【多すぎ】Webディレクターに求められるスキルとツール総まとめ
TANAYAN (タナヤン) こと、Webディレクターの田中です。
本記事では、「Webディレクターで求められるスキル」として、私が勤めているWeb制作会社で実際に採用されている「評価基準」も参考にしつつ紹介します。
これからディレクターになりたい方向けにも、抜け漏れなく総まとめ的に書いているつもりです!
追記:
公開後、Web制作者なら誰もが知っているhttps://muuuuu.org/を運営しているムラマツさんにも取り上げていただいたのもあり、非常に好評をいただいてます。ありがとうございます!
軽く自己紹介
私は、Webコーダー1年、その後Webディレクター2年、計3年ほどWeb制作に携わっています。歴は浅いものの、一通りの型・方法・進め方は知れたかなという感じです。逆に言えば、型を知ったら型を破るような、自分なりのディレクターを模索中です。
勤めている会社は?
現在勤めている会社は、「仙台 ホームページ制作会社」で調べると、まとめ記事を除いて3番目あたりにでてくる、設立10年以上の宮城県仙台市のWeb制作会社です。会社として個人の名前を出す文化が無いため会社名は伏せますが、社員ブログ、フォロワー1万人越えのデザイナーチームによるX (Twitter) 、WordPress特化型メディアサイトの運営など、「もしかしてここかな?」と思ってもらえるくらいの発信はしているつもりです。
まずは、下記の「目次」より、ざっと一覧的にご覧下さい。
Webディレクターで求められる必須スキル (14選)
特化型になるためのオススメのスキル (4選)
使えると幸せになれるかもしれないツール・スキル (5選)
その他、あったら楽になるかもしれないモノ
Webディレクターで求められる必須スキル
さっそく必須スキルからご紹介します(順不同)。
これらは、Webディレクターに限らず、あらゆる職種において求められるスキルだと思います。細かく分類しているものの相互に作用するスキルでもあるため、まんべんなく意識するのがオススメです。
以下、詳しく説明していきます。
※各項目ごとに「普段から意識すること」を記載しています。ここには、私の勤める会社の実際の評価軸・成果の指標としても取り入れている内容でもあります。日々の業務や学習に活用してみてください。
①プロジェクトマネジメント力
「プロジェクトマネジメント力」とは、プロジェクトの成功に向かって、QCDと呼ばれる3つの軸「品質(Quality)」「費用(Cost)」「納期(Delivery)」を中心に管理する力とよく言われます。
Web制作に置き換えると、
品質(Quality):
デザインの良さ、アクセシビリティ対応、表示速度、保守の容易さ、レスポンシブ最適化、制作中のコミュニケーション体制、公開後のサポート体制、などなど。品質を求めるとキリがないほどありますね。費用(Cost):
上記のような品質を予算内でどれだけ調整できるか。赤字だとしてもやるほうが良い場面での「調整力」だったり、できない事はできないとはっきりするといった「決断力」も重要です。納期(Delivery):
制作が滞り公開日が遅れるなんてことはあってはなりません。逆に、品質向上のために納期をあえて延ばすことも時には必要です。
これらに注意しながら、プロジェクトの進行やチーム全体を円滑にコントロールします。
-- 普段から意識すること --
進行管理のルール策定とアップデート:
ディレクターだけというより、社内全員で密に決めるべきルールでもあります。プロジェクト全体をどう進めていくべきか、日々アップデートが必要です。そのアップデートは、制作チームの意見をもとにディレクターが決め、周知し、実行・改善していきます。タスク管理:
ルールを決めたのであれば、それに則って管理を実行する必要があります。制作チーム(デザイナーやコーダー)が制作に専念できるようにタスク管理ツールを活用し続けます。
②提案力
「プレゼン力」とも言えるかもしれません。
クライアントのビジネスを理解した戦略的な「立案力」、クリエイティブなデザインの「アイデア力」、他人のデザインに対する「意見力」など、さまざまな要素に結び付きます。コンペの勝敗も、この提案力にかかってきます。
