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【ライフスタイル】夕暮れのお洒落なバーが気づかせてくれること

開店は夕方6時くらいからだろうか。

子どもたちを迎えに学童へ行った帰り、交差点沿いにある小さなバーの前を車で通る。

夕暮れにぴったりの、スロージャズが似合うなんともいえない雰囲気が漂うお店。
カウンター席が8席ほどの空間だけれど、慌ただしい日常の喧騒からは完全に遮断された別世界のように見えている。

相当にこだわって創り上げた空間なのだろう。


私はお酒はそれほど飲めないけれど、薄暗くて心地いい雰囲気に身を浸す時間が好きだ。
子どもを授かる9年前までは、友人と夫と、時に愉しんでいたひととき。

そう、こういう時間もあったよね。

後部座席で足蹴りしあう子どもたちの騒ぎ声をBGMに、その空間でゆったり流れる時間を想像する。
あの時間を楽しみたい。

店内で微笑み合うご年配の夫婦や一人客を眺めては、ほんの少し、羨ましい気持ちが湧き出てくる。

子どもたちが18歳?いや、バーだから成人したら一緒に行けるかな。
あんな空間で乾杯できたら感動だよね。


夜はどっぷり子どもたちと濃密な時間を過ごしている今、いずれ、子どもたちは巣立っていくということを想像できない。
でも、その瞬間は必ず訪れる。

落ち着いたバーでゆったり味わう時間と。
子どもたちにお箸の使い方を必死にレクチャーしている時間と。
どちらが特別か。

一瞬の内にこう思考を一巡させ、私は今の特別な時間に戻ってくる。


人は勝手に、簡単に、“当たり前”を勘違いし、もう戻ることはないはずの現在の価値から目を離してしまう。

何に憧れてもいい。
忍耐が続く毎日に疲れ切ってしまってもいい。

それでも、私にとっての豊かさの根だけは忘れてはいけない。

いつか、バーから外を眺めたら。

きっと、子どもたちの喧嘩をなだめながら運転している私の毎日は、虹色に輝いているのだろう。




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・プチ栄養学
・おうちごはん
・ライフスタイル

の3つの視点から、子育てのことやちょっと役立つ栄養のお話、ママの働き方、将来に想うことなど自由に書いていきます。

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