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パート②|厳選10冊!日本を学ぶときに私が読んだおすすめの本

今回は、前回に続きまして、後半の5冊をご紹介します!
前半の5冊はこちらの“パート①”にまとめていますので、合わせてご覧くださいね✨


|後半戦!おすすめ5冊をご紹介!

それでは、お気に入りをどんどんご紹介していきます👉


5、『日本文化の核心「ジャパンスタイル」を読み解く』
知の巨匠、松岡正剛氏がジャパン・フィルターを通して語る日本文化の正体✨

難しい書籍が多い印象の松岡正剛氏ですが、
こちらの本はまるで流れる講義のよう。
日本文化にまつわる興味深いテーマが次々と解説されていきます。

「へぇー!そうだったのか」と印や線を引きながら読みました。各章のタイトル部分にこだわりのデザインがあしらわれており“粋”を感じる1冊です。

はじめに から、引き込まれる面白さなので、一部引用します。

私はそれをジャパン・フィルターというふうに名付けました。なかでも客神フィルター、米フィルター、神仏習合フィルター、仮名フィルター、家フィルター、かぶきフィルター、数奇フィルター、面影フィルター、まねびフィルター、経世済民フィルターなどが有効です。本書で点検してみてください。

日本文化の正体は必ずや「変化するもの」にあります。神や仏にあるわけでも、和歌や国学にあるわけでもありません。神や仏が、和歌や国学が、常磐津や歌舞伎が、日本画や昭和歌謡が、セーラー服やアニメが「変化するところ」に、日本文化の正体があらわれるのです。それはたいてい「おもかげ」や「うつろい」を通してやってくる。これがジャパンスタイルです。

松岡正剛『日本文化の核心』はじめにより

このあと第一講〜第一六講まで
「柱を立てる」
「イノリとミノリ」
「型・間・拍子」と本編が続きます。

おすすめは第八講。
「小さきもの 一寸法師からポケモンまで。日本的ミニマリズムの秘密」というテーマで、日本人が小さきものに感じる美しさの背景を紐解きます。

気になる章だけ読むこともできるので、何か興味があるキーワードがあればぜひ眺めてみてください◎


6、『日本人の自然観』
物理学者でもある寺田寅彦の、科学と文学を調和させた随筆

わずか30ページ程の随筆なのですが、読んで良かった1冊です✨
届いたときはあまりに本が小さく薄かったので驚きました笑

寺田寅彦、名前だけ聞いたことがあったものの何をした人か知らず…。
何かの本で出てきて(なんだったか思い出せないのですが…)、タイトルに惹かれて読みました。

kindleでは無料で読めるみたいです👇

印象に残った箇所のひとつ、
「天気」について、自分の中の当たり前が少し変化した部分をご紹介します🌞

このような理由から、日本の気候には大陸的な要素と海洋的な要素が複雑に交錯しており、また時間的にも、周期的季節的循環のほかに不規則で急激活発な交代が見られる。すなわち「天気」が多様でありその変化が頻繁である。

雨のふり方だけでも実にいろいろさまざまの降り方があって、それを区別する名称がそれに応じて分化している点でも日本はおそらく世界じゅう随一ではないかと思う。試みに「春雨」「五月雨」「しぐれ」の適切な訳語を外国語に求めるとしたら相応な困惑を経験するであろうと思われる。

これに限らず、人間と自然を引っくるめた有機体における自然と人間の交渉はやはり有機的であるから、たとえ科学気象学的に同一と見られるものでも、それに随伴する他要素の複合いかんによって全く別種の意味をもつのは言うまでもないことである。そういう意味で私は、「春雨」も「秋風」も西洋にはないと言うのである、そうして、こういう語彙自身の中に日本人の自然観の諸断片が濃密に圧縮された形で包蔵されていると考えるのである。