例えば、数年前に手掛けたサイトについて、「閲覧数が落ちてますね。○○を改善すると良くなるかもしれません」などと提案ついでにクライアントに久々に連絡をすることで、クライアント自身は「作ったままにせず、気にかけてくれてたんだ」となり、それが次の仕事に繋がったりすることもあります。「営業力」とも言えるかもしれませんね。
-- 普段から意識すること --
クライアントのビジネスを理解する:
クライアントのビジネスがどんなビジネス構造なのか、どうマネタイズしているのかなどの理解が無いと、提案も何もできません。様々な業界のWebサイトを見つつ、サービスやビジョンなどのページも一緒に見ると良いでしょう。他人が制作したものに対して最低1つのフィードバックをする:
例えば、他のディレクターが作成したワイヤーフレームに対して意見を言ったり、より良くなるためのアイデアを提案したり。これには、普段からいろんなサイトを見て、なぜその構成にしたのかなどを問う訓練をしておくことで、即座に提案できるようになります。
③交渉力
スコープと予算の調整であったり、何か問題が起きた際の解決力、スケジュール進行を管理する際など、さまざまな側面に影響してくるスキルです。
Web制作では、クライアント、デザイナー、開発者、ライター、マーケティングチームなど、さまざまな人とのコミュニケーションが必要です。その際に「交渉力」を用いることで、異なる意見や要望を調整し、協力・信頼関係を築くといったことも可能です。
制作チームに対しても、「ごめん!急ぎでお願い!」的なことを良く言いますが、この時”どう言うか”ですね。
-- 普段から意識すること --
セミナーへの参加:
交渉となると即時判断なども必要であり、実践が必要です。それらが体験できるセミナーがあれば、どんどん参加してみましょう。交渉術に関する本の購読:
弊社としては「戦略的交渉入門」という本をオススメされています。
④問題解決力
「課題解決力」とも言えます。
Webディレクターとは、クライアントが抱える課題を見つけ、それをWebサイトに落とし込み、Webサイトでその問題を解決する仕事とも言えます。
依頼してくるクライアント自身が課題が何なのか分かっていないことも多く、こちらが発見してあげつつ、その課題は本当に解決すべきなのか・しなくてもいいのかも考えます。
解決すべき問題であるならば、具体的なサイト戦略として落とし込み、サイト戦略に沿ったサイトマップや画面構成の作成、デザイン、実装、キャッチコピー制作などを指示する必要があります。
制作中においても、スケジュール通りにスムーズに進むことは稀です。スケジュールが遅れたり、予期せぬバグで機能しなかったり。そんな「うわっ…どうしよう…」となったときに即判断してロスの無いよう進めていくためにも必要なスキルです。
-- 普段から意識すること --
思考法の策定:
例えば「3C分析」「SWOT分析」など。どうやって問題を見つけ、どう解決するかは、フレームワークに頼るのがオススメです。案件毎のイシューツリーの作成:
イシューとは大まかに捉えれば「考えるべき問題」です。そもそもどの問題を解くべきかをしっかり考えることが大切で、顕在的・潜在的な問題の全体像を可視化するために作成します。また、イシューツリーを作成することで、関係者とも共有がしやすくなります。他人が制作したものに対するフィードバック:
「提案力」と被ります。問題を見つける力が無ければ提案もできないという相互的な関係です。
⑤ファシリテーション力
「ファシリテーション」を簡単に言えば、打ち合わせなどでの「司会進行」ですね。もっと言えば、その会議・集会の目的を達成するための「舵取り」を行うことでもあります。
単に議題に沿って機械的にミーティングを進行するだけでは足りず、場の空気をつくったり、適切なタイミングで適切な問いを投げる「問う・聞く力」も必要です。
その場の空気作りであったり、アイデアが飛び交うような進行の運び方も求められます。
-- 普段から意識すること --
打ち合わせ前のアジェンダ作成:
