セカンドハーフ通信 第72話 香港のデモ

香港のデモ

逃亡犯条例の改正反対を訴えた市民のデモが行われ100万人から200万人ともいわれる人々が参加した。逃亡犯条例が改正されると、香港が犯罪人引き渡し協定を締結していない国や地域の要請に基づいて容疑者引き渡しが可能となる。

中国から、特別に高度な自治を認められている香港は、この条例によって100%中国の支配下になるといわれている。いわゆるアンチ体制などではなく、今までの体制からの方向転換を問われる問題だ。

自由主義体制下にある香港では、今までインターネットなどを通じて言論の自由が守られてきた。中国はそうではない。この条例が改正されることで、中国に対して不利益な発言をできなくなり、言論の自由を奪われることになる。

香港の自治は資本主義と共産主義の根本的な不整合の中、1国2制度という取り決めによって守られてきた。それを無効にすることは世界の勢力地図を変えることにつながる。だから香港人が反対するということだけに止まらず、日本を含めた他の資本主義国への影響もあることだ。

市民運動の盛り上がりによって香港の行政府が逃亡犯条例の改正を放棄するとしたら画期的なことだろう。一方で、多くの市民の意思に反して法案が承認されたら、言論の自由は奪われ、香港は実質的に共産主義の支配下になってしまう。

今その審判が下ろうとしている。歴史の重要な分岐点を隣の火事として見ているわけにはいかない。


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