とある。 episode 4 矛盾
あの日、
飛行機雲は下から上へと真っ直ぐに伸びて
空をふたつに分けていった
イエスかノーか
AかBか
選択を迫られているようで
答えが分からなくて
ただ上へと伸びていく飛行機雲を
目で追うことしか出来なかった
あなたとの幸せを諦めたくなくて、
あなたを許すことができなかった。
そんな自分も許すことが出来なくて。
そう言って、
涙を隠すようにして背中を向けて出ていく君を
君との幸せを
諦めたくないのに
諦めたくなくて
後を追う事も出来ずにまた君を傷つけてしまった
この矛盾のなぞなぞの答えを
どこか分かっているような気もする
あの一方向にだけ伸びる飛行機雲のように
真っ直ぐでいたいのに
幸せにする資格なんてないのに
幸せを願っている
とある。 主人公なあなたへ
とある誰かのストーリーを切り取って
誰かだったり自分だったり
それとも誰でもないのかもしれない
フィクションだったりノンフィクションだったりどちらかだったり両方なこともある
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