三郎書

 疲れた駅からの五十丁
 月の木橋の上でようやく満月
 役場前の急坂で眞正面の満月
 火の見櫓も
 一本杉も
 まぶしくかすむ
 雪の満月

 池田克己」

吉野・津風呂湖畔の、静かで寂しすぎる吉野運動公園。そこで思いがけず遭遇した詩碑。小野十三郎書とあるではないか。小野十三郎氏は、大阪文学学校初代校長である。

池田克己は、1927年吉野工業学校建築科卒。詩人と

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交るとも恋の季節とも

交るとも恋の季節とも

春から初夏にかけて、「鳥交(さか)る」の時季のようである。恋の季節だ。

結果、巣も作る。

…と、気づいたのは、今日たまたま、そんないきものを何種か見たからである。

さて、ここは橿原神宮の南隣にある深田池。奈良時代に築造されたと伝えられる歴史あるため池だ。

下の写真の池の向こうの林の一部が枯れているのは、カワウの💩のせいに違いない。

上空を頻繁に飛ぶカワウに混じってシラサギも見かけたが、

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津風呂湖百景5 吉野運動公園

津風呂湖百景5 吉野運動公園

津風呂湖の湖岸にある吉野運動公園には、「運動」のための諸施設が配置されている。総合体育館、陸上競技場、野球場、テニスコート、大駐車場など。これらは湖岸の木々と人造湖の水に囲まれ、非日常を体験できる場所である。

かつては、プール、レストハウス、展望塔などもあったようだが、おそらく施設老朽化や利用者数の減少が原因で、今は閉鎖されている。

駐車場から津風呂湖まではすぐだ。駐車位置によっては、数歩で行

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三瀬谷ダム (三重県大台町)

三瀬谷ダム (三重県大台町)

三瀬谷(みせだに)ダム

所在地:三重県多気郡大台町
河川名:宮川水系宮川
型式:重力式コンクリートダム
ゲート:鋼製ローラーゲート×4門
堤高・堤頂長:39.0m・160.0m
総貯水量:1,310万トン
管理者:中部電力株式会社
本体着工/完成年:1964/1967年

日本最多雨地帯の大台ヶ原・日出ヶ岳(1995m)に源を発する宮川。その水を蓄え、そして時間の妙により水を作り続けるダム。安定

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2024GWめんくい紀行

2024GWめんくい紀行

好きなんか偶然なんかしらんけど、このGW、毎日のように麺を食している。

1 「柚子塩にゅめん」やすとみ食堂(播磨の安富町)

かつて兵庫県の中西部にあった安富町は、現在は存在しない。2006年、姫路市に編入されたから。編入前の人口は5600人程度。

地元の特産は柚子で、ジャムなどに加工されているらしい。

さて、中国自動車道(下り)の安富パーキングエリアの「やすとみ食堂」で、柚子の香りする「柚

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日本海と黒そばと半チャンと

日本海と黒そばと半チャンと

さて、帰ろっと。

付記:今回の旅は、車による単独行でした。二回目の車中泊実験(まだ実験かい!)の旅になります。
[行程]
4月30日(一日目)
→中国自動車道→鳥取自動車道→鳥取砂丘→浦富海岸(ジオパーク)
→遊歩道(鴨ヶ磯~城原海岸)→山陰海岸ジオパーク浜坂の郷(道の駅)
にて車中泊   本日走行L=290Km
5月1日(二日目)
山陰海岸ジオパーク浜坂の郷→道の駅きなんせ岩美→山陰海岸ジオパ

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山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク

山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク

今日は朝から小雨が続いていたが、海岸遊歩道の地面は、杭やコンクリートで固められ、手摺もついていた。それに、家族連れも含めて駐車場に帰ってくる人たちもいるではないか。
なら、夕方が近いとはいえ、ちょこっと海岸に下りてみよう。

