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はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」(中原 淳 著) 〜ひとりでも部下をもっている方へ〜

はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 ー 中原 淳

読書の狙い:後輩指導や1on1について書籍を読むうちにあちこちで名前を聞くようになった中原 淳 准教授。その超実践的なノウハウ本ということで店頭で見かけて即買い。

目次と内容
第1章 フィードバックの理論と部下育成の基礎知識
第2章 フィードバックの基本モデル 5ステップで実践するフィードバック
第3章 フレーズとセリフで学ぶフィードバックのポイント
第4章 会話例で学ぶ 部下のタイプ別フィードバック
第5章 フィードバックを続けるための事前準備&テクニック
+特別コラム 若手マネジャーが語る「フィードバック」経験談

1〜2章はフィードバックの理論や基本の基本がていねいに書き記されていて、ここだけでもまずは読む価値がある。「フィードバックとは『ティーチング』+『コーチング』である」という点は案外見失いがちな点ではないかと感じた。そもそも指導される側の中にないものはいくら「コーチング」しても引き出せるわけがない。以前、コーチングにこだわり過ぎて「どうしたいの?」を繰り返してしまい、答えを持っていない若手を困惑させてしまったことがある。どこまで教えるのか、どこからは自身から引き出させるのか、対象者によって変えていくべきバランスが難しい。

3章以降は非常に実践的で、特に4章のタイプ別フィードバックはさまざまなシチュエーションや部下のタイプによってどうアプローチするのかが事細かに解説されている。「あーうちにもいるいる、こういうやつ」となることうけあいである。特に5章に記載されている「事前準備」は自分に抜けていた視点だったと感じた。フィードバックするタイミングはもちろん個別に設ける必要はあるが、それ以上に大事なのは日頃のコミュニケーションの量であり、それを含めた事前準備の質をどうあげるかこそがフィードバックの肝なのだ。

事前準備の基本「SBI情報」
1on1を見よう見まねではじめてから断続的に誰かしらと続けてきた。ただ、自分の中でもなかなかうまいやり方が腹落ちしておらず、1回1回が「点」にならないように、どうやったら継続的に有効な時間と感じてもらえるか、なかなかうまくいかない思いが強かった。そんなときに出会ったのがこの本のベースにある「SBI情報」に基づく事前準備の大切さだ。
S=Situation  どのような状況で
B=Behavior   どんな行動が
I=Impact   何をもたらしたのか

これ以上の詳細は本書に譲るとして、事前にフィードバックの対象者がどのような業務を担当して、結果がどうだったかということを把握しておくことが大切という話。何事も準備が9割とよく言われるように、指導も会議もその前にどんな準備をしてから臨むかということ。仕事に追われるとどうしても振り回され勝ちになるが、1歩でもいいから1段でもいいから少し先を見て、先回りして準備していけるようになりたいものだと思う。

あらためて自分もまだまだ試行錯誤の途中であり、今後の指針となるノウハウの詰まった良本。実践して苦労して身につけていきたいと感じる。1人でも部下のいる方、あるいは部下のいる層になりたいと思う方にはオススメの一冊です。

はじめてのリーダーのための 実践! フィードバック 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す「全技術」 ー 中原

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