寺田寅彦『日本人の自然観』日本の自然

そして締めがカッコよくてしびれました。

私は、日本のあらゆる特異性を認識してそれを生かしつつ周囲の環境に適応させることが日本人の使命であり存在理由でありまた世界人類の健全な進歩への寄与であろうと思うものである。

世界から桜の花が消えてしまえば世界はやはりそれだけさびしくなるのである。

寺田寅彦『日本人の自然観』結語

他にも土地、住居、食べ物、精神性の話などご紹介したいのですが…
すべてを引用してしまいそうなので次にいきます!笑


7、『唯識・華厳・空海・西田』
東洋哲学の空間的・時間的なつながりを照らし出す壮大な書

「関係性」を人生の研究テーマにしている私にはたまらない1冊📕

タイトル通りの順番で、
唯識から華厳、華厳から空海、空海から西田幾多郎…
このような思想の関係性を解説してくれます。
おまけに鈴木大拙の章もついています。

「はじめに」の内容がとにかく濃くて、
濃いというのは凝縮され情報量が多いという感じなのですが、

ここを理解できたならば、
本全体の8割くらいはクリアしているのではないかと思えるほどおすすめです!(いつか「はじめに」をまとめた記事も書きたいと思います✨)

テーマごとに個別の専門書はありますが、
このように全てを包含して関連性や双方に与えた影響という観点から読み解いていただくと、世界を広く見られるようになって楽しいですね🌏

こちらの本を書いてくださった竹村牧男先生に
感謝の気持ちでいっぱいです✨


8、『日本の謎は「地形」で解ける』【日本人の起源篇】
歴史の常識がひっくり返る面白さ。地形シリーズの最新作

2017年に参加したイベントの講演で、偶然知った竹村公太郎先生。

これまで誰からも聞いたことがない、
「地形」という切り口からあらゆるテーマを考察していくスタイルに
すっかり惹かれてしましました。

土木の専門家で、ダムや河川の仕事をされてきた竹村先生。
定説とは全く異なるアングルから、目から鱗の謎解きを展開されています。

今回の内容は、日本語、人類の二足歩行、日本人とピラミッド、日本人とロボット、東京湾などなど…。

同じテーマでも、見方を変えると
こんなにも見える世界が変わるのか〜
という面白さを体験できるシリーズだと思います🔍✨

おまけ
歴史嫌いの私が、あまりのおもしろさに思わず全部読んでしまったシリーズはこちら👇

もし迷ったら…
最初に出たものか、
今回紹介した最新のものがおすすめです!


10、『世界は「関係」でできている』美しくも過激な量子論
東洋と科学がつながる、量子論の核心にせまる一冊

いよいよ最後の1冊になりました…✨
最後が一番、日本っぽくない本かもしれません。

こちらはイタリア生まれの理論物理学者
カルロ・ロヴェッリ氏の著作です。

「量子物理学に馴染みが薄いが理解したいと考えている人」のためにまとめられているので、量子論の世界ものぞいてみたいという方にもおすすめです。

最後に日本語版解説がついているのですが、
そこから衝撃的だった箇所を引用して終わります。
「え、なんだ、そうなの!?」となりました。

この本の最大の魅力は、おそらく、色即是空と現代物理学の共通点をわかりやすく説き起こした点にある。

物理学を学んだことのない読者には、現代物理学は哲学である、という強いメッセージが伝わったはずだ。

『世界は「関係」でできている』日本語版解説 竹内薫

というわけで、厳選したおすすめを紹介して参りました。
いかがでしたでしょうか✨

こうやって並べてみると、
日本への理解の深め方も、
歴史に限らずいろんな切り口があるな〜とつくづく思います。

今後、今回紹介した本の中から、
あまりにおもしろかった!というものは中身を深掘りしてご紹介していこうと思います✨

そして、4月の入学に向けて、
徐々に仏教や密教の学びもスタートしています。
そちらのシェアもお楽しみに。


最後までお読みいただきありがとうございました!

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