サイトの「目的」「ゴール」があったとして、であればどんな流れで進めるか。何も用意しないで打ち合わせをするのは熟年の技です。話すことの抜け漏れを発生させないためにも、あらかじめ作成し共有するのが良いでしょう。打ち合わせの進行:
まさにファシリテーション力が試される場ですね。例えば、「かっこいいサイトを作りたい」と抽象的に要望されることが多くありますが、そもそも「かっこいいとはに何か」という具体的なレベルに落とし込み、であればどんなサイトがいいのかなど、具体と抽象を整理しながら問い進めていく必要があります。ただし、「かっこいいとは具体的にどんな感じですか?」そのまま聞いても具体的な答えで返ってこないことがほとんどです。この時、イメージに近そうな実際Webサイトを見せるのか、他の言葉で聞いてみるのか、準備しておくのもいいと思います。
⑥分析力
「インプットからのアウトプット力」や「分析提案力」とも言えます。具体的には、
サイトの問い合わせが伸びない原因の特定
良いとされているサイトがなぜ良いのか
GA4などの数字を見てどう改善すればいいのか
など、数字を単なるデータとして見るのではなく、まずは仮説を立てることが大事です。
-- 普段から意識すること --
案件や調査の際は、仮説立てを行う
GA4などの分析ツールの勉強
レポートなどを簡単するためにツールやAPIを活用して、テンプレート化を策定
⑦ロジカルシンキング
誰しもが知ってはいるものの難しいと感じるスキルではないでしょうか。ここまで紹介したスキルも、結局はこのロジカルシンキングができているかどうかで変わってくるくらい重要なスキルだと思います。
-- 普段から意識すること --
ロジカルシンキングの本を読む:
ロジカルなフィードバック:
単なる自分の感覚や好みでフィードバックするのではなく、ロジカルにフィードバックしてみます。案件毎のイシューツリーの作成:
案件があるごとに、イシューツリーなどを用いて、抜け漏れが無いか、論理があるかどうか、作成し確認します。
⑧傾聴力
傾聴力とは、他人の話に注意深く耳を傾け、理解しようとする能力です。単に聞く行為ではなく、相手の言葉・感情・意図・背景・価値観などを理解し、適切に対応するスキルです。
「聞き方が9割」などという本があるくらい重要な要素であり、コミュニケーション力の根本といってもいいかもしれません。
傾聴力があることで、クライアントの要求の理解、ユーザーの声の収集とユーザー体験の向上、チーム内の円滑なコミュニケーション、問題の本質理解と解決策の立案などにも繋がります。話す事がメインの営業職であっても、答えを上手に引き出す力は必要です。
また、自分が相手のことを傾聴するためには、相手の話への興味と聴く意思があることを示す必要があり、それには、自分の普段の「態度」や「接し方」なども意識する必要があります。
「自分は口下手だし、話をするのは得意ではない」と感じてる方は多いと思いますし、私自身もそうです。一見、話せるディレクターのほうが強そうですが、聞けるディレクター・聞き役に徹することのディレクターも戦えると私は思っています。無理に「話し上手」になろうとするのではなく「聞き上手」を意識するのも、手かもしれません。
-- 普段から意識すること --
本の購読:
※「聞き方が9割」、ケイト・マーフィの「LISTEN」、D・カーネギーの「人を動かす」など様々あります。ヒアリングシートの策定・活用・アップデート:
クライアントに対しては、「質問力」も傾聴力の一部。的外れな質問は、クライアントに対しての傾聴ができていない証にもなります。フィードバックをもらう:
例えば「Webを実際に見るユーザーはどんなふうに思っているのか」や「他のディレクターやデザイナーはどう思っているのか」など。聴く機会があれば聞き、その都度振り返り、上手くいった点や反省点を次に活かすことも傾聴に繋がります。
⑨言語化力
言語化力は、思考やアイデアを明確かつ効果的に言葉で表現する能力です。コミュニケーションスキルの一部でもあり、自分の考えや意見を他人に伝えるために重要です。
例えば、デザイナーへデザインを依頼する時。参考サイトを見せ、「このサイトみたいにカッコいい感じに」と抽象的なデザインテイストのみを伝えるだけでは、ディレクターとして弱いです。参考サイトを「かっこいい」と思った理由、「美しい」と思った理由、逆に「ダサい」と思った理由など。これらに加え、これから作るサイトにはどのような意図や目的があってどのようなデザインをして欲しいのか、「言葉」で伝える必要があります。