と思ったのが、大きな間違いだった。いやはや、それは「遊歩道」と呼べるのか。傘差しての雨のせいも大きいが、大変スリルに満ちた冒険の道のりとなった。

歩いたのは、鴨ヶ磯と城原海

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弁財天石楠花の丘

弁財天石楠花の丘

桜も牡丹もオワタ。
ということで、4月29日、室生(むろう)へ石楠花を見にいきました。

「弁財天石楠花の丘」では「石楠花まつり」を開催しているはずでした。

開花予想  4月21日~5月6日
見ごろ予想 4月25日~5月5日

場所:奈良県宇陀市室生弁財天

しかしですね。ことしの石楠花は、「裏」らしいのです。あまり咲いてませんでした。
つぼみ自体が少なかったです。

4月の天候不順のせいがある

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紀伊半島のタヌキとイノシシ

紀伊半島のタヌキとイノシシ

昼間なのにノソノソ出てきたタヌキは、谷川を横切って山の中に消えた。

さて、里へ下りてきたワタクシは、田舎屋(旅館)の食事処でぼたん鍋定食を食べた。

タヌキは犬科で、イノシシはイノシシ科。イノシシは食べられるが、タヌキはちょっと…。でも太ってたらおいしいらしいよ。機会があったらイタダコウ🤭

ワタクシの愛読する宇江敏勝氏の本に、こんなくだりがあった。

「狸の肉なんか、悪臭があってとても食えた

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サラメシ活R6-4ー25

サラメシ活R6-4ー25

前回「サラメシカツ」投稿からおよそ一ヶ月が経ってしまった。年度末年度初めはバタバタで、あれこれしているうちに日にちが過ぎた。

短時間の外食(ランチ)が多くなり、同じような食べ物に偏ってもいる。
なのでこれは食レポというより、自分用の記録。この一ヶ月のランチ、こんなんだったかなと。

1 カレースパゲッティ

トッピングはコロッケ。野菜サラダつけて650円に感謝。

2 カレーライス

連日のカレ

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Nostalgia

Nostalgia

ワタシの故郷は、瀬戸内海にほど近い内陸部(本州)です。しかし、もうそこには、両親もきょうだいも、そして実家もありません。

こんなシトシト雨の降る昼下がり、家人が買物に出かけてしまい、ネコも飼っていないから、静かすぎるわが家に一人いますと、ふいにふるさのことが懐かしく思い浮かぶのでした。

(写真は撮りたての明日香村)

2024.4.27

黒田杏子句碑を訪ねて 高野山無量光院

黒田杏子句碑を訪ねて 高野山無量光院

黒田杏子先生の句碑があるというので、高野山無量光院を訪ねてまいりました。

黒田先生の句碑が、高野山に建立されていることは、これまでの認識として、知っていたような…知らなかったような…

というのは、私は黒田俳句会(「藍生(あおい)」を仕事の多忙を理由に脱会して久しく、爾来注意深く情報をとっていなかったからです。

本来なら、報恩の気持ちと高野山近在に住することをもって(その時は会員ではありません

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奥辺路 護摩壇山

奥辺路 護摩壇山

奥辺路(おくへち)の護摩壇山(ごまだんざん)は、和歌山県で2番目に高い山。山頂の標高は1372mです。
(注:見出し写真にある「1369m」は頂上から若干ズレている)

和歌山県で1番は1382mの龍神岳で、護摩壇山より10m高い。この龍神岳と護摩壇山は700mほど離れて隣り合っており、尾根道で往き来できるようだ。

そもそも、護摩壇山という山名は、平家の武将・平維盛(たいらのこれもり)が龍神村に

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平家維盛歴史の里

平家維盛歴史の里

平家落人伝説は、全国各地にあるようです。

屈曲の多い長い海岸線の入江や岬、離れ島、けわしい山地の谷あいなどに、平家の落人が開発したという言い伝えをもつ集落は、平家にゆかりの深い九州や四国はもちろん、近畿、中部、関東から東北にまでおよんでいて、全国で100をこえると推定されている。(人物探訪日本の歴史3「平家と源氏」暁教育図書より)

ここ、奈良県野迫川村も、そんな平家落人伝説をもつ集落の一つです

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