45歳からの外資転職ノート 第3話 外国人の定年退職の時期はいつ?

第3話 外国人の定年退職の時期はいつ?

外国人は何歳で定年になるのだろう。私の入社した外資系企業に定年退職はない。正確にいうと、外資系企業の日本法人には定年はあるが、本社にはない。だから70歳を超える人も働いている。

会社はどうやって退職年齢をマネージするのかと不思議に思う。しかし、彼らと働いて解るのは、彼らは年齢で人を判断しないし、長い時間をかけリタイアメントの習慣を作りあげてきたということだ。

同僚の欧米人に平均的な退職年齢を聞くと「人によってまちまちだが、平均すれば65歳くらいではないかな」ということだった。彼自身は「できれば60歳で退職したい」と言っていた。彼らにとって、定年は自分で決めるもので、理想は早くハッピーリタイアメントをしたいということだ。

なにがハッピーリタイアメントなのか。それは、生活の経済的保証ができている上で、第2の人生として退職後の人生設計ができていること、つまりこれから何をするのかがはっきりしていること、子供の教育や家族の心配がなくなっていることなどが準備できたうえでの退職だろう。

確かに、欧米人は日本人以上にトータルな生活、つまり仕事以外のプライベートなことも含めた生活を重視している。だから、ある程度の年齢になっても仕事中心の生活から逃れられない日本人は、彼らの価値観においてはハッピーとはいえないだろう。

日本人的には、定年時期が決まっていないといつまでも会社に居座られると思うかもしれないが、欧米人は、会社が生活のすべてではないという考えが大前提だし、いては困るような人はそもそも退職時期を待つまでもなく解雇されるのだ。

一般的には55歳から65歳くらいの間に将来の自分のライフスタイルを確立し、退職時期を自ら決めることになる。これはこれで理にかなったシステムかもしれない。解雇というシステムがある社会では定年退職はいらないのだろう。


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