-- 普段から意識すること --
文章での共有
打ち合わせの内容を文面にして共有する。言語化した資料の作成
誰かにお願いする前に、なぜお願いするに至ったかをまとめて言語化した資料を用意する。感想・抽象的ではなく具体的に
Webでも映画でも、他人の制作物を評価をするときに単なる感想にせず、かつ抽象的な言葉を使わずに説明してみる。
⑩コミュニケーション力
総じて必須です。
正直、このスキルが無いと、ここまでのスキルが台無しになることもあるくらいのスキルだと思っています。
というのも私自身、話すこと・他人と関わることが苦手なディレクターです。それでも上司からは、コミュニケーションスキルは無理してでも磨けと言われます(「無理に」というのは、苦手なのは十分承知してるけどこのスキルだけはどうにか頑張ってくれって意味で、強要されてるとかではないです。愛です笑)
これは思うに、「他で秀でているスキルが半減するから」です。私自身よくあるのが、ロジカルに考えて情報収集・分析して文章や資料にしたものを見せると「良いじゃん!」ってなるのですが、それを持って話すと「???」という場面がよくあります。。。
せめて、話すこと・誰かと接することに対して「苦手」を「普通」にするだけでも、他のスキルを潰す事はないでしょう。
-- 普段から意識すること --
コミュニケーション講座の受講やセミナーへの参加、本を読む。
打ち合わせの同席を増やす(たとえ上司と一緒だとしても、強制的に人と対面する機会を増やす)
相手の話をしっかり聞く(傾聴力)。
自分主体ではなく、相手にちゃんと伝わるようにするための言葉選びや方法を考える。
話す前に、自分が伝えたいメッセージや目的を明確にする。話す内容は必要最低限に絞り、余計な情報が無いか改めてみる。
⑪人間関係構築力
他人との良好な関係を築くための能力です。他人との協力関係を維持したり、プロジェクトの円滑な進行や成功をするためには重要な要素です。
あなたしか持ってないような特殊な専門スキルをたとえ持っていても、人間関係を調整できるスキルがあるからこそやっと仕事として成り立つと思います。裏を返せば、言ってることが分からない人、不親切な人、約束を守らない人、愛想のない人とは、一緒に仕事したくない、ということです。
ディレクターでいる以上、「仕事が勝手に降ってくる状態」「もしもの時に誰かが助けてくれる状態」は理想です。こうなるにはやはり人脈です。
人脈といっても、たくさんの知り合いがいるという意味ではなく、日頃のチームや他社クライアントへの「思いやり」や「ちょっとした気遣い」だと思います。顔は狭くとも「丁寧な仕事」をしていれば、誰かが繋げてくれるはずです。日頃から意識しておくだけで、人間関係構築力はついてくると思います。
-- 普段から意識すること --
他人からのフィードバックを建設的に受け入れる姿勢
他人の立場や感情を理解してみる
「丁寧」を極める
⑫リーダーシップ
「指導力」「統率力」なんとも言いますね。かの有名なドラッカーは、リーダーシップについて「仕事・責任・信頼」という言葉を使って定義しています。
より具体的に言うと、『目標達成のためのビジョンを示し、ビジョンを実現するための手段を定め、関わるチームのモチベーションを維持し、問題となる部分があれば責任を持つ。結果、信頼が得られる。』のような感じでしょうか。
「いつ、どのように」という具体的な管理能力というよりは、「どんなビジョンに進んでいくかの道を示す」といったより長期的な視点のスキルになると思います。
-- 普段から意識すること --
打ち合わせの前に想定される質問への答えを用意しておく(頼られるという意識)
仮説立てを行い、それを実行に移す(ビジョンの設定と決断)
自分が少しでも関わったプロジェクトに対して責任を持つ
自分の言動や印象を磨く(他人からの信頼と尊重)
⑬情報収集力
Webのスピードは速いです。新しいツール・技術がでてきたり、逆に突然使えなくなったり。私は昔のWeb業界をそこまで知りませんが、10年以上Web業界にいる方に話を聞くと「そんな手間のかかることやってたの?」と驚くことばかり。
