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ちょっとブレイク「春の土鍋」新生姜のヨモギごはん

土鍋で炊く新生姜のヨモギごはん

我が家の春の十八番。コッチョリーノのミニ土鍋に研いだ1合弱の米、新生姜の千切り、塩少々を入れて炊き、さっと湯がいて刻んだヨモギをあえるだけ。

土鍋ふたの煙突から煙が出たら極弱火で13~15分。ヨモギごはんのときは香りを活かすためにいつも入れる昆布はなし。ヨモギを片手ひとたばぶんくらい摘んで、さっと茹でアク抜きして水気を絞ったら細かく刻み、炊けた生姜ごはんにまぜるだけ。

ちなみに、イタリアにもヨモギの植生群があり、伊友人がフリット(天ぷら)にしてくれたことがある。春のイタリアの太陽はどうにも元気すぎてぐんぐん成長してしまい、ちょっと硬かった。どの世界でもアクの強い雑草は、毒物が転じた薬草として我らにエネルギーを与えてくれる。

都会のおかしなわがまま

近くのちいさな小川または河川敷までジョギングのついでに摘みにいくのが例年の習慣だったが、数年前から毎朝つかう分だけ手軽に摘めたらなぁという“都会のおかしなわがまま”を満たすため、よもぎを移植して、あえて庭に雑草を増殖させている。広大な自然にかこまれた地域の方々には、なんとも滑稽な話であろうが、こうすれば、毎朝つかう分だけパジャマ姿で、新鮮かつ衛生的な雑草が食べられる。(この手法で10年ほど前に蚕のために小川の桑の葉を植えたら何千粒もの桑の実がなる樹になってしまった)

ある年はドクダミが勢力をにぎりはびこったため、2年分以上のドクダミ茶を作ったのは記憶に新しい。根こそぎとってしまった後の数年は植生が変わる。今年はカラスノエンドウがはびこっている。

どんな世界でも、勢力がかたよる。自然にまかせるのは原理であるけれど、わたしたちの世界における「かたより」や「偏見」は、しっかりとした目で判断していきたい。ものづくりの世界でも、マスメディアやエコノミーを介した偏りは否めない。我が家の「雑草庭」を見ながら、本当はみなに平等に訪れてほしい春に拍手をしながら。


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