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【世界がわかる資源の話】資源の話を網羅的に

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜資源・入門〜

著者によると資源についての知識は、我が国の9割以上の若者は中学生レベルにとどまっている、とのこと。

たしかに、僕自身、資源について何か語ろうとするならば、学生時代に習ったような事柄を思い出すこととなるだろう。大人になってから、資源というものに対して、わかったようなふりをしている自覚はある。

本書は、水、エネルギー、はたまた鉱物まで、資源に関する最新の話題を網羅的に紹介してくれる。まさに、資源の入門書というに相応しいだろう。


〜世界の解像度が上がる〜

さて、資源をめぐる諸問題はまさに喫緊の課題であり、未来の世代の生活にも関わる問題である。
娘を見るたびに「世の中がいい世界になればいいのに…」と思うが、より良い未来を作るには、環境や資源の話は外せないのだが、諸問題のスケールが大きすぎて、自分1人が何かやったって世界は変わんないだろう、という気持ちもなくはない。

しかし、本書でその考えは変わる。
スケールが大きすぎて見えなかったのではなく、ただ知らなかっただけなのだと。

例えば、この記事を書いているスマートフォン一台の中にも貴重な資源が多く含まれている。
使わなくなったスマートフォンを適切に処理すれば、それだけで地球にとって貴重な資源を再利用することができる。
それだけではない。身の回りにあるもの全てが資源に見えてくる。「知る」ことは、「自分に何ができるか」に気づくきっかけとなるのだ。


また、本書から世界のニュースの解像度も上がる。なぜ紛争が起こるのか?なぜ、中国やインドは急速な経済発展が出来たのか。
資源を知ることがそれらを理解する一助となる。

読み終われば、世界の見え方が少し変わる、という著者のまえがきはウソではない。世界を知るために資源を知ることは決して無駄ではない。

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