これらに適応するためにも、新しいトレンド追跡や技術の変化をすばやく察知し、都度、自分やチームの情報を更新していく必要があります。
余談ですが、クライアントとの打ち合わせの際も、最悪”にわか”でもいいので、Web技術の事や時事ネタを持っておくと、「そんなこともできるですね!」と言われたり、雑談のネタになったりしますよ(笑)
もちろん真面目に、クライアントが時代遅れな要望をしてきた場合は、しっかりと事実を元に意見ができるので、結果的に信頼に繋がることもあります。
-- 普段から意識すること --
AIの活用
ChatGPTを始め、昨今のAIはすごいですよね。知識だけで見れば、AIに叶いません。AIでサイトが作れちゃう時代ももうすぐそこに来ている気がします。ディレクターとしても、ちょっとした提案書作成や戦略考案にも使えますので、どんどん使うことをオススメします。Awardやギャラリーサイトなどでのトレンドの追跡
「Award」とは、最も優れたWEBサイトを選出するプラットフォームです。いわゆるWeb業界の「賞」ですね。「AWWWARDS」「FWA 」「CSS Design Awards」などが有名です。少し芸術寄りなサイトもあるため、ビジネス寄りなサイトを作る場合はあまり参考になりませんが、Webのトレンド把握のためにも見ておくことをオススメします。Webサイトに関する最新情報・技術の情報収集
日頃から調べる癖をつけたり、フィードリーダーやソーシャルメディアを使って、強制的に情報が入ってくる仕組みなども取り入れてみるといいかもしれません。
⑭感情抑制力
「アンガーマネジメント」なんて言われますね。簡単にいえば、怒りの感情と上手く付き合うための方法です。
やはり誰かと仕事をしている以上、イラっとすることはあります。クリエイティブにおいては特に、お互いが良いモノを作りたいがために衝突することもあると思います。そこで感情的になると思考がロックされてしまうため、良いものを作りたくても作れません。
アンガーマネジメントを身につけて入れば、「仕事を依頼しすぎたかも」「管理方法が甘かったかも」といった別の視点を持つこともできます。
また、怒りという感情は周囲にも波及するため、職場内にも悪い影響を及ぼす恐れもあります。自分自身が感情的な人というレッテルを貼られてしまっては、「あの人に相談してもな…」ということで仕事を失う可能性もあります。
総じて、仕事である以上、怒りとはうまく付き合うほうがお得です。「6秒ルール」なんてものもあるので、気になる方はぜひ調べてみてください。
-- 普段から意識すること --
アンガーマネジメントに関する本の購読やセミナー受講
他人からのフィードバックを素直に受ける
他人が思う自分を知ることで、自己理解に繋がり、自分が怒る引き金を知ることにも繋がります。スケジュール管理・タスク管理
意外かもしれませんが、スケジュールを適切に管理することで「余裕」が生まれ、結果的に怒りの発生を減らせたりします。ポジティブ思考・他人への感謝
嫌なことをポジティブへ変換してみたり、普段から感謝を意識することで、怒りの感情のコントロールがしやすくなると言われています。声に出さずとも、感謝日記をつけるなど、ポジティブな習慣を取り入れてみましょう。
特化型になるためのオススメのスキル
ここまでは基本編であり、全ディレクターがある程度身につけておいて損はありません。かつ、やはり何かに強いディレクターは頼られる場面が増えます。「あなたはどんなディレクター?」と聞かれたときに答えられるように、以下4分野からオススメします。
UI/UXのスキル
マーケティングスキル
ライティングスキル
コーディングスキル
①『UI/UX』のスキル
いわゆる『デザインを知ってるディレクター』です。
Webはどんなに戦略が良くても、どんなに裏側が完璧でも、デザインが悪いとそれは「イケてないサイト」としての評価が下ります。その核となるデザインを知っている・できるディレクターは、やはり強いです。
もちろんディレクターとして重要なのは、デザイン前段階の戦略構想だったりコンテンツの立案になりますが、それらを考えていると同時に、実現のためのデザインもイメージできていると、プロジェクトがより円滑に進むと思います。
