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Xデザイン学校(UX)ビギナーコース #08

構造化シナリオ方法①

前回のワークショップからの続き。新年明けて1回目の授業。ビギナーコースは残すところ今回を含め後3回となる。前回はビジネスモデルを修正するために、ペルソナの変更をしユーザーインタビュー、上位下位関係分析を再度行ってきた。今回のビジネスはスキマ時間をうまく活用することができる場所の提案にした。

ワークショップ概要・具体

今回のワークショップではこれまで得たユーザーのインサイトとビジネスモデルを実際に利用する際のサービスのストーリーに落とし込んでいく肝となる部分だ。浅野先生はマスターするまでに3ヶ月かかったと仰っていたが、まだ真意を理解することのできぬまま作業に着手することとなった。行ってみると作業自体は前回までのことをまとめてドキュメントに落とし込むだけなので、それほど苦労する部分があるようには感じることができなかった。だが本質的な大変さはそこでは無かった。

講評フィードバック

今回の講評は最初に行うことができ、恐らく最も時間をとってFBを頂くことができた。内容としてはかなり手厳しいものだったがざっくりまとめると下記のような内容だった。

フィードバック内容
・サービス内容がしょぼい
・ペルソナ、時代の背景を汲んでいない
・ペルソナが悪い(お金を使わないユーザー)
・上記ユーザーは、他の何にお金を使っているかの掘り下げが無い

フィードバック考察

まず冒頭に、前回のブログでサービスの判断軸のスコア化について述べていたが、年を跨いだためか完全に失念してしまっていたことは大きな反省だった。全く成長できていない。また先生からのFBのについては下記のように自分なりに理解した。

[ユーザー背景について]
今回ペルソナを変更してインタビューを行ったが、出先で時間を潰す方法や何をしたいかについてはヒアリングできていた。だがそもそも「訪問先を訪れる目的や理由」「何をしている人で何故訪問する事になったのか」「彼の生きる上でのゴールは」のような、ペルソナの背景のストーリーが薄かったように感じた。下記は以前私が別件でマッチングサービスを調査した際のサービス利用ユーザーの共感マップである。サービス利用時の調査というよりは、置かれている環境や本質的な目的を考察できていたように感じる。今回に関しても背景をこれくらいの粒度でヒアリングできていれば提案がもう少しユーザーの本質に迫ることができたのかもしれない。

※別のサービスで作成した共感マップ

[上位下位関係分析]
上記の共感マップのような事を踏まえると理想の上位下位関係分析は下記のようになったのではないかと思う。ポイントとしてはスキマ時間をどう過ごしたいかや過ごしているかだけにフォーカスするのではなく、もう少し幅広くペルソナの生活背景や生きる目標のインサイトを得ようとしているところにある。

※今回のサービスの上位下位関係分析の別案

[社会的背景]
今回JVCケンウッドのアセットを利用することばかりに注意が引っ張られてしまい、時代背景など全く考慮に入っていなかった。そのサービスによって社会的な課題をどう解決するのかという前提条件が無いのだ。ユーザーの課題が浮かび上がってくると、連動して時代背景、国や地域レベルでの課題が見えてくるはずである。その課題感がビジョンとなり事業を成すためのエンジンとなる。今回我々の提案したサービスは、ユーザーにとっては「時間潰し」であり、企業側にとっては「小銭稼ぎ」にしかなっていなかった。これがFBで頂いた「しょぼい」の理由だと理解している。(現在のJVCケンウッドの事業規模に対して想定される収益が低すぎることも問題ではある。)

ユーザーニーズからの社会課題の掘り下げ例
より高度なキャリアを求めるユーザー
→グラフィックデザイナー・WEBデザイナーの年収の低下
 →デザイナー年収の二極化
  →国内でのブルーカラー人材の淘汰
   →国内IT企業の時価総額の低さ(他国比較)
=国内のホワイトカラー人材不足。育成の遅れ。


[お金を使わないユーザー]
今回の提案のユーザーニーズは「カフェでコーヒーを飲むより安い値段で休憩をしたい」だと定義してしまっていた。FBとしては「そんな顧客がお金を落としてくれる訳がない。」だった。確かに、それはそう。しかしもっと芯を食ったFBを頂くことができ、「お金を使わないユーザーは何にお金を使っているのか。過去に使わなくなった原因があるか、他のところへお金を使いたいために余計なところには使いたくないという考えがあるはず」というものだった。自分では気づくことができなかったが、確かにこの学校へも少なからず自腹で参加している。深センへも自腹で参加した。昨年の前半にはプログラミングやライティングの学校にも自費で参加をしている。自分の生活費以外の出費を振り返ると、主に下記の3つの部類には出費をしていることに気がついた。自己投資、健康維持、娯楽体験には積極的な出費を行っていると考えて良いだろう。この気づきができていないのは完全にインタビュー時の何故何故の掘り下げが足りていない結果である。

出費傾向
自己投資・キャリアアップ
 ・英会話/プログラミング/ライティング/デザイン
健康にまつわるもの
 ・歯列矯正/スポーツジム/永久脱毛
娯楽等
 ・飲み/カラオケ/映画/コンサート/TVゲーム/旅行

授業に対しての考察

前回の授業で感じたこととほぼ近いが、今回の講義の冒頭にノーマンのダブルダイアモンドモデルの話があった。課題設定と課題定義からの施策提案をどのように行っていくかという話なのだが、一旦今回の一連の授業の中でユーザーからインサイトを得る手段を使っての定性的なな課題定義についてはぼんやりと見えてきたものの、後半の施策の提案というところに関しては弱いなと感じることが多い。だが毎回授業で、前回のワークショップの内容が次回授業の成果に大きく関連してくるように、課題定義こそがアウトプットの質を決める本質であるとも言えるため、提案がイマイチだと感じるということは課題設定の部分で詰められていないということなんだなとも思う。

自分が本質的に得たいもの

前回も結局は提案したサービス質をどうスコア化するかのようなまとめになったが、結局はUXを学びたいと考えた時に書籍などでも学ぶことはできるが、自分のアウトプットの質がどうなのかを判断する軸が無いからお金を払ってこういったワークショップに参加し、批評を頂けることに価値を感じているのだなと思った。学習は独学でも可能だが、己が成長したかどうかの評価は単一では測れない、それを得ることに価値があるのだなと思う。

自分が何に対価を払っているのか。それはサービス名ではなく本質的な価値として。その辺りを客観的に分析できるようになってくるとサービス提案に関してももっと精度が上がってくるのではないかと感じた。グラフィックデザインを学ぶ時でも、電車の中吊り広告を見ながらフォントやマージンを分析したように、生活する中でサービスに触れ常に問を立てる癖をつけることが大切なのではないだろうか。身を置く環境や自身のライフワークの中にどう学びの瞬間を取り入れるか。それは上記のように普段の癖でもいいし、学校でもいい。ただビジネス、デザイン、テクノロジーみたいなそれぞれの領域を一定頻度でアップデートできるコミュニティなり方法を自分の中で定義しておくことは今後生きる上で重要性を感じる

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