-- 普段から意識すること --
デザインに関する本を読む
デザイナーが主催しているミーティングへ参加する
1日1サイト、ギャラリーサイトのデザインを見て言語化する
実際にデザインをしてみる
②『マーケティング』スキル
「広告に強いディレクター」です。
世間的にWebは「広告」のカテゴリーです。クリエイティブな仕事と思われがちですが、企業のサービスを売るための「広告媒体を作る仕事」といった方が正しいかもしれません。
そのため、マーケティング手法は知っておいて損の無いスキルです。特化スキルとして分類しましたが、全ディレクターが身につけておいて損の無いスキルとも言えるでしょう。
Webは「SEO」が大事と言われますが、単に作ってそれなりのSEO対策をしただけでは成果が出るはずも無く、成果のある継続的なSEO対策が必要です。ここでいう「継続」してサイトへの流入をユーザーにしたもらうかは、マーケティング手腕のひとつでしょう。
また、広告を回さずとも集客できる術やSNS活用術などで、いかにして出来上がったWebサイトを使って商品を売るかどうかをも知っていると、より提案力があがります。広告費は高いですからね。
実際に広告を出稿するとしても、リスティング広告や各SNS(FacebookやTwitter)の広告における設定やキーワードの選定などが必要です。ランディングページ制作においては特に、「このキーワードで広告打てば成果が出そうだ」と仮定して作ることもあります。
-- 普段から意識すること --
Webマーケティングの本を読む
デジタルマーケティング関連の本を読む
何事においても仮説と検証を繰り返す癖を身につける
SNSを実際に運用してみる
少額でもいいので、SNS広告やリスティング広告を実際に出稿してみる
SEOに関して数字をもとに試行錯誤してみる
③『ライティング』スキル
Webに文字はつきもの。情報を見るためにWebサイトを訪れるユーザーがほとんどと言われており、この際に、わかりやすい文章でわかりやすくまとまってると、サイトがグッと良くなります。ここで言う「グッと」は、そのサイトの構成を考えたディレクターの文章力だと思います。
LP作成においてはキャッチコピーを考案したり、コーポレートサイトではクライアントのサービスや商品の情報をまとめたり、採用サイトにおいては社員インタビューをして文章化するなんてこともあります。
加えて、ライティングスキルを磨くことで、制作チームへ連絡する際に分かりやすく文章を組み立てることができたり、ドキュメントのまとめ方などにも影響してくるでしょう。
-- 普段から意識すること --
ライティングに関する本を読む
ブログを書く、運営し続ける
他人の書いた記事を添削・編集する
④『コーディング』(コードを読める) スキル
「裏側を知っているディレクター」です。
以下のような言語を、ある程度読めるくらいがオススメです。
HTML
CSS
JavaScript
PHP(主にWordPressを扱うための記述)
コードを知っていると、例えばクライアントと話す際、「実装可能かどうかの判断ができる」「予算に応じて実装手段を選定できる」というのも利点です。「できるかどうかわからないので確認次第折り返します」ではなく、「それは可能です」「それだと工数がかかるので、この方法だとどうですか」などとその場でズバッと言えるようになります。
また、Webサイトは更新して改善を繰り返すことがほとんどですが、可読性の悪いコードだと改修が難しくなります。コードを知っていることで、制作段階でコードのクオリティを自分の目で担保できるようになります。
もちろん、コードを書けるからと言ってすべてをやってしまってはチームである意味が無くなります。ディレクターとコーダーの間で差分(ファイル内容の違い)が出てしまうというトラブルにもなりかねないので、ある程度のメリハリは必要です。
ちなみに私は、元コーダーというのもあってある程度は理解できるため、テキスト変更などのちょっとした修正は自分でやってしまいます。これができると、修正依頼などのスピードが段違いに早くなるので、クライアントから喜ばれることも。。。
ただ、個人的には、昨今のAIの出現によって、あと10年ほどでコーディングの仕事はなくなるか、もしくは逆に学習コストの高い技術が求められるか、いずれかになるだろうと思う場面がちらほら増えてきました。なので、ディレクターを目指してコードを学ぶなら「触り程度」でもいい気がします。
Webで働くなら使えると幸せになれるかもしれないツール&スキル
ここからは、ディレクターとして普段から目にする内容・作成物・ツール群です。かなりのボリュームになりそうなので詳しくは書きませんが、気になった方は調べてみてください。
Webに関する基礎的な知識
ディレクターと言えど、サーバーやWebの仕組みといったWebの裏側を扱うこともあります。ほぼ共通認識として会話が進むので、知っておいたほうが良いでしょう。
サーバー
ドメイン・サブドメイン・ディレクトリ
ブラウザ(Chrome、Edge、Firefox、Safari)の種類や特徴
デバイス(Android、ios、Windows、Mac)の特徴やそれぞれの挙動
検索エンジンの仕組み、SEO
cookieやGDPR
キャッシュ
metaタグ(title、description、OGPなど)
画像の形式(jpg、png、WebP)
CMS(WordPressなど)の特徴や内部構造
MySQL(データベース)
「STUDIO」などのノーコードツール
ディレクターが主に作成するモノの作り方
ワイヤーフレーム(WF、画面設計図)
スケジュール
サイトマップ
サイトの仕様書
見積書
請求書
分析ツールの活用
Google Analytis 4 (GA4)
Google Tag Manager (GTM)
Search Console
Microsoft Clarity
デザインツールの活用
Figma
Adobe XD
Adobe Photoshop
Adobe illustrator
※私の勤めている会社のディレクターは、Photoshopとillustratorにおいては確認で開く程度で、そこまで使い倒すことは無いです。ただ、これまでは「Adobe XD」、最近だと「Figma」を使ってワイヤーフレーム(サイト構成図)を作成するため、こられは使えるほうが良いです。
Webデータ・ファイルを扱うためのツール
コードエディター(主には「Visual Studio Code」)
Git GUI(主に「SourceTree 」)
FTPソフト(Filezilla、Filezilla、WinSCPなど)
ブラウザにある検証ツール(デベロッパーモード)
その他あったら楽になるかもしれないモノ
ここからはもはやスキルでも何でもない内容もあるのでさらっと見ていただければと思います。ただ、「少し分かる」「少し操作できる」があると、(ディレクターになりたい人ほど特に)のみ込みまでがだいぶ楽になると思います。
楽になるツール編
Googleが提供しているツール
Googleが提供しているツールは非常に使います。例えば、「Google カレンダー」「Gmail」「Google Drive」「Google スプレッドシート」など、使わない日はありません。Slackなどのチャットツール
クライアントとの連絡の際は、クライアントが使っている連絡ツールに応じることもあるため、自社内で使っているツールに以外にも触れておくのがおすすめです。私の勤めている会社では「Chatwork」を使っていますが、クライアントによって「Slack」「Microsoft Teams」「Discord」などを使い分けます。Notionなどのドキュメントまとめツール
Notionもはや世界的に有名なメモツールではないでしょうか。私の勤めている会社では、Notion内に、各案件のサイト情報やドキュメント、議事録、社員の日報などをため込んでいます。ページ単位で共有可能なので、簡単な資料としてクライアントへ見せることもあります。英語を理解するためのツール
英語を理解するためのツール 英語がスラスラ読めずとも、英語アレルギーは解消し、アプリやブラウザの翻訳機能を使ってでもいいので「英語↔日本語」の変換がサクッとできるようになっておくと良いです。
「海外のWebは数年先を行っている」なんて聞きますし、WordPressやGoogleなどの情報は英語圏のほうが早いんですよね…私の勤めている会社ではアメリカ出身の社員もいて、英語でチャットしたりもしばしばあります。「DeepL」のアプリを使えば、『「Ctrl + C」+「C」』と、Cを2回押すと、DeepLアプリ上で即翻訳してくれます。便利ですよ。AIツール
「ChatGPT」や「Bing Chat」などのAIツールは一通り使ってみることをオススメします。ここまでずらーっと書いておきながら、AIによってWebの仕事は無くなる可能性もあります。そのくらい衝撃的です。長くなるので書きませんが、色々調べてみてください。
楽になるスキル編
敬語
やはり敬語ができているだけで「こいつできるな」と思われるみたいです。ディレクターはチームの顔、ないしは会社の顔にもなるので、意識だけでもしおくと"得"です。「2重敬語」や「ら抜き言葉」など、調べる癖をつけておくと良いでしょう。メールの書き方
私が新米ディレクターの頃は、ほんと苦労しました…。今でも「○○ メール書き方」のように書き方を調べています。名刺の渡し方
名刺交換は頻繁にあります。渡し方を見ているクライアントもいるようです。たかが渡し方ひとつで毛嫌いされるなんてことは避けたいですよね?
実際に渡す時は緊張したりするので、少し練習しておくと良いと思います。清潔感
これは、ここで言う事でもないかもですね。ただ、清潔感が無いだけで、仕事依頼の数が違うなどの話もよく聞きます。普段から髪型や服装は意識することをオススメします。
個人的にオススメするスキル
本を読めるスキル
やはり「本」は偉大です。
この文章量を書けるようになったのも、結局は本のおかげだと思います。私はWebに勤め始めてから本を読むようになり、ここ3年で約100冊ほどは読んだと思いますが、3年前の自分とは明らかに、出てくる言葉の量や質が違うなと感じます。
なお、後々「Webディレクターにおすすめの本た」として記事にできればと思ってます。
「いや、多すぎ!!!」
と思いましたか?
私は思いました (笑)
この記事を書き始めた当初は、まさか1万4000文字超える大作になるとは思ってもいませんでした。
「ディレクターは求められることが多すぎる」
最近(?)、Xなんか見てると多く目にします。「ディレクターは求められることが多すぎる」「ディレクターはやることが多すぎる」と。改めてこの言葉の意味を痛感します。
かつそこに、Webで使う必須ツールや専門用語が入ってくるため、突然ディレクターとして就職するなんてことはあまりないとは思っていますが、どうなんでしょうか。。。(もしいたら教えてほしいくらいです。私はこの記事を書けるほどディレクターを俯瞰できるまでに2年かかったのに笑)
ただし、ビジネスマンとしての要素は詰まりまくり
ビジネスマンとしての要素が詰まりまくっていることは確かです。
Web以外の職業でも応用できると思います。
(あまり声を大にして言えませんが)、これだけのスキルを身につけていれば、今勤めている会社に何か不幸があってもどうにかなる気もしています。個人的には、起業や映像系のディレクターも面白そうだなと思っており、スキルをどんどん盗んでやろうという意気込みで日々仕事しています(笑)
それくらい、大変でもあり、やりがいもあり、将来に繋がる仕事だと思います。
内向的なディレクターの生存戦略
ここまでスキルやツールについて長々と書いておきながら、根本的にWebディレクターとしての大切な心得・そもそもWebとは何なのかという概念も必要になってきたり。。。さらには、自分がそもそもどんな人間・性格なのかを知らないと、どのスキルを極めていけばいいのか分からないという方もいると思います(個人的には、内向的な性格なので「内向的なディレクターの生存戦略」のようなタイトルの記事を書きたいなと思っています)。
ここはまた長くなりそうなので、追って別の記事にします。
ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。
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